「クソ会社」への引導|赤字を救った実績すら「癇癪」と断じる経営陣へ。退職勧奨を待つ余裕で選ぶ「決別」の生存戦略【第20話】

組織との決別を決意するゆういち(左)と、激昂する山田社長、冷笑する森田相談役、無表情な石田部長(右)の対比イラスト。中央に『開戦』の文字。

※本ページはプロモーションが含まれています

スポンサーリンク

■前回のあらすじ

期待を捨てた「空白」|茶番劇の終焉

社長らとの食事会は、無策を棚に上げた
「ガス抜き」の茶番だった。
進まぬ改革と「人間性」という卑怯な
逃げ言葉に、会社への愛着は消え失せた。
不誠実な経営陣に絶望し、私の心には
決別という名の「空白」が広がった。

■ 第20話:開戦の号砲|実績を「癇癪」と断じる経営陣への引導

娘の名前を相談するほど
信頼していた社長への期待を捨て、
心が晴れやかになった私。

しかし、
エンジニアリング課の会議で
現場無視の決定を強行し、
理不尽な責任を押し付ける経営陣に、
私の怒りは爆発する。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

では、
エンジニアリング課の
会議を始めます。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

よろしくお願いします。

CONFRONTATION

エンジニア2名欠席。
数少ない現場の守り手に対し、
経営陣が牙を剥く。

Frontline (Field)

ゆういち / エンジニア3名

Management (Company)

社長 ・ 相談役 ・ 部長

⚔️

出席:7名
欠席:2名(仕事)

VS

近年のエンジニアリング課は
赤字を脱したが、わずかな
減収で逆戻りしかねない。

そのため、今回の会議では
会計の基礎を掴んでもらうため、
勉強会からスタートした。

LEARNING SESSION

エンジニアリング課の
未来を創る会計学。
動画とクイズで紐解く、
現場のための「数字」。

売上・変動費・売上総利益・
固定費・営業利益の仕組み。
「全員経営」の基礎知識を
積み上げる。

💡

自らの手で赤字を脱した彼らだからこそ、
その瞳には「意思」の光が宿っていた。

会議も中盤に差し掛かった時、
相談役が手を上げ、

森田相談役
森田相談役

私は、
次の予定があるので、
先に大事な話を
させてもらっても
いいですか?

ゆういち(私)
ゆういち(私)

お願いします。

🚩 開戦の号砲

努めて冷静に先を促したその瞬間、
理不尽な組織との「戦争」
が始まった。

— SOLITARY WARFARE —
WAR
森田相談役
森田相談役

エンジニアリング課は
今、説明にあった通り
およそ営業利益率1%
のところにいます。

森田相談役
森田相談役

しかし、
私たちの管理している
エンジニアリング課単体の
BS(貸借対照表)及び
PL(損益計算書)では
赤字となっています。

森田相談役
森田相談役

なので、4日後の月初から
平日作業費を30%増やし、
休日作業の場合は、
100%増しで金額設定を
行ってください。

私は耳を疑った。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

(えっ?
何を言っているんだ?
私の聞き間違いか?)

ゆういち(私)
ゆういち(私)

その決算書ですが、
私が昨年、外注で受注した
大型案件は含んでいますか?

森田相談役
森田相談役

部長、
含んでいるんですか?

石田部長
石田部長

含んでいません。
営業課の数字に
なっています。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

(結局、その程度の
データで無謀な案を
決定されても困る。)

ゆういち(私)
ゆういち(私)

そうですよね。
その決算書の信憑性の
乏しさを何度も説明してますが
変えてくれませんからね。

石田部長
石田部長

それは、
他の営業課員からの
受注も回しているから
問題ない。

INNER VOICE(心の声)
ゆういち

は?他の営業課員からの依頼が、
どれだけあると思っているんだ?

