【完全版】エアフィルタの種類と使い分け|粗じん用からHEPAまで性能を徹底比較

野球のグローブでボールをしっかりと捕球(キャッチ)している様子。エアフィルタが粉塵を逃さず捕捉するイメージを象徴。
確実な「キャッチ」が、設備と現場の品質を守る。

※本ページはプロモーションが含まれています

乾燥工程のフィルタ交換

をお願いします。

では、耐熱フィルタを

手配しておきますね。

ところで、耐熱フィルタって

洗浄再生はできるんですか?

耐熱フィルタは洗浄再生

しないほうが良いですよ。

TECHNICAL INSIGHT

耐熱フィルタの「再生×」には、
「見えない劣化」の懸念があります。

  • 素材の変質:
    高温下で使い込まれた繊維は、
    洗浄の物理的負荷で「微細な粉砕」
    を起こすリスクがあります。
  • 汚れの固着:
    耐熱特有の強固な汚れは、
    水洗いでは完全に抜けず、
    「即座の目詰まり」を
    再発させる恐れがあります。

数社のメーカーカタログを
見ても、洗浄再生には「×」
がついています。

メーカーカタログが
×なら、仕方ないですね。

ということで、耐熱フィルタの
交換をすることになりました。

💡 今回のテーマ

【完全ガイド】エアフィルタの種類と
『粗じん用』の賢い使い分け

一口にフィルタと言っても、
目的によって最適な種類が存在します。
この記事では、
プレフィルタ(粗じん用)の役割から
中・高性能フィルタ寿命を延ばす戦略まで、
現場の品質向上の知識を簡潔に解説します。

関連記事

粗じん用エアフィルタ(プレフィルタ)の基礎知識と役割

フィルタって種類が多すぎて、
どこから見ればいいか迷いますよね。
まずは、現場でも一番なじみ深い
粗じん用エアフィルタの代表、
「乾式不織布エアフィルタ」
からじっくり解説していきます!

 乾式不織布フィルタの構造|「織らない」からゴミが取れる理由

そもそも『不織布』って
なんですか?

走査電子顕微鏡(SEM)風のリアルな質感で描かれた不織布フィルタの複雑な繊維ネットワークのイラスト。繊維の表面には無数の微細な塵やホコリがびっしりと付着している。織物(テキスタイル)のような規則正しい網目がないことが一目でわかる。右下には「50 µm」のスケールバーがある。全体的に「現場の真実」を伝えるプロの資料という印象。

※AIで作成したイメージ図です。

BASIC: NON-WOVEN

不織布とは、
「織らずに固めたシート」
のことです。

  • 構造の秘密:
    繊維を織らず絡み合わせた不織布は、
    その複雑な「重なり」で微細なゴミ
    を捕捉します。
  • 性能の決まり手:
    繊維の太さ、密度、素材特性の
    組み合わせによって、フィルタの
    用途や寿命が決定されます。

目的に合わせた「最適な絡み合い」が、
確かなろ過性能を生み出すのです。

粗じん用エアフィルタは、
「プレフィルタ」とも呼ばれており

STRATEGIC DEFENSE

粗じん用(プレフィルタ)は、
「空気の門番」として後段を護る。

  • 大きな異物をシャットアウト:
    落ち葉や昆虫、粗い塵埃など、
    目に見えるサイズのゴミを
    最前線で確実にキャッチします。
  • コストの最適化:
    安価なプレフィルタが汚れを
    引き受けることで、
    高価な中性能・HEPAフィルタの
    寿命を劇的に延ばします。

