ULPA・HEPAフィルタとは?清浄度・性能・材質について解説!

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規格

クリーンルーム内の
設備に、集塵機を
追加したいんですが、

いいものありますか?

どれくらいの

集塵能力があれば

十分ですか?

そこにある集塵機と
同等の能力で大丈夫です。

最大風量2.0m3/min以上
あれば、よさそうですね。

あと、24時間運転可能な
ものをお願いします。

関連記事
 

分かりました。

ところで、屋外までの
排気はどうしますか?

えっ!排気ですか?

排気のことなんて

気にしてませんでした。

クリーンルーム内に

そのまま排気するのは、
おすすめできません。

たしかにそうですね。

ただ、

実験的にやりたいので、
排気なんとか
ならないですか?

クリーンルームの
清浄度クラスって
いくつでしたっけ?

えっとたしか、
「クラス100,000」
とかだったと思います。

では、排気口に
『HEPAフィルタ』が
ついたタイプであれば、
クリーンルーム内でも
使用できると思います。

問題ないなら、
それでお願いします。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は『HEPAフィルタ』について
簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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フィルタの種類と性能

そもそも
『HEPAフィルタ』

ってなんですか?

私の分かる範囲での

説明になりますが

大丈夫ですか?

よろしくお願いします。

まず、HEPAフィルタは

Point

空気の清浄化を目的として
使用するエアフィルタの1種で、
空気清浄機やクリーンルーム
などで使用されています。

 

HEPAフィルタって
エアフィルタの
1種なんですね。

そうなんです。

エアフィルタについて、
詳しく教えてもらっても

いいですか?

いいですよ。

まず、エアフィルタは
JIS規格で

4101 エアフィルタ
ろ過によって空気を清浄化する装置。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

と定義されており、

Point
      • 粗じん用エアフィルタ
      • 中性能エアフィルタ
      • HEPAフィルタ
      • ULPAフィルタ

などの種類があり、
対象の浮遊粉じんの粒径によって
使い分けます。

 
 

なるほど。

どんな違いがあるんですか?

それぞれ、JIS規格で

4112 粗じん用エアフィルタ
主として粒径が、5μmより大きい
粒子の除去に用いるエアフィルタ。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

4113 中性能エアフィルタ
主として粒径が、5μmより
小さい粒子に対して中程度の
粒子捕集効率をもつエアフィルタ。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

4114 HEPAフィルタ
  (へぱふぃるた)
定格流量で粒径が0.3μmの
粒子に対して99.97%以上の
粒子捕集効率をもち、かつ
初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)
以下の性能をもつエアフィルタ。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

4115 ULPAフィルタ
  (うるぱふぃるた)
定格流量で粒径が0.15μmの
粒子に対して99.9995%以上の
粒子捕集効率をもち、
かつ初期圧力損失が245Pa以下の
性能をもつエアフィルタ。
特に粒子捕集効率が
99.9999%以上のものを
超ULPAフィルタと呼ぶこともある。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

と定義されています。

 

ULPAフィルタなんて

聞いたことが無いのに、

超ULPAフィルタなんて

ものもあるんですね!

フィルタの種類と性能
エアフィルタの種類と性能
フィルタの種類 適応
粉じん粒径 
粒子捕集効率
粗じん用
エアフィルタ
5μm以上  
中性能
エアフィルタ
5μm以下  
HEPAフィルタ 0.3μm以上 99.97%以上
ULPAフィルタ 0.15μm以上 99.9995%以上
超ULPAフィルタ 0.15μm以上 99.9999%以上
 

浮遊粉じんの種類と粒径

ところで、粒径が
5μmや0.3μmって、
どれくらいの
大きさなんですか?

HEPAフィルタの

「粒径が0.3μmの
粒子に対して・・・」

と言っても、

ピンときませんよね。

全くこないです。

まず、ここで言う

浮遊粉じんとは、

エアロゾルを指しており、

JIS規格では、

1021 エアロゾル
気体中に分散している
固体又は液体の微細粒子。
引用:JIS Z 8122 : 2000-
   コンタミネーション
   コントロール用語

と定義されています。

微細な粒子には、
どんな大きさのものが
あるんですか?

大体の大きさですが、

Point
  • スギ花粉が30~40μm程度
  • 小麦粉が5~70μm程度
  • 黄砂が4μm程度
  • PM2.5が2.5μm以下
  • タバコの煙や油煙が1μm以下
  • ウィルスが0.1μm以下
 

だと言われています。

それぞれのエアフィルタは、
どれくらいの大きさの

浮遊粉じんに
適応しているんですか?

大体の対象粒径は、

Point
  • 0.15~0.5μm程度が
    ULPAフィルタ
  • 0.3~1.0μm程度が
    HEPAフィルタ
  • 0.4~10μm程度が
    中性能エアフィルタ
  • 5μm以上が
    粗じん用エアフィルタ

と言われています。

 

大気中の粉じんの粒径と各種エアフィルタの対応範囲
参考:エアクリーン用製品-ニッタ株式会社

HEPAフィルタって

煙まで捕集できるんですね。

 

先ほどのJIS規格にも
ありましたが、

HEPAフィルタって

0.3μmの粒子に対して
99.97%以上の
『粒子捕集効率』
を持ってますからね。

粒子捕集効率
ってなんですか?