(手元に詳細な資料がないことを
いいことに……。
こんなもの、反論を封じるための
「嫌がらせ」でしかない。)

……数字の改ざんに等しい。
しかし、「決算書がおかしい」
という点から覆すのは難しそうだ。

STRATEGY
ゆういち(私)
ゆういち(私)

作業費が現状4万円だとすると、
平日作業費 5万2千円
休日作業費 8万円
ということですよ。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

一度きちんと精査してから
話しないと了解できないです。

森田相談役
森田相談役

これは、
私・社長・営業部長の
決定事項なので、
従ってもらいます。

森田相談役
森田相談役

この条件に合わない仕事は
断ってください。

私は、ぎりぎりの理性を保ち
質問を行う。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

すみません。
会社命令なら従いますが、
結果、目標未達成だとしても
責任の所在はそちら側ですよ。

森田相談役
森田相談役

「それはおかしい!」
その条件でも、
良い会社と取引をして、
目標を達成するのが、
あなたの仕事ですよ。

森田相談役
森田相談役

その条件に従って、
責任を負ってください。

この一言で、
私の感情がむき出しになった。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

事前に相談もない、
連絡も説明もない
無謀な決定事項を
一方的に押し付け、
「責任もとれ。」
はおかしすぎる!

ゆういち(私)
ゆういち(私)

そんな条件、
呑めるわけがない。

森田相談役
森田相談役

いや、実際赤字だから
同じ仕事量で
黒字ににするのが
一番楽な方法でしょ。

INNER VOICE(心の声)
ゆういち

自分たちにとって
都合がいいだけで、
「お客さんの事業に
貢献できているか?」
の視点が完全に
抜けている……!

地域密着型の我々にとって、
その行為は自分たちから
大事な人たちとの縁を切る
「暴挙」だと分からないのか!

あと、どれだけ「赤字」と
繰り返し言えば気が済むんだ。
エンジニアには関係ない。
これ以上、やる気を削ぐな……!

ANGER
ゆういち(私)
ゆういち(私)

赤字・赤字と言いますが、
あなた方が主導した
4年前までは、営業利益額
数千万の赤字でしたよね?

山田社長
山田社長

今まではそれで
よかったんだが、
エンジニアリング課単体で
黒字化を目指すことにしたんだ。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

(また思い付きで話をして。
それで、揉めてきたのに…。)

ゆういち(私)
ゆういち(私)

雰囲気も最悪だった
あの組織を、トントンまで
立て直したのは私です。
それを忘れたのですか?

エンジニアリング課の課長就任前後における一人当たり労働生産性の比較グラフ。就任後、仕組み化により生産性が急激に向上している様子。
エンジニアたちが積み上げてきた「真実」
ゆういち(私)
ゆういち(私)

この結果に満足せず、
今年は議論して、
「みんなで協力して
数字を上げていこう!」
という会議にしよう。
と説明までしたのに。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

それを反故にして、
決定事項を押し付けるだけなら、
課長なんてやってられない。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

もう、降ります

この一言が、
社長の感情にも火をつけた。

山田社長
山田社長

そんな簡単に、課長を
やめるなんておかしい。

山田社長
山田社長

イヤなことがあったら
そのたびに投げ出すのか?

ゆういち(私)
ゆういち(私)

それは違います。
明らかにとれない責任を
提示されたから、無理だと
言ってるだけです。

石田部長
石田部長

値段を変えるだけの
なにが難しいんだ?

ゆういち(私)
ゆういち(私)

そちらが責任を取るなら
やりますよ。

石田部長
石田部長

……。

ABANDONMENT

私には、これが
エンジニアリング課に対する
執拗な「卑劣な嫌がらせ」
にしか思えなかった。

「次がありますので。」
相談役はそう言い残し、
戦場と化した会議室を
後にした。

EXIT
山田社長
山田社長

赤字続きだった4年前だったら、
もうすでに解散している。

山田社長
山田社長

エンジニアリング課には
大きく助けられている。

山田社長
山田社長

今からもっと
頑張ってほしい思いが
あるから言っているんだ。

INNER VOICE(心の声)
ゆういち

仕事が減るのが
目に見えている暴論を
押し通すのであれば、
まともな仕事を継続
するのは不可能だ。

「赤字」を連呼するなら、
社長の責任で、この課を
解体すればいいじゃないか。

……結局、
エンジニアリング課を
潰すための汚名を、
すべて私の責任にしたい。
そうとしか思えない。

SCAPEGOAT
ゆういち(私)
ゆういち(私)

目標数字に対する責任と
作業費を上げる責任は、
両立できません。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

責任をとれないから、
課長を辞退する。
という判断です。

山田社長
山田社長

君たちはどう思う?

