面粗度?表面粗さ?加工方法や記号のRaとRzの違いを説明します。

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規格

あなたは、「表面粗さ」について

悩んだことはありませんか?

 

「面粗度」と呼ばれることもありますが、

JIS規格では、

「表面粗さ」と定義されているので

この記事では、

「表面粗さ」

を使わせていただきます。

機械加工などモノづくりにおいて、

「表面粗さ」

は、必ずと言っていいほど絡んできます。

 

ただ、

「表面粗さ」とは
どういうものなのか?

「表面粗さ記号」は、
何を表しているの?

と聞かれてもうまく説明できないことが

ほとんどではないでしょうか?

 

今回は、表面粗さについて

解説していきたいと思います。

 

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「表面粗さ」とは

私もお客様から

この記号が表している意味は?

と聞かれて、

 

表面の粗さをきちんと説明できているか?

というと正直、自信がありません。

 

数字や記号の意味をいくら説明しても

凸凹加減を理解してもらうのは

難しいですよね。

意味は分かったよ。

と言われても、納品してみたら

 

思っていたものと違う・・・

と、言われたことだってあります。

 

ここでは、

そういった行き違いが無いように

分かりやすく説明していきたいと

思います。

 

表面粗さ記号が、表している意味を理解しよう

私は、表面粗さ記号に表記されている

意味を知ることで、

  • お客様が何を求めているか?
  • 何を確認しないといけないか?

を知ることが出来ると思っています。

 

今から、表面粗さ記号が表している意味を

解説していきます。

 

現在のJIS規格は、

下記のような表記になっています。


・ただし、
 必要に応じて記入するので、

 全てを記入する必要があるわけでは
 ありません。

削り代

削り代

削り代とは、材料表面を、
仕上げ寸法に削って仕上げる際に
そぎ落とす分として、
大きめに取っておく取り代のこと。

 

私は、あまり目にしたことはないです。

筋目方向

 

筋目記号 意味
筋目の方向が、
記号を指示した図の投影面に平行

例:形削り面,旋削面,研削面
筋目の方向が、
記号を指示した図の投影面に直角

例:形削り面,旋削面,研削面
XX 筋目の方向が、
記号を指示した図の投影面に斜めで
2 方向に交差

例:ホーニング面
MM 筋目の方向が、多方向に交差
例:正面フライス削り面,
  エンドミル削り面
CC 筋目の方向が、
記号を指示した面の中心に対して
ほぼ同心円状

例:正面旋削面
RR 筋目の方向が、
記号を指示した面の中心に対して
ほぼ放射状

例:端面研削面
PP 筋目が、粒子状のくぼみ、
方向又は粒子状の突起

例:放電加工面,超仕上げ面,
  ブラスチング面

 

上パラメーター

上パラメーターにはよく、

  • Ra 算術平均粗さ

が使われます。

 

この数値をよく目にするのではないでしょうか?

Ra 算術平均粗さ

Raは、一般的な表面粗さを
指定する場合に
使用されることが多く、
表面の凸凹を平均にならした値を
Raで表記されます。

 

下パラメーター

下パラメーターは、

複数要求された場合に、

二番目以降のパラメーターを

表記するときに使用します。

代表的なものに、

  • Rz 十点平均粗さ
  • Ry 最大高さ

などがあります。

Rz 十点平均粗さ

Rzは粗さ曲線から、
その平均線の方向に
基準長さだけを抜き出し、
最も高い凸から5番目までの
凸の高さの平均値と
最も低い凹から5番目の凹までの
深さの平均値を足したもの。

 
Ry 最大高さ

Ryは粗さ曲線から、
その平均線の方向に
基準長さだけを抜き出し、
最も高い凸と最も低い凹の
間隔を測定したもの。

加工方法記号

加工方法 記号 加工定義
のこ
引き
SW のこを用いて工作物を
切断すること。
平削り P バイトを用い、工作物を
直線切削運動させて削ること。
穴あけ D 主としてドリルを用いて
穴をあけること。
放電
加工
SPED 工作物と電極との間の放電現象を
利用して加工を行う工作機械。
フライス
削り
M フライスを用いて行う
フライス削り。
リーマ
仕上げ
DR リーマを用いて穴を
仕上げ削りすること。
中ぐり B 穴をバイトを使用して
くり広げる切削。
旋削 L 工作物の外周を円筒形に
旋削すること。
研削 G 主として工作物を
研削する研削盤。
ラップ
仕上げ
GL ラップ剤及びラップを用いて
面を仕上ること。

<参考資料>
日本工業規格 JISB 0031:2003(ISO 1302:2002)
製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状の図示方法

表面粗さの具体例

表面粗さは、かつては「▽記号」を用いて

簡略的に規定されていました。

しかし、2度の改定を経て、

現在のような数値で詳細に

規定できるようになりました。

 

ただし、昔の図面や現在の図面でも

「▽記号」や「旧JIS記号」

が使用されているケースがあります。

 

表面粗さの説明をサンプルをもって

説明した時期もありました。

見た目に分かると

理解してもらいやすいので

大変重宝するアイテムでした。

 

ただし、見ていただけない場合や

時間がない場合は、

どうしても早く進めないといけないので

加工方法と表面粗さの具体例と

「▽マーク」の関係を

表にまとめました。

加工方法と表面粗さの関係

加工方法 表面粗さ
加工名 加工
記号
Rz 100 50 25 12.5 6.3 3.2 1.6 0.8 0.4 0.2
Ry
Ra 25 12.5 6.3 3.2 1.6 0.8 0.4 0.2 0.1 0.05
▽▽ ▽▽▽ ▽▽▽▽
のこ引き SW                    
平削り P                    
穴あけ D                    
放電加工 SPED                    
フライス
削り
M                    
リーマ
仕上げ
DR                    
中ぐり B                    
旋削 L                    
研削 G                    
ラップ
仕上げ
GL                    

まとめ

一言で表面粗さと言っても、

表記されている記号には、

様々な情報が隠れています。

 

この情報を知って加工するのと、

知らずに加工するのとでは、

仕上がりに大きな差が出てしまいます。

 

また、それがトラブルにつながる

可能性だってあります。

 

この記事を読んで、

「表面粗さとは何か?」

と思っている方の参考になれば

幸いです。

 

ありがとうございました。

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