地味に見えて、実は現場のコストと
品質を守る「盾」
なのです。

関連記事

HEPA・ULPA・中性能フィルタの違い|JIS規格による性能比較

高価な中性能・HEPA・
ULPAとか「盾」
とか言われても、
よく分からないんです。

急に言われても、
分からないですよね。

横長に切り取られたクリーンで未来的な空調システム内部の3Dレンダリング図解。左から真っ黒に汚れた空気(塵、虫、ホコリ)が勢いよく入り、プレフィルタ( coarse fibrous network)、中性能フィルタ( denser complex fiber mesh、 image_0.png の詳細繊維構造に基づく)、HEPAフィルタ( high-density pleated filter)の順に並んでいる。プレフィルタで大きな粒子が「ゴソッ」と捕まり、空気は少しグレーになる。中性能フィルタで微粒子(PM2.5など)が繊維に絡め取られ、空気は白くなる。HEPAフィルタで残った超微粒子がほぼ完全にキャッチされ、右端から完全に透明でキラキラと輝く超クリーンな空気が静かに出ていく。病院の手術室や半導体工場のような高い信頼性を感じさせるデザイン。日本語のテキストラベル付き(「空気入口 (汚染空気)」、「プレフィルタ (粗じん用)」、「中性能フィルタ」、「HEPAフィルタ」、「空気出口 (超クリーン空気)」)。中性能フィルタ部分には、 image_0.png と同じ「50 µm」のスケールバーが表示されている。

※AIで作成したイメージ図です。

EFFICIENCY LOGIC

なぜ、フィルタを使い分けるのか?

超高性能なHEPAフィルタであっても、
大きなゴミが直撃すれば一瞬で目詰まりを
起こし、高価な性能をドブに捨てる
ことになります。

上流で「粗じん用」が大きな外敵を阻止し
下流で「中・高性能」が目に見えない微粒子
を仕留める必要があるんです。

各フィルタのスペックの違いを
一覧で比較してみましょう。

横スクロールで詳細を確認

最新JIS規格(2019/2022)フィルタ性能比較
フィルタ分類 評価対象
(粒子サイズ/試験粉塵)
主要な測定項目・手法
(JIS B 9908 / 9927)
捕集効率の目安
粗じん用フィルタ
(プレフィルタ)
5.0μm 以上
(JIS 11種粉塵)
質量法 捕集率
大きな塵埃の重量差で評価
60 ~ 90%
中性能フィルタ 0.3 ~ 10μm
(JIS 8種粉塵)
粒子状物質捕集率
J-ePM1 / 2.5 / 10 (min含)
50 ~ 95%
HEPAフィルタ 0.3μm 粒子
(DEHS / PAO等)
MPPS(最大透過粒径)測定
走査漏れ試験 / 総合捕集率
99.97% 以上
ULPAフィルタ 0.15μm 粒子
(DEHS / PAO等)
MPPS(最大透過粒径)測定
局所捕集率 / 超微粒子評価
99.9995% 以上

💡 中性能フィルタ選定のポイント:
最新のJIS(計数法)では、対象とする粒子の
大きさによって「J-ePM1」「J-ePM2.5」
「J-ePM10」といった指標で細分化
されています。
現場で「PM2.5をカットしたい」といった
具体的なニーズがある場合は、その粒子サイズに
対する捕集効率を確認することが重要です。

! 測定方法の最新定義

⚖️

質量法 (粗じんフィルタ評価)

供給した粉塵の「重さ」で算出。
大きなゴミを捕まえる
プレフィルタの性能を測る、
最も基礎的な指標です。

🔬

計数法 (中性能・HEPA・ULPA評価)

粒子の「個数」を1つずつカウント
する現代の主流。以下の評価指標は
すべてこの計数法に含まれます。

  • 粒子状物質捕集率
    (J-ePM1 / 2.5 / 10)

    中性能フィルタ用
  • MPPS(最大透過粒径)測定
    HEPA / ULPAフィルタ用

【規格改正メモ】
かつて中性能で主流だった「比色法」は、
JIS B 9908:2019の改正に伴い削除されました。
現在は計数法ベースの「粒子状物質捕集率
(J-ePM)」へと完全移行しています。

DATA SOURCE

エアフィルタの試験方法と性能評価について

本表に記載の捕集効率および測定区分は、
日本産業規格「JIS B 9908」および
「JIS B 9927」を根拠としています。
これらは国際規格(ISO 16890等)に
準拠した最新の国内基準です。

