押しボタンスイッチ動作方式、モーメンタリとオルタネイトの違いとは

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規格

押しボタンスイッチを

交換したんですが
なんか変なんです。

どう変なんですか?

今までと
動きが違うんです。

どんな風に動きが

違うんですか?

以前は、
ボタンを一度押すだけで
設備が動きっぱなしに
なったんですが、

今回交換したボタンだと、
押している間だけ動いて、

手を離すと止まって
しまうんです。

ボタンから手を離すと

動きが止まって
しまうんですね。

そうなんです。

同じ押しボタンスイッチを
買ったのにですか?

いえ、会社に
同じものがあったので

それをつけました。

なるほど。

動きがおかしい原因は、
以前の押しボタンスイッチと
今回の押しボタンスイッチの

動作方式が違うからだと
思います。

それはないですよ。

だって形状同じですよ。

スイッチには、形状が
同じでもモーメンタリと

オルタネイトと言われる
動作方式があるんです。

つまり、今回つけた

押しボタンスイッチは、

今までついていた
押しボタンスイッチと

動作方式が違うと
いうことですか?

そういうことです。

もともとオルタネイトの
押しボタンスイッチが
ついていて、今回つけた
ものは、モーメンタリ

だったんだと思います。

会社に余っていた

押しボタンスイッチが、
「同じように見えて
違うものだった。」
ということですね。

そういうことです。

十分考えられますね。

一度調査してみます。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は『モーメンタリ・オルタネイト』
について、簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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モーメンタリとは

そもそも
『モーメンタリ』や
『オルタネイト』って

なんですか?

私の分かる範囲での

説明になりますが

大丈夫ですか?

よろしくお願いします。

『モーメンタリ』は

Point

英語で『momentary』と表記され、
「瞬間的な」を意味しています。

 

オムロン株式会社さんでは

モーメンタリ動作
スイッチ動作後、
ボタンを離すと初期状態に
自己復帰するスイッチの動作。
引用:オムロン株式会社- FA用語辞典

と解説されています。

つまり、

Point

ボタンを押している間のみ
動作するスイッチを
モーメンタリといいます。

 

ボタンを押している間だけ

ONになり、手を離すと
OFFになるんですね。

そうです。

今回つけたスイッチ
と同じ動作方式です。

たしかに、今回つけた
押しボタンスイッチと

同じ動きです。

他にも

Point

モーメンタリは、

  • ノンロック
  • プッシュオンプッシュオン

とも呼ばれています。

 

へー。

代表的なモーメンタリの
スイッチはなんですか?

代表的なスイッチに、

Point

電気ホイストを動かすために使用する
押しボタンスイッチがあります。

 

たしかに押すと動いて、
離すと止まりますね。

モーメンタリとは
  • 『モーメンタリ』は英語で
    『momentary』と表記され、
    「瞬間的な」を意味している。

  • ボタンを押している間のみ
    動作するスイッチを
    モーメンタリという。

  • モーメンタリは、「ノンロック」や
    「プッシュオンプッシュオン」
    とも呼ばれている。

  • 代表的なものに、電気ホイストを
    動かすために使用する
    押しボタンスイッチがある。

 

オルタネイトとは

では、『オルタネイト』

についても教えて下さい。

『オルタネイト』は

Point

英語で『alternate』と表記され、
「交互に行う」を意味しています。

 

オムロン株式会社さんでは

オルタネイト動作
1回めの動作時は、内部に設けた
機械的なロック機構により
動作状態が保持される。
次に2回めの押し操作でロックが
解除され戻るスイッチの動作。
引用:オムロン株式会社- FA用語辞典

と解説されています。

つまり、

Point

ボタンを押すたびにONとOFFが
切り替わるスイッチのことを
オルタネイトといいます。

 

ボタンを一度押すと
ONになり、もう一度押すと
OFFになるんですね。

そうです。

もともと
使われていたと思われる
押しボタンスイッチと
同じ動作方式です。

たしかに
もともとついてた

押しボタンスイッチと

同じ動きです。

他にも

Point

オルタネイトは、

  • ロック
  • プッシュオンプッシュオフ

とも呼ばれています。

 

へー。

代表的なオルタネイトの
スイッチはなんですか?