粒子捕集効率は、

Point

エアフィルタのろ材を通過する
気体中の粒子を捕集する
効率のことです。

 

いまいち

良くわかりません。

分からないですよね。

しかも

Point
  • 粗じん用エアフィルタは『質量法』
  • 中性能エアフィルタは『比色法』
  • HEPAフィルタ・
    ULPAフィルタは『計数法』

と、それぞれ違った測定法を用いて
粒子捕集効率を測定します。

 

もう良くわかりません。

 

ちなみに、どのような
測定方法なんですか?

質量法は、

Point

試験装置に粉じんを流し、
供給粉じんとエアフィルタを通過した
粉じんの重量差を測定する測定法です。

 

『重量法』とも
呼ばれています。

次に比色法は、

Point

捕集前と捕集後の空気を、
ろ紙にサンプリングしたあと、
ろ紙に光をあて透過差を測定する
測定法です。

 

最後の計数法は、

Point

試験装置に決まった粒径の
粒子を流し、供給粒子数と
エアフィルタを通過した粒子数の
差を測定する測定法です。

 
フィルタの効率
参考:エアフィルタ-新晃工業株式会社

試験装置に流した
0.3μmの供給粒子を
99.97%以上捕集できる
フィルタがHEPAフィルタ
なんですね。

そうなんです。

浮遊粉じんの種類と粒径
  • 浮遊粉じんとはエアロゾルの
    ことを言い、JIS規格では
    気体中に分散している固体
    又は液体の微細粒子を指す。

  • 大体の対象粒径は、
    0.1~0.5μm程度がULPAフィルタ
    0.3~1.0μm程度がHEPAフィルタ
    0.4~10μm程度が中性能フィルタ
    5μm以上が粗じん用エアフィルタ
    と言われている。

  • 粗じん用エアフィルタは『質量法』
    中性能エアフィルタは『比色法』
    HEPA・ULPAフィルタは『計数法』
    と、それぞれ違った測定法を用いて
    粒子捕集効率を測定する。

  • 質量法は、試験装置に粉じんを流し
    供給粉じんとエアフィルタを通過
    した粉じんの重量差を測定する。

  • 比色法は、捕集前と捕集後の空気を
    ろ紙にサンプリングしたあと、
    ろ紙に光をあて透過差を測定する。

  • 計数法は、試験装置に決まった
    粒径の粒子を流し、供給粒子数と
    エアフィルタを通過した粒子数の
    差を測定する。

 

HEPAフィルタとULPAフィルタ

なぜ、HEPAフィルタや

ULPAフィルタは

微細な粒子を捕集
できるんですか?

HEPAフィルタについて

詳しく教えて下さい。

分かりました。

まず
HEPAフィルタは、

Point

High Efficiency Particulate Air
フィルタの略で、高性能微粒子
エアフィルタを表しています。

 

どういうところで

使われているんですか?

もともと、
HEPAフィルタは

Point

原子力施設の放射性粉じん用の
フィルタとして、アメリカで
開発されたと言われています。

 

へー。

そうだったんですね。

その後、

Point

電子工業・精密機器・食品・
医薬品などの業界で
利用されるようになりました。

 

クリーンルームや

手術室などで

使用されるように

なったんですね。

ところで、

HEPAフィルタって

どんな構造なんですか?

HEPAフィルタは、

Point

プリーツ状に加工された
『ろ材』が、外枠もしくは
外箱に収納されています。

 
エスプレッツ
参考:ニッタ株式会社

プリーツ加工って

なんですか?

プリーツ加工とは、

簡単にとれない折り目や

ヒダをつけることです。

プリーツ加工には、

どんな意味が
あるんですか?

プリーツ加工すると、

Point

ろ過面積を格段に
増やすことが出来るんです。

 

なるほど。

 

折りたたむことで

複数回フィルタを通る

仕組みになって
いるんですね。

そうなんです。

ちなみに、ろ材には
どんな素材が使われて

いるんですか?

HEPAフィルタや
ULPAフィルタの

Point

ろ材に使われている素材には、
PPやPTFE膜などもありますが、
ほとんどが『ガラス繊維』です。

 

なぜガラス繊維が
多いんですか?

