温度センサの種類!熱電対・測温抵抗体・サーミスタの違いと使い分け

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温度センサを新しく

購入したんですが、

なんか変なんです。

どんな風に
変なんですか?

前回使用していた
温度センサより高めに
温度表示されるんです。

どのような
温度センサなんですか?

接触式の
表面温度センサです。

前回と違う点は

ありますか?

計測器本体に差し込む

プラグとコードの
色が違います。

もしかして前回は、
プラグが黄色だったのに
今回は、違う色になって
いるということですか?

そうです。

前回は黄色だったのに

今回は紫色でした。

やっぱり!

今までの熱電対が

『Kタイプ』だったのに、

今回間違えて
『Eタイプ』を購入して
しまったんだと思います。

プラグが差し込めたので、

「メーカーが色を変えた。」
と思ってましたが、
タイプが違ったんですね。

改めて、黄色のプラグの
Kタイプ熱電対を
購入して下さい。

分かりました。

温度センサって
難しいですね。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は、『温度センサ』について
簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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温度センサとは

そもそも

『温度センサ』って
なんですか?

私の分かる範囲での

説明になりますが

大丈夫ですか?

よろしくお願いします。

ちなみに『センサー』と
『センサ』って、
どっちが正しいんですか?

辞書などには

Point

『センサー』と記載されて
いますが、JIS規格には
『センサ』と記載されています。

 

618 センサ
測定しようとする量を伝える現象、
物体又は物質によって直接的に
影響を受ける測定システムの要素。
引用: JIS Z 8103:2019 計測用語

なるほど。センサで
話をすすめたほうが

良さそうですね。

では、
改めてお願いします。

まず、
『温度センサ』とは

Point

物質の温度変化による電圧や
電気抵抗値といった物性の変化を
電気信号やデータに変換し、
温度を測定する装置のことです。

 

電圧や電気抵抗値の
変化を温度に変換して

測定する装置が

温度センサなんですね。

そうなんです。

そして
温度センサには、

Point

測定対象物に直接接触させて温度を
測定する『接触式』と測定対象物に
直接接触させなくても温度が
測定できる『非接触式』があります。

 

接触式の
温度センサには、

Point

「オームの法則」を利用した
『測温抵抗体』『サーミスタ』や
「ゼーベック効果」を利用した
『熱電対』などがあります。

 

ふむふむ。

非接触式の

温度センサには、

Point

測定対象物から放射される、
赤外線の量を利用して温度を測定する
『放射温度計』などがあります。

 

温度センサと言っても

いろいろあるんですね。

そうなんです。

今回は、接触式の
温度センサについて
詳しく紹介していきます。

よろしくお願いします。

温度センサとは
  • 辞書などには『センサー』と
    記載されているが、JIS規格には
    『センサ』と記載されている。

  • 『温度センサ』とは、物質の
    温度変化による物性の変化を
    電気信号やデータに変換し、
    温度を測定する装置のこと。

  • 測定対象物に接触させて温度を
    測定する『接触式』と
    測定対象物に接触させなくても
    測定できる『非接触式』がある。

  • 接触式の温度センサには、
    「オームの法則」を利用した
    『測温抵抗体』『サーミスタ』や
    「ゼーベック効果」を利用した
    『熱電対』などがある。

  • 非接触式の温度センサには、
    測定対象物から放射される
    赤外線の量を利用して温度を
    測定する放射温度計などがある。

 

測温抵抗体とサーミスタ

それではまず、

『測温抵抗体』や

『サーミスタ』について

教えて下さい。

測温抵抗体と
サーミスタは、

Point

「温度が変化すると電気抵抗値も
変化する。」という物質の特性を
利用した温度検出器です。

 

両方とも電気抵抗値を

電気信号に変換して、
温度を計測するんですね。

そうなんです。

なにが違うんですか?

まず測温抵抗体の

抵抗素子には、

Point

白金・ニッケル・銅などが
使用されますが、『Pt100』と言われる
特性が安定して入手が容易である白金が
圧倒的に多く使用されています。

 

測温抵抗体とは
参考:センサー技術Q&A測温抵抗体-
    渡辺電機工業株式会社

Pt100って
どういう意味ですか?

Pt100とは、

Point

温度が0℃のときに100Ωの抵抗値を
を持つ元素記号Pt(白金)の
白金測温抵抗体を表しています。

 

測温抵抗体と言ったら
ほとんどが白金測温抵抗体
だと思えばいいですか?

JIS規格でも白金のみが

採用されているので
そう思っていただいて
大丈夫です。

3.1 測温抵抗体
(platinum resistance thermometer)
抵抗素子、内部導線、絶縁物、
保護管、端子などからなる
白金測温体。
ただし、分離できる保護管及び
サーモウエルは含まない。
引用:JIS C 1604:2013 測温抵抗体

 

なるほど。

サーミスタとは、
なにが違うんですか?

