放射温度計がうまく測れない?金属やロールで誤差が出る原因と正しい対策

放射温度計で金属光沢ロールの表面温度を測るとき、反射光によるエラーが出る状態と黒体テープで正しく測定できる状態の比較アイキャッチ画像

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CHECK この記事でわかること ▼ 開く
  • 放射温度計の基本的な仕組みと
    測定原理
  • 放射率の正しい設定方法と
    黒体テープの活用手順
  • 素材別の放射特性と
    測定時のコツ
  • 温度が合わない・NGになる原因と
    視野欠けなどのチェックポイント
お客様
お客様

加温ロールの表面温度を
はかるために放射温度計を
買ったんですが、
上手く測れないんです。

ゆういち<br>(私)
ゆういち
(私)

それって、ロールの
表面で反射してるんじゃ
ないですか?

どういうことですか?

鏡面や光沢のある金属の
放射率は非常に低く、
反射率が大きくなります。

たしかに、光沢のあるロールを
使っています。でも、反射率が
高いとどうなるんですか?

光沢があると周囲の発熱体などの
赤外線を鏡のように反射して
しまうため、計測エラーが非常に
大きくなってしまうんです。

えっ、そうなの。

EXPERT ADVICE
アドバイザーのアイコン

はい。
光沢のある金属の
表面温度を測るなら、
ちょっとした対策が
必要なんです!

最も実用的な対策は、
以下の2通りです!

1.
金属表面の測定に対応している
専用機種を選ぶ
2.
黒色テープを貼る / 黒体塗料を
塗るなどして、あらかじめ
「放射率」を把握してから測定する
ADVICE
⚠️ 「放射率」をざっくり説明

放射率とは、「赤外線が出やすい度合い」
0 〜 1
の数値で表したものです。

・数値が 1 に近い ほどよく出る
(測りやすい)
・数値が 0 に近い ほど反射する
(測りにくい)

光沢のある金属は放射率が低く、
反対に反射率が非常に高いため、
周囲の熱を鏡のように反射してしまい、
そのままでは正しく測れません。

みなさんは、こんな現場の
やり取りに心当たりは
ありませんか?

💡 今回のテーマ

「あれ、全然温度が合わない……?」
現場の頭を悩ませる測定エラーを
根底から解決するための知識とは。
「光沢金属やロールも正しく測る」
放射温度計の真実と正しい対策

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放射温度計の基本的な仕組みと測定原理

🌡️ 放射温度計の仕組み
物体から放射された赤外線エネルギーを光学レンズで集光し温度検出素子で電気信号に変換する放射温度計の仕組み図。

あらゆる物体は、その温度に応じた
赤外線エネルギーを放射しています。
その放射エネルギーを測定することで、
非接触での温度測定が可能になります。

光学レンズ等で集光された赤外線
エネルギーは、サーモパイルなど
の温度検出素子で比例した信号へ
と変換され、電気的補正を経て、
正確な温度として表示されます。

放射率の正しい設定方法と測定手順(比較法・黒体テープ)

🌡️ 接触式温度計との比較法

  1. 熱電対や白金測温抵抗体などの
    接触式温度計を使い、測定物質の
    正確な表面温度を測ります。
  2. 放射温度計の放射率を「1」に
    設定した状態で、同じ物質の
    表面温度を測定します。
  3. 接触式温度計の値と放射温度計の
    値が一致するまで、放射温度計の
    放射率設定を少しずつ調整します。
    ぴったり一致したときの数値が、
    その測定物質の放射率となります。

🏷️ 黒体テープ使用法

  1. あらかじめ放射率が分かっている
    黒体テープ(または専用ペイント)
    を測定物質に貼り付け昇温します。
  2. 放射温度計の放射率を、そのテープの
    放射率(例:0.95など)に合わせ、
    テープ部分の温度を測定します。
  3. 次に、テープを貼っていない
    (金属むき出しなどの)部分を
    測定します。テープ貼り付け部と
    同じ温度が表示されるように、
    放射温度計の放射率を調整します。
⚠️ このとき、黒体スプレーや
テープの耐熱温度を超えないよう
ご注意ください。

