蒸気にグラスウールの断熱材でOK?ラッキングと網の役割は?

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素材

蒸気配管に穴が開いたので

修理してください。

分かりました。

ただ、保温の方法が

既存のものと違いますが

大丈夫ですか?

価格が高くなければ

いいですよ。

ただ、報告書を書くので、

保温の施工方法を教えてください。

分かりました。

グラスウールと亀甲金網
で施工します。

と、いうやりとりがありました。

今回は、
蒸気の保温の方法や役割について
紹介していきたいと思います。

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蒸気とは

そもそも、蒸気って

何に使うんですか?

と聞かれたことがあります。

蒸気とは、水を加熱させると

発生する気体のことを言い、

ボイラーと呼ばれる装置で発生させます。

蒸気のメリットは、

  • 引火の危険性が少ない
  • 均一な加熱ができる
  • 温度調節が簡単
  • 飛散しても、害がない

といったメリットがあり、

加温・加湿用途や動力用途に

使用されています。

代表的な使用例は、

  • 熱交換器
  • 蒸気釜
  • ヒーター
  • プレス機
  • 消毒殺菌

です。

保温の役割

次に、発生させた蒸気を

目的地に運ぶために、

配管が必要になってきます。

 

その蒸気配管に保温がされていないと

どうなると思いますか?

保温がされていないと、
せっかく作った蒸気の熱が、
配管を通っている間に
冷えてしまいます。
そのため、
目的の温度で届けるためには、
より高温の蒸気が
必要になってしまうので
燃料代が大量に
無駄になってしまいます。

また、その放出されたエネルギーで

周辺温度を上げてしまい、空調の稼働や

作業環境を悪化させてしまいます。

しかも、配管等の表面温度が高くなるので

ヤケドなどのケガのリスクも高まります。

 

蒸気配管を保温をすることで、

省エネ・作業環境の改善・安全対策

になります。

そのうえ、

ボイラーを休止させたときにでる

配管内に残留したドレン水の凍結も

防ぐことが出来ます。

保温の役割

  • 省エネ
  • 作業環境改善
  • 安全対策
  • 凍結防止

保温材の種類

蒸気に使う保温材の代表的なものに

  • グラスウール
  • ロックウール

があります。

他にも

ケイ酸カルシウムや撥水パーライト

といったものもありますが、

今回は、現地で加工しやすい

グラスウールとロックウールを

説明していきたいと思います。

グラスウールの特徴

グラスウール
原材料 リサイクルガラスを
主原料としたガラス製断熱材
耐熱温度 200℃以下
価格 安価
耐火性能 不燃材料
注意 目がかゆくなったり皮膚がチクチクする

グラスウール保温板、保温筒、
保温帯及び波形保温板は、
JIS A 9504(人造鉱物繊維保温材)
のグラスウールによるものとし、
保温板、保温筒、保温帯及び
波形保温板は40K以上のものとする。

参考資料:
公共建築工事標準仕様書
(機械設備工事編)

     第3章 保温、塗装及び防錆工事

ロックウールの特徴

ロックウール
原材料 天然岩石
耐熱温度 600℃以下
価格 グラスウールより高価
耐火 不燃材料

ロックウール保温板、
保温筒、保温帯、
フェルト及びブランケットは、
JIS A 9504(人造鉱物繊維保温材)の
ロックウールによるものとし、
保温板は1号又は2号、
保温帯は1号、
フェルトは密度40kg/㎥以上、
ブランケットは1号とする。

参考資料:
公共建築工事標準仕様書
(機械設備工事編)

     第3章 保温、塗装及び防錆工事

 

外装材の選び方

既存でついていた保温材の外装は、

綿テープ+塗装といった

最近あまり見かけない方法で

施工されていました。

今回は、保温材+亀甲金網ですが、

外装材には、

他にどのような種類があって

どんな用途で取り付けるの?

といった目安を紹介していきます。

外装材(補助材)種類 用途
保温材+鉄線 天井裏など
人目につかないところ
保温材+亀甲金網 倉庫・機械室など
人目につかない場所
保温材+カラー鋼鈑 工場内でも人目が
気になるところや屋外
保温材+ステンレス 屋外

費用や環境で、内容は変わってきます。

他にもいろんな種類の

外装材や補助材があるので

あくまで参考程度の目安として

記載させていただきます。

ラッキングは、
保温材の上に薄い金属板を
巻くことを指しますので
カラー鋼鈑などと同じ意味になります。

まとめ

蒸気は、

  • 加温
  • 加湿
  • 乾燥
  • 殺菌
  • 動力

の用途で、主に使われています。

配管に保温を施すことで

  • 省エネ
  • 設備の保護
  • 作業環境改善
  • 安全対策

を同時に行うことが可能になります。

省エネをテーマにされている方で

もう何も思いつかないよ!!

という方は、

一度工場内の保温の状況を調査し、

蒸気や他の配管の保温・断熱を

再施工をすることで、

省エネにつながる可能性があります。

一度確認してみてはいかがでしょうか?

 

ありがとうございました。