■前回のあらすじ
「自業自得」が突き刺さる、経営陣の末路
しかし今度は、孫の不振に
「情」で泣きついてくる。
かつて若手の苦悩を
「辞めてもしかたない。」
と一蹴した不誠実さは、
鏡のように自らの身へ。
私物化された組織を前に、私の中の
改善という名の灯は消え失せた。
■ 第19話:茶番の始まり|期待を捨てた「空白」の着席
数週間ぶりに突如開かれた、
社長・相談役との食事会。
私の問いには答えず、
都合ばかりを押し付けてくる社長。
その姿に会社への感情は音もなく
抜け落ち、私はただ「空白」を
抱えたまま、その席に着いていた。

おぉ、相談役も
ゆういち君も、
もう着いていたのか?

少し前、ゆういちさんと
似た時間に到着しました。

おぉ、そうか。

早速ですが、
何か頼まれますか?

ゆういち君の
好きなものを頼んでくれ。

では、適当に頼みますね。

よろしく頼む。

いや、
「最近ゆういち君の
元気がないな。」
と思って声をかけたんだ。

食事でもしながら、
話を聞こうと思ってな。

(また、ガス抜きの
ための食事会か。)

元気がないわけでは
ありませんよ。

指示がないから、
動きようがないだけです。

結局、私はどうすれば
いいのですか?

おぉ、営業部長の件だな。
それは進んでいる。

安心してくれ、
大丈夫だ。
▼ 第7話:社長との約束「改革の全貌」

私は、石田君には営業部から
事業推進部に異動する話を
まだしていない。

副社長から軽く話はしている
と聞いているが、
返事はないそうだ。

社長からは、
まだしていないんですか?

結局、どう進めればいいか
分からないので、
営業部長を辞退します。

いや、それは副社長との
約束だから決定事項だ。

必ず進めるから、
もう少し時間が欲しい。
森田相談役が話題を変える。

そういえばゆういち君、
営業管理システムの話は
どうなっているんだ?

おぉ、進捗を教えてくれ。

進捗も何も、相談役が
「グループリーダーと
直接話をしろ。」
と言ったのでしましたよ。

ただ、営業部での
決定事項ではないので、
進捗はありません。

あぁ、そうだったな。

……。

私も悩みに悩んで
病院に通っているんだ
察してくれ。

いや、社長の段取りが
悪かっただけでしょ。
自業自得じゃないですか?

何度も言っていますが、
どうするかを決めて下さい。

私自身が営業部長に
なりたいわけではないので
いつでも辞退しますよ。

まぁ、結論をいそがずに、
きたる日に向けて、
人間性を高めてほしい。

いや、
石田君にも当然問題はある。

石田君にも人間性を
高めるように
言い続けているんだ。

……。
まぁ、何でもいいです。
早く決めてください。

では、もうそろそろ
帰りましょう。

そうだな。
今日はもうお開きにしよう。
⚖️ 私情と無責任が招く会社の断末魔
-
✔
ルールの私物化:
規律を盾にしながら、
身内には「情」で例外を作る。 -
✔
現場への丸投げ:
自ら招いた不都合なツケを、
現場の善意で埋めさせようとする。 -
✔
自覚なき因果応報:
組織の腐敗は、経営陣の
「不誠実」が映し出された鏡である。
改革を捨てた経営陣に、
現場が差し出す手はもうありません。
■背景情報
<会社情報>
| <社名>架空金属産業株式会社 社員総数50数名 | ||
| 営業部営業課 | 機械部品販売 | 営業 8名 |
| 営業部エンジニアリング課 | 機械修理・改造 | 技術者 5名 |
| 営業部営業管理課 | 営業活動の補佐 |
社員 5名 |
| 営業部総務課 | 人事・経理兼務 | 社員 4名 |
| 製造部製造1課 | 機械加工 | 作業者 10名 |
| 製造部製造2課 | 塗装 | 作業者 10名 |
<登場人物>

創業者
82歳
誰にでもいい顔をしたがる

山田社長の息子
製造部責任者
52歳
新しいものが好き

事なかれ主義
66歳
大手企業の元役員

数少ない生え抜き社員
58歳
社長公認の「子供っぽさ」
がある感情的な性格

入社4年目の経理
24歳
正論を言わなくなった優等生

入社20年
46歳
エンジニアリング課課長
エンジニアリング課の営業