R22冷媒が生産中止になるので
チラーを入替えませんか?
という案内が来たんですが、
どういうことなんですか?
R22冷媒は、2000年頃に
使われていた冷媒です。
確認してみますが、
20年前のチラーは
ないと思います。
チラーの耐用年数は、
15年と言われています。
とはいえ、6、7年で
交換するイメージですが・・・
そんな感じなんですね。
多分、大丈夫です。
チラー以外にも
冷蔵庫・冷凍庫・エアコン
などにも使われています。
そんな昔のものは、
ありません。
ホッとしました。
というやりとりがありました。
今回は、「冷媒」について
考えていきたいと思います。
冷媒とは?
エアコン・エアドライヤ・チラー・
冷蔵庫など
- ヒートポンプ
と呼ばれる、熱を集めて運ぶ技術を使って
温度を調整する機器の、熱を運ぶ流体に
- 冷媒
が使用されています。
ヒートポンプとは?
一般的に熱エネルギーは、
お風呂のお湯が、
時間とともに冷めていくように、
高温から低温に移動します。
ところがヒートポンプは、
その逆で、熱エネルギーを
低いところから高いところに
移動させることが出来る技術で、
空気中から熱を抜き出して
移動させることで、冷却・加熱
することが出来ます。
エアコンで例えると、
冷房時
エアコン内部の冷媒が
室内の空気の熱を抜き取り、
その熱を外気に排出することで
室内を涼しくすることが出来ます。
暖房時
冷房とは逆に、外気の熱を抜き取り
その熱を室内に排出することで
室内を温めることが出来ます。
ただし、
外気の気温が低いと暖房能力が
低下するので注意して下さい。
参考:ヒートポンプ
ダイキン工業株式会社
特定フロンと代替フロン
特定フロン
R22冷媒は、HCFCとも呼ばれており
1996年に生産終了となった
CFC(R12・R502等)と合わせて
- 特定フロン
と呼ばれています。
特定フロンであるR22冷媒は、
オゾン層破壊効果と
二酸化炭素の数百倍から数万倍の
高い温室効果を持っているので
1987年のモントリオール議定書と
1988年制定のオゾン保護法に基づき
- R22冷媒は、
2019年に生産・輸入終了
となりました。
そのため、R22冷媒を使用した機器の
冷媒回路の修理が、
出来なくなってしまったので
各メーカーさんが、
早めの交換を推奨されています。
代替フロン
代替フロン(HFC)は、
特定フロンの代替として
開発された物質で
塩素を持たないので、
オゾン層破壊効果がありません。
しかし、HCFC同様
高い温室効果があるので、
地球温暖化の原因として
依然、問題となっています。
参考:フロンとは
経済産業省
現在、主流の冷媒は?
現在の主流である冷媒は、
「代替フロン HFC」
ですが、
- R32
- R410A
の2種類をよく目にすると思います。
家庭用のルームエアコンに
使用されている冷媒は、
R32と呼ばれるもので
R410Aと比べて、
- 温室効果係数が低い
- 熱移動の効率が良い
- 追加充填が可能
という点からR32が使われています。
ただし、R32の冷媒は
- 微燃性冷媒
であるため工業製品の多くは、
火災リスクが考慮され
R410Aを使用している製品が多いです。
改正フロン排出規制法
機器の廃棄に伴うフロン回収率の低迷から、
2020年4月1日から
「改正フロン排出抑制法」
が施行されます。
法律違反に対する罰則が強化されるので
注意して下さい。
参考:フロン排出抑制法ポータルサイト
環境省
特定フロンの生産・輸入終了に伴う注意点
2019年でHCFC・R22冷媒が
生産・輸入終了になり
2020年からR22冷媒の供給が
出来なくなりました。
そのため、R22冷媒を使用した機器の
冷媒回路の修理対応が出来なくなりました。
ただ、
注意しなくてはいけないのは、
「直ちに、R22冷媒を使っている機器を
使用してはいけない!」
というわけではありません。
とはいえ、R22を使った機器を
現在も使用されているのであれば、
オゾン層破壊や修理が出来ない
ということもありますが、
当たり前ですが、古い型が多いです。
エアコンで比較してみると
15年前のエアコンと最新のエアコンでは
「年間電気代が約54%も削減できる!」
と言われています。
省エネの観点から考えてみても
現行機器に交換する方をお勧めします。
参考:R22冷媒(HCFC)生産終了のお知らせ
ダイキン工業株式会社
まとめ
地球温暖化対策のため、
現在の主流である「代替フロン」も
日本は、2029年までに
70%の削減義務があります。
それを達成するために
「グリーン冷媒」
と呼ばれる温室効果の少ない冷媒の開発が
進められています。
とはいえ、まだ先の話です。
今回、2019年に生産終了になった
R22冷媒を使用している機器だけではなく
特定フロンや代替フロンを冷媒に
使用している機器の交換や
廃棄する場合、
フロンの大気への放出は、
法律で禁止されていますので、
必ず「改正フロン放出抑制法」
に従って機器の廃棄や
フロン回収を行ってください。
ありがとうございました。