※実務での利便性を考慮し、JIS規格の定義を元に
一部表現を分かりやすく再構成しています。

出典元:日本産業標準調査会(JISC)JIS検索サービス

【現場別】プレフィルタ4種の見分け方と最適な使い分け

粗じん用(プレフィルタ)には、
現場の環境やメンテナンス体制に
合わせて大きく4つのタイプがあります。

🔄

一般再生エアフィルタ

最大の特徴は
「洗って繰り返し使える」こと。
中性洗剤で水洗いし、
陰干しすることで4〜5回の
再利用が可能。
⚠️ 注意点: 洗浄を繰り返すと繊維がへたり、
捕集性能が落ちるため、
定期的な「新品交換」の判断が
プロの腕の見せ所です。

🗑️

一般使い捨てフィルタ

外気処理や中性能フィルタの
前処理に最適。
再生タイプとの最大の違いは、
使い捨てタイプの多くには
「粘着剤」が塗布されている。
💡 メリット: 粘着剤が微細な粉塵を逃さず
キャッチ。洗浄はできませんが、
メンテナンス工数を減らしたい
現場に選ばれています。

🎨

塗装ブース用フィルタ

「ゴミ・ブツ不良」を極限まで
減らすための専用設計。
低圧損でありながら、長期間安定
した風量を維持できる特殊構造。
💪 ここが強み: 塗装品質に直結するエリアで
使用され、歩留まり向上
(不良率ダウン)に
大きく貢献します。

🔥

乾燥炉用耐熱フィルタ

高温環境下でのヤニ・スス・
サビ対策の切り札。
従来のガラス繊維に比べ、
「粉砕片や飛散片が少ない」
のが特徴。
✅ 作業性UP: 交換時の繊維飛散が少ないため、
作業者の負担軽減と二次汚染防止
を同時に叶えます。

主要フィルタメーカー4社比較|日本無機・バイリーン等の代表品番一覧

現場でよく使われる代表的な4社の品番を
まとめました。ブランド名を知っておくと、
メーカーへの問い合わせや代替品選定が
スムーズになります。
※各社、性能や厚みに細かな違いがあるため、
リプレイスの際は必ず仕様書をご確認ください。

横スクロールで全社比較

用途タイプ 日本無機
(ダスクリーン)
日本バイリーン
(フィレドン)
金井重要工業
(トラベロン)
ニッタ
(リムジン)
一般再生 DS PS AF RM
一般使い捨て FR AT RMT
塗装ブース用 PA / PH IJ RMJ
乾燥炉用耐熱 DSH AI / AE RF RMF

※この他にも倉敷繊維加工(クラン)などの
有力メーカーがあります。
特定品番の代替検討でお困りの際の
参考にしてください。

まとめ:フィルタ選定が現場の「コスト」を変える

Summary

今回は、工場の品質とコストを支える
「エアフィルタの基礎知識」
を解説しました。

実務で押さえるべき3箇条

  • 「多段構え」で守る:
    粗じん用で大きなゴミを仕分ける
    ことが、高価なメインフィルタの
    寿命を延ばす鉄則です。
  • 最新JIS(計数法):
    旧来の比色法ではなく、J-ePMや
    MPPSといった「個数」で測る最新基準
    での評価が現在のスタンダードです。
  • 定期的な最適化:環境や用途に合わせて
    「厚み・枚数・材質」を見直すだけで、
    ランニングコストは劇的に改善します。

フィルタは単なる消耗品ではなく、
「現場の品質と安全を守る防波堤」です。
「今の選定がベストかな?」と迷ったら、
ぜひ最も身近なプレフィルタの見直し
から一歩踏み出してみてください。


フィルタの目詰まりより厄介な、
社内の「古い人間関係」

空気の汚れはプレフィルタで
防げても、20年以上放置された
「組織の淀み」という
毒を抜くのは至難の業です。

そんな現場での泥臭い闘いを
物語にしました。
ぜひ覗いてみてください。
📖 【第1話】密室の甘い毒

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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ゆういち|エンジニアリング課・技術営業

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公差・面粗度の基礎

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