蒸気配管の種類!SGP管の材質は?白ガス管と黒ガス管の違いは何?

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規格

お盆に実施する機械改造の打ち合わせを

していると、蒸気が漏れている箇所を

発見しました。

 

蒸気が漏れていることを、担当の方に

連絡して、保温を外して漏れている箇所を

確認してもらいました。

「こちらで交換します?」

と聞くと、

自分たちで交換するので、

大丈夫です。

と言って、配管サイズを確認されました。

在庫のパイプで、

使用できるものがないか

一緒に探してもらっていいですか?

「今週末に修理しようと
思うのですが、

この配管を使えますか?」

と出された配管は「白管」でした。

「白管」は、蒸気用の配管に、

使用しないほうが良いですよ。

と伝えると、

「銀色だったので
白管だと思った。」

と言われていました。

 

銀色に見える配管は、

実は「白管」ではなく

「黒管」に耐熱塗料が

塗られているものでした。

 

なぜ蒸気配管は、「白管」ではなく

「黒管」を使用するほうが

良いのでしょうか?

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「白管」と「黒管」とは

蒸気配管は、圧力をもった気体を流すので

耐圧性能が求められる配管です。

しかも、100℃以上の温度に

耐える必要があるので、

耐熱温度が高くないといけません。

そのため、

配管用鋼管を使用する必要があります。

Point

比較的安価で、蒸気の輸送に必要な
耐熱性能をもち、1MpaG以下で
使用される蒸気用配管材には、
一般的にSGP管やガス管と呼ばれる
(JISの正式名称、配管用炭素鋼管)
鋼管を使用します。

 

SGP管(ガス管)は、外径及び肉厚が

一定の寸法で標準化されているもので

上水以外の水や油、ガス、空気といった

配管に使用されます。

しかも、SGP管(ガス管)は

黒管と白管に分けられます。

白管

内外面に防食のため
亜鉛めっきが施された鋼管
白っぽく見えるのが特徴。

 
黒管

めっきが施されておらず
黒っぽく見えるのが特徴。

 
 

蒸気配管に「黒管」を使用する理由

蒸気やドレン配管には、「黒管」を

使用することをお勧めします。

なぜなら「白管」は、

60℃~100℃の温度範囲では

腐食しやすい特性があります。

そのため、

Point

「白管」は、
内面の亜鉛めっきが剥離してしまい、
減圧弁・制御弁・ストレーナーなどを
詰まらせてしまう危険がある

 

からです。

「黒管」がシルバーに見えた理由

蒸気配管を施工した後に、

耐熱塗料を塗ります。

耐熱塗料には、アルミニウム粉や亜鉛末が

顔料として用いられることが多いので

シルバーの耐熱塗料が

多いのかもしれません。

「ステンレス管」は使えるの?

たまに、錆が発生するのがイヤなので

部分的に、ステンレス管を使用している

方がいますが、やめたほうが良いです。

 

鋼管とステンレス管の組み合わせは、

電位差が大きいので、鋼管の腐食を

急速に進める原因となりますし、

鋼管とステンレス管の

熱膨張率が違うため、配管の各所に

強い力がかかり、破損・変形の原因

なります。

Point

炭素鋼鋼管に比べて高価ですし、
ネジ込みは、
蒸気漏れが起こりやすいので
溶接工事など炭素鋼鋼管より
高い技術が必要になります。

 

また、

ボルトやナットも電位差をなくすため

ステンレスボルト・ナットで

締め付けないといけないのですが、

ステンレス製のボルト・ナットは

かじりやすいので、気を付けて取り外しを

行う必要があります。

 

ただし、最近は腐食しにくいので、

2Mpa以下の給水・給湯・冷温水・

蒸気環水への使用が増えてきています。

まとめ

蒸気配管の蒸気漏れをよく見かけます。

配管を冷ます必要があったり、

交換が難しい位置にあったりと

交換頻度を下げたい気持ちは

分かりますが、適切な対処をしないと

より大きな問題になる場合があります。

 

ひどいところによると、バルブを閉めても

蒸気が止まらず、いつまでたっても

熱かったりするので、

やけどに注意して交換してください。

 

ありがとうございました。