六角穴付きボルトの強度区分とは?材質・表面処理・引張強度知ってます?

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規格

ボルト変えてから、

よく折れるんです!

強度区分は、いくつですか?

強度区分って何ですか?

ボルトの頭に
書いてある数字です。

本当だ書いてある!!

最初のボルトの強度区分は、

いくつだったんだろ?

というやりとりがありました。

普通はボルトに強度区分があるなんて

意識したことないですよね・・・。

今回は、
六角穴付きボルト(キャップボルト)
の引張強さの話をしていきたい
と思います。

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六角穴付きボルトとは?

六角穴付きボルトは、

キャップボルト・キャップスクリュー

とも呼ばれています。

頭部に、六角形の穴があいているのが

特徴で、六角棒レンチ(六角スパナ)

で締め付けを行います。

 

六角棒レンチに

ボルトをセットした状態で、

ボルト穴に入れることが出来るので

目視ができない!!

態勢が悪い!!

といった作業条件の悪い場所でも

使うことが出来るボルトです。

 

頭が六角形の六角ボルトもありますが、

六角ボルトで締め付けに必要な

ソケットレンチのスペースなどを

考慮しなくてよいので

「装置のコンパクト化が図れる」

というメリットがあります。

ボルトの強度区分とは?

鋼製やステンレス製のボルトの頭を

よく見てみると

「数字やアルファベット」

が書かれています。

この数字が「強度区分」を表しています。

この12.9と書かれているものが

「強度区分」

です。

強度区分が表している数字の意味は

  • 引張強さ
    これ以上の強さで引っ張ると
    破断する
  • 降伏点
    これ以上の強さで引っ張ると
    元に戻らない

といった感じだと思ってください。

強度区分記号とは?

強度区分の12.9の左の数字12は、

呼び引張強さ1200N(122Kgf)/m㎡を

表しており

「1200N(122Kgf)/m㎡を超えて
引っ張るとボルトが破断しますよ!」

と言うことを表しています。

次に右の数字9は、引張強さの90%が

降伏点だと表しています。

「1080N(110Kgf)/m㎡を超えて
引っ張ると変形しますよ!」

と言うことを表しています。

他にも「8.8」や「10.9」と

言ったものがあります。

強度区分
 8.810.912.9
呼び引張強さ
(N/m㎡)
80010001200
降伏点
(N/m㎡)
6409001080

ステンレスボルトの強度区分

また、

鋼製とステンレス製のボルトでは、

表し方が違うので注意してください。

ステンレス製の
六角穴付きボルトは、
主に「A2-50」「A2-70」
と記載されています。

左のA2は、
「材質(SUS304やSUS304L)」
右の50・70は、
「引張強さ」
を表しています。

ボルトサイズと最大荷重

そうなると、

ボルトの太さと関係なく

同じ荷重に耐えれるの?

と思われる方が、

いらっしゃるかもしれませんが

引張荷重と最大荷重は違うんです。

引張荷重とは、

先ほどは簡単に説明しましたが、

引張試験機で、

ボルトが耐えた最大の荷重を

有効断面積で割った値です。

と言うことは、有効断面積に

引張強さをかけると最大荷重が

出てきます。

最大荷重とは

最大荷重=有効断面積×引張強さ

 有効断面積(m㎡)
ボルトサイズ並目細目
M48.78 
M514.2 
M620.1 
M836.639.2(ネジピッチ=1.0)
M105861.2(ネジピッチ=1.25)
  64.5(ネジピッチ=1.0)

ボルト1本あたりの引張荷重

常に最大荷重で引っ張ると

変形したり破断したりと危険なので、

安全を考えた、並目のボルト1本あたりの

引張荷重の目安を計算してみました。

算出方法は、
引張荷重=
有効断面積×降伏点/引張時の安全率

  • 引張時の安全率は、5とします。
  • 安全率は、繰り返し荷重や衝撃荷重
    など条件によって変化するので
    注意して下さい。
ボルト1本あたりの引張荷重(目安)
 強度区分
サイズ8.810.912.9
M41123N
(114Kgf)
1580N
(161Kgf)
1896N
(193Kgf)
M51817N
(185Kgf)
2556N
(260Kgf)
3067N
(312Kgf)
M62572N
(262Kgf)
3618N
(368Kgf)
4341N
(442Kgf)
M84684N
(477Kgf)
6588N
(671Kgf)
7905N
(806Kgf)
M107424N
(757Kgf)
10440N
(1064Kgf)
12528N
(1277Kgf)

実際には、安全率や取り付け条件によって

強度は大きく変わってきます。

衝撃荷重時には、引張荷重が半分以下に

なるのであくまで目安として

とらえてください。

トルク法により降伏点の60~70%が
一般的な締め付けトルクとされています。

締付け時に、軸力が発生します。
そのため、安全率が必要になります。

知っておきたい締結の世界
出典元:TONE株式会社
            -知っておきたい締結の世界

ボルトでのトラブル

ボルトは、きちんと固定しないと

大事故につながる恐れがあります。

ボルトでのトラブルは、

  • 締め付け不良
  • ゆるみ
  • 疲労破壊
  • 遅れ破壊

などがあります。

疲労破壊や、遅れ破壊など

普段聞くことが無いトラブルもあります。

疲労破壊

締付後にボルトが繰り返し
変動荷重を受けているうちに、
微細な亀裂が発生し、徐々に増えていき
耐えられずに破断する現象。

遅れ破壊

一定の引張荷重が加えられている状態で
ある時間を経過した時に、
突然破壊する現象。

また、遅れ破壊の原因の一つに、

水素の侵入が考えられています。

そのため、

通常強度区分12.9のボルトには
電気メッキ処理はされていません。

 

まとめ

ボルトは、適切な場所に適切な強度、

サイズを選ぶ必要があります。

今回は、ボルトの選定として

引張荷重の求め方の例を

掲載させていただきました。

 

実際には、

穴ピッチ・穴精度・プレートの材質など

様々な組み合わせや締め付けトルクで

強度は変わってしまいます。

 

あくまで目安として利用してください。

 

ありがとうございました。