サーミスタは、

Point

「温度に敏感な抵抗体」を意味する英語
Thermally Sensitive Resistor
からの造語なんです。

 

へー。

そして抵抗素子には、

Point

マンガン(Mn)・ニッケル(Ni)・
コバルト(Co)・鉄(Fe)・銅(Cu)
などを成分とする複合酸化物
が使われています。

 

「温度センサ技術」とNTCサーミスタ
参考:TDKのコアテクノロジー
   -TDK株式会社

以前は、

Point

サーミスタが多く使用されて
いましたが、近年の産業用途では、
精度・安定性の要求が高くなって
きているので、測温抵抗体を
採用するケースが増えています。

 

つまり、サーミスタより
測温抵抗体の方が
測定精度が高いんですね。

そうなんです。

サーミスタは、

Point

測温抵抗体に比べ電気抵抗が
大きいので温度精度が低く、
400℃以上の高温測定に
使用できないという欠点があります。

 

ただし、

Point

小型・安価で衝撃に強いうえ、
測温抵抗体より感度が10倍程高いので
エアコンやスマホ・車といった
製品に多く使用されています。

 

家電や車など身の回りでは
サーミスタが多く使用されて
いるんですね。

測温抵抗体とサーミスタ
  • 測温抵抗体とサーミスタは、
    温度が変化すると電気抵抗値も
    変化するという素材の特性を
    利用した温度検出器。

  • 測温抵抗体の抵抗素子には、
    『Pt100』と言われる特性が
    安定して入手が容易である白金が
    圧倒的に多く使用されている。

  • Pt100とは、温度が0℃のときに
    100Ωの抵抗値をを持つ元素記号
    Pt(白金)の白金測温抵抗体を
    表している。

  • サーミスタの抵抗素子には、
    マンガン・ニッケル・コバルト・
    鉄・銅などを成分とする
    複合酸化物が使われている。

  • サーミスタは、測温抵抗体に比べ
    電気抵抗が大きいので温度精度が
    低く、400℃以上の高温測定に
    使用できない。

  • サーミスタは、小型・安価で
    衝撃に強いうえ、測温抵抗体より
    感度が10倍程高い。
 

熱電対とは

では、
『熱電対』について
教えてください。

熱電対は、

Point

比較的安価で広い温度範囲の
測定が可能なため、幅広く
使用されています。

 

どんな原理で測定

するんですか?

熱電対はJIS規格で、

3.1 熱電対(thermocouple)
熱起電力を発生させる目的で2種類の
導体の一端を電気的に接続したもの。
引用:JIS C 1602:2015 熱電対

と定義されています。

熱起電力ってなんですか?

少し難しいですが、
『熱起電力』とは、

Point

種類の違う2本の金属線を接続して
接合部に温度差を与えた時に
発生する電圧のことです。

 

接続した種類の違う
金属線に温度差を
つけると、電圧に
変換されるんですね。

そうです。

この温度差が電圧に
直接変換される現象を

Point

『ゼーベック効果』といい、熱電対は
この温度差で発生する電圧を
電圧計で測定し、温度に換算して
温度測定を行います。

 

つまり熱電対は、

温度を電圧に換算する

温度センサなんですね。

そうなんです。

ちなみに、

Point

ゼーベック効果とは逆の、
2種類の金属をつなげて電流を流すと
温度差を作り出す『ペルチェ効果』
というものもあります。

 
 

そうなんですね。

熱電対とは
  • 熱電対は、比較的安価で広い
    温度範囲の測定が可能なため、
    幅広く使用されている。

  • 熱電対は、熱起電力を発生させる
    目的で2種類の導体の一端を
    電気的に接続したもの。

  • 熱起電力とは、種類の違う2本の
    金属線を接続して両端の接合部に
    温度差を与えると発生する電圧。

  • 温度差が電圧に変換される現象を
    『ゼーベック効果』と言う。

  • ゼーベック効果とは逆に、
    2種類の金属をつなげて
    電流を流すと温度差が発生する
    現象を『ペルチェ効果』という。

 

熱電対の種類と特徴

最初に言っていた熱電対の

『Kタイプ』や『Eタイプ』
ってなんですか?

熱電対のKやEは、
タイプを表す記号で
構成材料が違います。

JIS規格では、

熱電対
参考:JIS C 1602:2015 

と定義されています。

タイプが違うと

どうなるんですか?

タイプが違うと
使用できる温度範囲や
が環境違います。

熱電対の種類を紹介
参考:株式会社西林電機製作所

熱電対で最も
普及しているのが

Point

K熱電対ですが、その他にも
B・R・S・N・E・J・T・Cなどがあり
温度や環境によって、どのタイプの
熱電対を使用するか選定する必要が
あります。

 

熱電対には、たくさん
種類があるんですね。

特にR熱電対は、
高温用として焼却炉関係に
多く使用されています。

なるほど、きちんと
特徴を理解して使用する
必要がありますね。

JIS規格に
規定されていない熱電対も
あるので、よく確認してから
使用して下さい。

熱電対の種類と特徴

 

まとめ

温度センサは、温度変化による
物性の変化を検出し
温度に変換する検出器のことです。

接続式の温度センサには、測温抵抗体・
サーミスタ・熱電対などがあり
非接触式には、放射温度計などが
あります。

各種温度センサにはそれぞれ特徴が
あるので、温度制御や測定など
特徴を理解して使用して下さい。

この記事があなたのお役に立てれば
幸いです。

ありがとうございました。