素材別(ガラス・プラスチック・金属)の放射特性と測定のコツ

🌡️ 被測定物の放射特性

物質の放射率は赤外線の波長や温度に
よって異なります(分光特性)。
そのため、測定する素材ごとの特性を
理解することが正確な温度測定のカギ
となります。

📌 素材ごとの測定ポイント

■ 金属:酸化状態や温度で放射率が
大きく変動します。低温の光沢金属は
長波長側で反射率が高くなるため、
塗装やテープ貼りの対策が必須です。
■ ガラス:波長によって透過率が
大きく変化します(5μm以上では
不透明になり測定しやすくなります)。
■ プラスチック:多くは放射率が
高く測定しやすいですが、薄手の
フィルム状などは波長による透過に
注意が必要です。
■ その他(塗料・紙・生物など):
基本的に放射率が高く分光特性も平坦
なため、比較的精度良く測定できます
(ただし金属上の油膜などは注意)。

放射温度計で温度が合わない・ NGになる原因とチェックポイント

🔍 うまく測れないときのチェックポイント

1. 集光レンズが汚れていませんか?

集光レンズが汚れていると、正しい
温度が計測出来ないことがあります。
点検・清掃または修理を行ってください。

2. 対象物に応じた放射率を
設定していますか?

放射率を確認の上、再度測定を行って
ください。また、加温ロールのように
周囲に発熱体がある場合は、環境反射の
影響も考慮する必要があります。

3. 視野欠けが発生していませんか?

測定径内に入射した赤外線エネルギーの
表面温度を表示するため、対象物以外が
入ると正しい温度が出ません(視野欠け)。
距離が遠くなるほど測定径も大きくなる
ため、確認が必要です。

放射温度計の視野欠けの仕組みを示す概念図。左側は測定スポットがワーク内に収まった正常な測定(OK)、右側はスポットがはみ出して周囲を測定してしまう視野欠けの発生(NG)を比較しています。
放射温度計の『視野欠け』概念図
(正常とNGの比較)

まとめ:非接触温度測定を極め、現場の温度管理を確実にしよう

🎯 触れずに正確な温度測定を
実現し、現場の測定ミスを防ぐ

放射温度計は触れずに温度が測れる
非常に便利なツールですが、金属光沢の
ある素材(加温ロールなど)の測定では、
周囲からの環境反射や低い放射率の
影響による計測エラーに注意が必要です。

【今回のまとめ】

✅ ポイント・メリット

非接触で安全かつスピーディーな測定、
正しい放射率設定や黒体テープや
塗装の活用による測定精度の向上

⚠️ 注意点・デメリット

光沢金属での環境反射の影響、
レンズの汚れや視野欠けによる
誤測定のリスク

正しい放射率の設定や、黒体テープの
活用、レンズの汚れ・視野欠けといった
ポイントを抑えることで、正確で信頼性
の高い温度測定が可能になります。
日々の温度管理をぐっと確実なものに
しましょう!

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⚠️ 放射温度計は測定対象や温度帯、
距離係数によって適したモデルが異なります。
用途に合うものをしっかり調べて
選んでみてください!

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という挑戦の真っ最中です。
そのリアルなドタバタ劇を
物語にしてみました。
もしよかったら、
第1話だけでも覗いてみてください。

📖 【第1話】密室の甘い毒

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 光沢のある金属ロールの温度が
うまく測れないのはなぜですか?
光沢のある金属は放射率が非常に低く、
反射率が高いためです。
周囲の発熱体などの熱を鏡のように
反射してしまうため、そのままでは
大きな測定エラーが起きてしまいます。
Q2. 金属やロールを正しく測るには
どうすればいいですか?
黒色テープを貼り付けたり、
黒体塗料を塗るなどして、放射率を
正しく合わせた状態で測定するのが
最も確実で効果的な対策です。
Q3. 測定エラーが起きる原因には
ほかに何がありますか?
集光レンズの汚れや、測定対象から
スポットがはみ出て周囲を捉えてしまう、
「視野欠け」や適切な放射率が
設定されていないことなどが、
主な原因として挙げられます。