代表的なスイッチに、

Point

一度押したらONになり、
もう一度押したらOFFになる
テレビの主電源スイッチが
あります。

 

たしかにオルタネイトの
動きですね。

オルタネイトとは
  • 『オルタネイト』は英語で
    『alternate』と表記され、
    「交互に行う」を意味している。

  • ボタンを押すたびにONとOFFが
    切替わるスイッチのことを
    オルタネイトという。

  • オルタネイトは「ロック」
    「プッシュオンプッシュオフ」
    とも呼ばれている。

  • 代表的なものに、テレビの
    主電源スイッチがある。

 

モーメンタリとオルタネイトの使い分け

モーメンタリと

オルタネイトは、

どうやって
使い分けるんですか?

実は、

Point

押しボタンスイッチの
基本的な動作方式には、
モーメンタリが使用されます。

 

えっ!

そうなんですか。

モーメンタリって

押すとONして

離すとOFFになる

スイッチでしたよね。

そうです。

でも、
機械のスイッチって
押しっぱなしで
使用することなんて
ほとんどないですよ。

そうなんです。

そのため、

Point

スイッチを押してON状態を
保持する『自己保持回路』を
使って保持させます。

 

自己保持回路って

なんですか?

自己保持回路とは、

Point

モーメンタリのスイッチを押して
ON状態にした後、スイッチから手を
離してもONし続ける回路のことで、
シーケンス制御の基本回路の1つです。

 
リレーの自己保持回路とはどのような回路ですか?
自己保持回路とは、リレーが
持っている接点を利用して、
リレーの動作を保持する回路です。
自己保持回路では、
一度入力された信号を、復帰用の
信号が入るまで保持します。
引用:オムロン株式会社- FA用語辞典

シーケンス制御って

なんですか?

シーケンス制御は、
JIS規格で、

4-24 シーケンス制御
あらかじめ定められた順序又は
手続きに従って制御の各段階を
逐次進めていく制御。 
引用:JIS Z 8116-1994 自動制御用語−一般

と定義されています。

どういうことですか?

リレーやスイッチ・
センサーなどの

Point

電気部品を組み合わせて、工場設備や
機械装置などを自動制御することです。

 

なるほど。

でも、電気部品を
組み合わせてONを保持する
電気回路をつくるより、

オルタネイトの
スイッチを使ったほうが、
楽じゃないですか?

そう思いますよね。

ただ、

Point

オルタネイトスイッチがON状態で
停電になった場合、復旧したときに
設備や機械が急に動き出すので
ケガや事故の原因になります。

 

電気が切れても
スイッチはONのまま
ですもんね。

なので、

Point

複雑な回路や危険な設備の場合、
誤作動やケガ・事故の原因になる
可能性が高いので、
モーメンタリのスイッチを
使用するのが一般的なんです。

 

なるほど。

良く分かりました。

モーメンタリとオルタネイトの使い分け
  • 押しボタンスイッチの基本的な
    動作方式には、モーメンタリが
    使用される。

  • モーメンタリは、スイッチを押して
    ON状態を保持するために
    「自己保持回路」を使う。

  • 自己保持回路は、スイッチを押して
    ONにした後、手を離しても、
    ONし続ける回路のことで
    シーケンス制御の基本回路の1つ。

  • シーケンス制御とは、電気部品を
    組み合わせて、工場設備や
    機械装置などを自動制御すること。

  • オルタネイトのスイッチが
    ONの状態で停電になった場合、
    復旧したときに設備や機械が
    急に動き出すのでケガや
    事故の原因になる。

  • 複雑な回路や危険な設備の場合、
    誤作動やケガ・事故の原因になる
    可能性が高いので、モーメンタリの
    スイッチを使用するのが一般的。

 

まとめ

押しボタンスイッチには、
押した時のみ動作するモーメンタリと
押すたびにONとOFFが切り替わる
オルタネイトがあります。

動作スイッチにオルタネイトを使用すると
回路は少なく済みますが、
動作中停電になった場合、復帰させると
ONの状態のままなので、機器が勝手に
動き出し、ケガや事故の原因になります。

そのため、複雑な回路や危険な機器には
モーメンタリを使い、自己保持回路にて
制御する必要があります。

ありがとうございました。