ガラス繊維は、

Point

不燃性なので安心なのはもちろん、
細径繊維のなかで価格が安いので
フィルタ価格を安くできるんです。

 
 

しかも、

Point

ガラス繊維径の組合せで、
中性能エアフィルタから
HEPAフィルタ・
ULPAフィルタまで
作ることが出来るんです。

 

不燃性や劣化が少ない

だけでなく、安価で
幅広く製作できるので
ガラス繊維が
選ばれているんですね。

そうなんです。

ただ、

Point

ULPAフィルタはHEPAフィルタより
ろ材の繊維径が細く強度が弱いので、
取り扱いには注意して下さい。

 
HEPAフィルタとULPAフィルタ
  • HEPAフィルタは、High
    Efficiency Particulate Air
    フィルタの略で、高性能微粒子
    エアフィルタを表している。

  • HEPAフィルタは、
    原子力施設の放射性粉じん用の
    フィルタとして、アメリカで
    開発されたと言われている。

  • 「ろ材」をプリーツ状に
    加工することで、ろ過面積を
    格段に増やすことが出来る。

  • HEPAフィルタやULPAフィルタの
    ろ材に使われている素材は、
    ほとんどがガラス繊維。

  • ガラス繊維は、不燃性なうえ
    細径繊維のなかで価格が安い。

  • ガラス繊維は、繊維径の組合せで、
    中性能エアフィルタから
    HEPAフィルタ・ULPAフィルタ
    まで作ることが出来る。

  • ULPAフィルタはHEPAフィルタ
    より、ろ材の繊維径が細く
    強度が弱いので、取り扱いには
    注意が必要。

 

クリーンルームの清浄度

クリーンルームの清浄度と

使用するフィルタについて
教えて下さい。

分かりました。

まず、
クリーンルームは
JIS規格で

3.1.1 クリーンルーム
  (cleanroom)
浮遊粒子数濃度によって
クラス分類され、粒子の流入、
発生及び残留を制御するように
設計、建設及び運用されている室。
引用:JIS B 9920-1:2019
    クリーンルーム及び
    関連する制御環境−
第1部:浮遊粒子数濃度による
    空気清浄度の分類

と定義されています。

クラス100とか
クラス1,000とか

言いますもんね。

言いますね。

ただ、
日本のクリーンルームの
空気清浄度の基準は、

4.3 清浄度クラス数
浮遊粒子数濃度による清浄度は、
清浄度クラス数Nで表記しなければ
ならない。
それぞれの対象粒径に対する
上限粒子数濃度は、表1から求める。
参考:JIS B 9920-1:2019
    クリーンルーム及び
    関連する制御環境−
第1部:浮遊粒子数濃度による
    空気清浄度の分類

となっており、

Point

1m3の空気中に含まれる0.1μm
以上の粒子数が基準となっており、
清浄度クラス1~9で表記されます。

 

クラス1,000とかじゃ

ないんですか?

以前は、

Point

1ft3の空気中に含まれる0.5μm以上の
粒子数を基準とした、アメリカ合衆国の
連邦基準が適用されていたため、
クラス1,000やクラス10,000などと
呼ばれていました。

 

とは言っても、

今でもよく使われて
います。

そうだったんですね。

今のJIS規格のクラス7が、
クラス10,000に相当します。

正直、クラス7って

言われても、よく
分からないですよね。

だいたい、

Point
  • クラス7は富士山の頂上付近
  • クラス5は成層圏上層以上
  • クラス3以上は宇宙空間と同等

の清浄度だと言われています。

 
クリーンルームってどの位クリーン?
参考:KAJIMAダイジェスト-
   鹿島建設株式会社

聞いても、よく
分からなかったです。

宇宙って言われても

分からないですよね。

だいたいの目安ですが、

Point

清浄度クラス3や4には、
ULPAフィルタが使用され、
清浄度クラス5~8には、
HEPAフィルタが使用されます。

 

なるほど。

HEPAフィルタが、
モーターの発じんなど
集塵機から出る粉じんを
捕集してくれるので
クリーンルームの中でも
使えるんですね。

そうなんです。

ちなみに、
清浄度クラス1や2では

なにをつかって
いるんですか?

清浄度クラス1や2では、

Point

ガス状物質の除去を目的とした
ケミカルエアフィルタ
が使用されます。

 

へー。

クリーンルームの清浄度
  • 日本のクリーンルームの
    空気清浄度の基準は、1m3
    空気中に含まれる0.1μm以上の
    粒子数が基準となっており、
    清浄度クラス1~9で表記される。

  • 以前は、1ft3の空気中に含まれる
    0.5μm以上の粒子数を基準とした
    アメリカ合衆国の連邦基準が
    適用されており、クラス1,000や
    クラス10,000などと呼ばれてた。

  • 「クラス7は富士山の頂上付近」
    「クラス5は成層圏上層以上」
    「クラス3以上は宇宙空間と同等」
    の清浄度だと言われている。

  • 清浄度クラス3や4には、
    ULPAフィルタが使用され、
    清浄度クラス5~8には、
    HEPAフィルタが使用される。

  • 清浄度クラス1や2では、
    ガス状物質の除去を目的とした
    ケミカルエアフィルタが
    使用される。

まとめ

もともとは、原子力施設によって使用が
開始されたHEPAフィルタですが、
今では、電子工業・精密機器・食品・
医薬品など、さまざまな分野への
利用が急速に増加しています。

しかも、より高い空気清浄度が
求められるようになり、
ULPAフィルタも製造されるように
なってきています。

今後ますます重要性が高まる
高性能エアフィルタを、
用途に合わせて使用して下さい。

ありがとうございました。