社長がエンジニアリング課の
課員3名にも意見を求める。

ENGINEERS’ REACTIONS

突如突きつけられた「値上げ」の暴挙。
戸惑い、沈黙、そして正論。
現場の熱量は急速に奪われていく。

課員1:
「単価を上げれば仕事が減る。
このパラドクスを
どう捉えるか……」
(市場原理を無視した決定への、
隠しきれない不安)

課員2:
「どちらの肩を
持つこともできない。
ノーコメントで。」
(異常な対立構造を前に、
思考を停止せざるを得ない絶望)

課員3:
「この話は、突然決定事項を
突きつけるのではなく、
事前に調整すべきでは?」
(組織運営の欠如に対する、
痛烈な正論)

経営陣が欲しがったのは
「Yes」という返事だけ。

SAY

との回答に社長は一旦考え、
口を開いた。

山田社長
山田社長

私たちの進め方が
間違っていた。
これは謝る。

山田社長
山田社長

しかし、簡単に役職を
やめるという発言は
看過できない。

山田社長
山田社長

簡単に癇癪を起すようでは、
人はついてこないぞ

INNER VOICE(心の声)
ゆういち

は?また自分たちの
段取りの悪さを、
「人のせい」にして
幕引きを図るのか?

これが「人間性のいい奴」か?
結局、自分に都合のいい奴を
そう呼んでいるだけじゃないか。

こんな会社の役職に、
何の価値があるというのか。

……まぁ、社長自ら「段取りを
間違えた」と認めている。
今投げ出すのは私の本意ではない。
ここらが、「引き時」だ。
DECISION
ゆういち(私)
ゆういち(私)

私も軽々に
「課長を降りる。」
と言ったことは謝ります。
すみませんでした。

山田社長
山田社長

分かったならいい。

山田社長
山田社長

では、
結論はどうしようか?

ゆういち(私)
ゆういち(私)

現状から作業単価5%アップ
が妥当な点だと思います。

少し不満げな顔をしながら

石田部長
石田部長

……分かった。
そこで一旦協議する。

ゆういち(私)
ゆういち(私)

では、会議を終わります。
……お疲れさまでした。

⚖️ 妥協の終焉と「個」の覚悟

  • 形ばかりの決着:
    結論は「単価5%アップの検討」。
    数字は動いても、
    失われた信頼が戻ることはない。
  • 剥き出しの敵意:
    煮えくり返るはらわた。
    経営と現場の溝は、 修復不能な
    までに決定的なものとなった。
  • 生存戦略の転換:
    「退職勧奨」を前提とした背水の陣。
    会社のためではなく、
    自分のスキルのために牙を研ぐ。

組織に殉じる時代は終わった。
これからは、私自身の価値を
証明するための戦いです。

— Build Your Own Future —
第21話は鋭意執筆中!
PR 一歩を踏み出したいあなたへ

会社を変えるのは時間がかかります。
でも、自分の環境を変えるのは
「今この瞬間」の決断ひとつです。

\ スマホ1つで、あなたの悩みを解消 /

[PR] 就職カレッジ®|
オンラインで「新しい一歩」を

■背景情報

<会社情報>

<社名>架空金属産業株式会社 社員総数50数名
営業部営業課 機械部品販売 営業 8名
営業部エンジニアリング課 機械修理・改造 技術者 5名
営業部営業管理課 営業活動の補佐
社員 5名
営業部総務課 人事・経理兼務 社員 4名
製造部製造1課 機械加工 作業者 10名
製造部製造2課 塗装 作業者 10名

<登場人物>

山田社長
山田社長

創業者
82歳
誰にでもいい顔をしたがる

山田副社長
山田副社長

山田社長の息子
製造部責任者
52歳
新しいものが好き

森田相談役
森田相談役

事なかれ主義
66歳
大手企業の元役員

石田部長
石田部長

数少ない生え抜き社員
58歳
社長公認の「子供っぽさ」
がある感情的な性格

小林由美
小林由美

入社4年目の経理
24歳
正論を言わなくなった優等生

ゆういち(私)
ゆういち(私)

入社20年
46歳
エンジニアリング課課長
エンジニアリング課の営業