お客様が使われている
コンプレッサーから、
水が出るんですが、
これって何ですか?
という連絡を頂いたので、
確認に行ってきました。
あなたも、
- コンプレッサーから水が漏れる。
- タンク内に水がたまっている。
といったことはありませんか?
これを放っておくとエア機器や設備機器の
動作不良を起こす原因となります。
コンプレッサーの中に水が、
「なぜ発生するのか?」
を説明していきたいと思います。
圧縮空気に水がある理由
私も、
「なぜ水が発生するのか?」
ということを教えてもらったのですが、
コンプレッサーは、
「大気」
と呼ばれる標準の状態から、
圧縮して圧縮空気を得る装置です。
コンプレッサーで、
圧縮された空気の中には、
大気中の水蒸気や異物も
一緒に凝縮されているので
異物が多く混ざった、
圧力が高く高温で多湿の状態
になります。
環境温度による冷却などにより、
ドレン(水滴)は、圧縮空気の中では
必ずと言っていいほど発生します。
そのため、
圧縮空気の正常化という作業が
必要になってきます。
圧縮空気中の汚染物質によるトラブルの発生例
圧縮空気に含まれる
水分・油分・ゴミ・菌/カビ
といった不純物により、
様々なトラブルが引き起こされます。
酸化した給油用オイルやグリスと
水滴が混ざり、乳化をしたり
潤滑剤を流したりして
焼付きの原因となる。
ドレンによるサビの発生や、
フィルターの目詰まり、シリンダー・
電磁弁といった機器の金属部の
腐食やパッキンなどのゴム部の膨潤や
カーボンによる固着といった
故障を引き起こす原因になる。
目に見えない菌やカビによる
食品・容器・包装への汚染の原因。
圧縮空気中の油分によるハジキや
ピンホールの原因となったり、
塗装ムラや黒点といった塗装不良の
原因になる。
排気に混ざり環境を汚染する。
寒冷な気候の場合、ドレン凍結による
ラインの損傷。
といったトラブルが発生しますので、
圧縮直後の空気中の異物やドレンは、
確実に除去する必要があります。
圧縮空気から汚染物質を除去する方法
圧縮空気中の汚染物質を簡単に
除去できる機器を紹介します。
コンプレッサーからでたばかりの
高温の圧縮空気を熱交換器で、
常温まで冷します。
そのため、圧縮空気中の水分が
水滴になるので配管内のドレン水の
発生を防止することが出来る。
コンプレッサーで作られた
圧縮空気中の水分を乾燥材で
取り除き、乾燥した空気を
作ることが出来る。
コンプレッサーで作られた
圧縮空気中の水分を
冷却することで、空気中の水分を
結露させて除湿するドライヤー
気体中の微細な霧状の液滴を
分離するもの。
圧縮空気内の水滴・固形物・
オイルミスト・臭気など、
それぞれの除去レベルに
合わせたものを選べる。
理想的なクリーンシステム
コンプレッサーから出て直ぐに、
アフタークーラーを設置して
常温まで冷やしてから、
エアタンクに入れてください。
その後、
エアドライヤーで乾燥させて、
必要に応じたレベルのフィルターを
設置して使用してください。
まとめ
コンプレッサーは、
水蒸気・ゴミ・ホコリと共に
大気を圧縮します。
エアーコンプレッサーで0.69MPaに
圧縮された空気は、体積が1/8になります。
よって、
水分・ゴミ・ホコリ・油分なども、
大気の約8倍の濃度で含有している
ことになります。
中には、有害物質が含まれている場合も
あります。
水分等の不純物が混入した圧縮空気を
使用すると機器の作動トラブル等の
原因になるため、
過剰なメンテナンスコストや生産停止が
起こらないように事前に対応を行い、
圧縮空気を
清浄で乾燥した状態に保つために
ドライヤーやフィルターといった
適切な処理が必要になってきます。
ありがとうございました。