供給装置についている、長さが1540mmの
THKのLMガイドが破損して
しまったので交換してほしい。
という依頼を頂きました。
以前、かなり購入が困難だったので、
お客様が、
「THKのLMガイドを購入しよう
としたら、
「納期がかかる!!」
と言われたので、
LMガイドを予備部品として
購入ができなかったんです。」
「納期が早かったNSKの
リニアガイドが、
「そのまま使える。」
と聞いたので、
そちらを購入したのですが
交換できますか?」
という依頼でした。
高さや取り付け用のボルトのピッチ
も同じだったので、トラブルなく交換を
終えることができ、
すぐに供給装置を稼働させることが
出来ました。
が、メーカーが違うものを交換しても
問題ないのでしょうか?
メーカーと型式が違うのに交換できるのか?
「リニアモーションガイド」
を製品化した、日本国内では約70%、
世界でも50%超のシェアを持っている
トップメーカーです。
なので、取り付け規格などTHKさんに
合わせて作られているものが多く、
ブロック長さなど微妙な違いはあっても、
各メーカー取り付け寸法が
同じものが多いんです。
今回は、
THKさんのSSR-XWタイプと
NSKさんのNS-ALタイプを
交換して生産再開することが出来ました。
資料を確認したところ
基本動定格荷重は、
THKさんの方が、少し高いですし、
同じ取り付け寸法でも、
材質や表面処理、オプションなど
特別な種類もたくさんあります。
全く同じというわけにはいかないので、
交換前に問題ないか確認して下さい。
THKとIKOの創業者は同じ
先ほどは、THKさんとNSKさんでしたが、
次は、
THKさんとIKO(日本トムソン)さんです。
この2社は、実は同じ創業者なんです。
知ってましたか?
と言う理由なのかは知りませんが、
クロスローラーベアリングなどは
THKさんのRBとIKOさんのCRBCが
同じ寸法なんです。
私は、問い合わせをして在庫が有る
ほうを使うようにしています。
しかも、カムフォロアや
ローラーフォロアなどに至っては
型式から全く同じなんです。
リニアガイド比較表
各ガイドメーカー型式比較表 | ||||
THK | IKO | NSK | NB | HIWIN |
LM ガイド |
リニア ウェイ |
リニア ガイド |
スライド ガイド |
リニア ガイド ウェイ |
SHS形 | MH形 | NH形 | QH形 | |
SSR形 | ME形 | NS形 | QE形 | |
HSR形 | LWH形 | LH形 | SGL形 | HG形 |
SR形 | LWE形 | LS形 | SGL形 | EG形 |
といった感じで、取付け寸法の互換性
があるタイプをまとめてみました。
ブロック単体での購入も可能なものがある
ので必要な場合は確認してみてください。
装置メーカーの保証がなくなる恐れがある。
購入して間もない装置ですと、
保証期間1年とか稼働時間〇〇〇時間などの
記載があります。
勝手にこちらで交換してしまうと
装置メーカーは、
それが原因で装置に
問題が発生した。
勝手に交換時に破損した
可能性がある。
という理由で保証を切られる場合が
あるので、気を付けて対処して
いただく必要があります。
とはいえ、
装置メーカーの対応が悪かったり
修理に来るまでに時間がかかったりして
装置の稼働が遅くなるので、
工場ごとに修理しているのが現状です。
LMガイド リテーナータイプと総ボールタイプ
THKのLMガイドには、
ボールリテーナータイプと総ボールタイプ
があります。
SHSに代表される
『ボールリテーナータイプ』
と呼ばれる構造は、
グリースが封入されている構造のため
長期のメンテナンスフリーや
発熱が少ないので高速性に優れており
音が静かというタイプになります。
HSRの総ボールタイプのサイズで
作られたSHSは、一時期すべて
SHSタイプにする予定だったと
聞いたことがありますが、
水がかかる環境で、SHSはグリースが
流出してしまうので、
そういう場合はHSRを使用します。
まとめ
最近は、お客様の社内で保全や
メンテナンスをする方が、
若くなってきていることもあってか
メーカーの納期をひたすら守って
社内で機械が動かなくて
怒られる。
といった話をよく耳にします。
怒られないように、少しでも
あなたの役に立てたらと思い
置き換え情報を、
提示していきたいと思います。
ありがとうございました。