「硬度計?」ゴムの硬さを測るなら、デュロメータ「タイプA」でキマリ。

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規格

ゴムの硬さを測りたいのですが、

何で測ればでいいですか?

デュロメータが
いいんじゃないですか?

タイプAやタイプDがありますが、

何が違うんですか?

というお話をいただきました。

簡単に分けると

デュロメーターのタイプAは、

タイプA
  • ゴム
  • 皮革
  • 軟質塩ビ
  • テフロン
 

といった軟質の素材の測定に適しており

タイプDは、それより硬い

タイプD
  • ポリエステル
  • ABS
  • ナイロン
  • 木材
 

といった材質の測定に適しています。

しかも、タイプBやタイプCといった

ものも存在します。

一体デュロメータとは、

どういうものなのかを

紹介していきたいと思います。

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デュロメータって何?

そもそも、

デュロメータって何?

という話だと思います。

 

普段見かける事なんて

ほとんどないですからね。

今回も、

ゴムロールの

劣化具合を知りたい。

というお話がないと、

目にすることはありません。

デュロメータとは

デュロメータは、
ゴムやプラスチックなどの
『硬い』とか『やわらかい』
といった硬さの感覚的な
違いを数値化して表すもの

 

のことを言い、

測定方法

測定方法は、底部にある
「押針(圧子)」を押し当てて、
測定部に変形を与えて、
硬さの程度を測定します。

 

ISOでは、

「タイプAデュロメータ」とか

「タイプDデュロメータ」と表記されます。

しかし、最初にこのタイプの

デュロメータを製造した会社名の

「Shore(ショア)社」の名前から

「ショア硬度計」と呼ばれることも

多いようです。

Point

デュロメータ硬さは、
ショア社が考案し
「ショアA」「ショアD」
と呼ばれることもありますが、
「金属用のショア硬さ」
とは違うので、
混同しないように注意してください。

 

デュロメータのタイプは何を選べばいいの?

つまり、

結局何を選べばいいの?

という話になってくると思います。

デュロメータは、硬さによって

「一般ゴム用」

「スポンジ用」

といったものがあり、

Point

「一般ゴム用」としては、
JIS K 6253準拠の
「タイプAデュロメータ」を
選んでおけば
まず、間違いないと思います。

 

ただし、タイプAを使った時に

硬さが「タイプA90以上」の時は、

「タイプDデュロメータ」の使用を、

逆に「タイプA20以下」の場合は、

「タイプC」または「タイプE」

使用したほうが望ましいとされています。

ただし、注意が必要なのは、

硬さの値は、測定時の

温度や湿度・寸法・形状や加硫条件

といった多くの要因によって、

一定の範囲内で変動することから、

各タイプ間での完全な相関関係の立証は

不可能とされているので、

Point

特性表には、硬さの数値だけでなく、
どのタイプのデュロメータで
測定したかを記載する
必要があります。

 

そのため、

硬さを見るときは数値だけでなく

「どのタイプで測定されたか?」

まで、見なければいけません。

デュロメータの機種選定

タイプ別具体例

硬さ タイプ 具体例


タイプ
D
硬質ゴム・プラスチック・
エボナイト・タイプA90以上の時
タイプ
B
半硬質ゴム・陶器・木材
タイプ
A
一般ゴム・エラストマー・
軟質プラスチック・タイヤ・
ゴムロール・ゴムホース・
タイプD20以下の時
タイプ
E・
C
軟質ゴム・消しゴム・
発泡スチロール・スポンジ
タイプ
F
ウレタンフォーム・
シート用クッション材・
化粧用パフ

適正使用イメージ

硬さ   
タイプ
D
                   
タイプ
A
      A20     A90      
タイプ
E・
C
                   
タイプ
F
                   
Point

タイプEは、
高分子計器社製アスカーCと
ほぼ同様の測定値になります。

 

一般的なタイプAデュロメータ硬さ目安

硬さ タイプA 目安


A95 ゴルフボール
A90 野球の硬球
A80 マウスのボール
A70 野球の軟球
A60~70 車のタイヤ
A30~40 消しゴム
A5~10 人肌

ゴム測定の注意点

あなたは、ゴムの硬さについて、

測定器や測定者が変わると

「違う測定結果になってしまった。」

という経験はないでしょうか?

せっかくこのサイトを見ていただいたので

硬さの測定結果に影響する要因

を挙げていきたいと思います。

硬さの測定結果に影響する要因
  • 温度・湿度等環境条件の
    変化がないか?
  • 硬さ計の加圧面の変化がないか?
  • 測定物の形状に、
    反りや凹凸がないか?
  • 押し当てる速度は一定か?
  • 測定値を読み取る
    タイミングは適正か?
  • 測定位置は適切か?
  • 厚み等の形状に変化はないか?
 

測定にばらつきが出る場合は、

以上の7点を確認してみて下さい。

まとめ

デュロメータは、底部にある押針が

測定物に変形を与え、その反発力の

平衡状態を測定する測定器です。

そのため、測定物の持つ材料特性や

表面形状の違いにより、押針の形状や

スプリングの力が違うものを選定する

必要があります。

とはいえ、

一般的にほとんどのゴム材料は、

タイプAのデュロメータに該当しますので

分からない場合は、とりあえずタイプAの

デュロメータを購入することを

お勧めします。

 

ありがとうございました。

ASKER (高分子計器) アスカーゴム硬度計 A型