薄物の吸着パッドの吸着ミスの原因は、装置の台座が問題かもしれません

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お客さまの設備に、

200μmの薄い金属シートを

吸着搬送する工程があるのですが、

お客様から

「下の台座が傷ついてきたので、
交換したらワーク外れが

増えたので調整してほしい。」

という依頼を受けました。

 

動作を確認して、

原因を調査してみたところ

金属シートの下で吸着パッドを

押し付ける台座ごと吸着していた

ことが、ワーク外れの原因でした。

 

なぜそうなったかを確認していきたい

と思います。

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動作確認

以前修理をしたことがあったので

機械動作は頭に入っていました。

 

今回のワーク外れの原因を

確認するために、動作確認していると、

確かにワーク外れが頻発していました。

装置概要

200μm×600mm×600mmの
金属シートをエジェクタによる
吸着搬送システムで12か所の
吸着パッドを使い、1メートル先に
搬送する装置です。

 

この装置の動作を確認していると

毎回ワーク外れが、起こるわけでは

ありません。

しかもワーク外れが発生する箇所も

毎回同じ箇所で発生するわけでは

ないので、いったい何が原因なのか

頭を悩ませていました。

 

台座の材質を変更してないかを

聞いてみると、交換前も

MC901(青いプラスチック)で

製作されており、材質の変更は

無いということでした。

Point

製品を吸着位置に持ってきて
エジェクターの到達真空圧力を
表す測定数字に、
バラツキは見られませんし、
吸着パッドも摩耗しておらず、
設定に問題はありませんでした。

 

設備には問題なさそうなので

次は、ワークが変更になったので

ワーク不良の調査をすることにしました。

ワーク不良が原因?

ワークのロット変更による、

ワーク不良が原因なのかと思い、

ワークのロットを変えてもらい

試してもらいましたが、

上手くいきません。

ワークの不良は考えにくそうです・・・。

Point

つぎに、
ワークの厚みを厚くしたものや、
材質を金属から樹脂シートに変えて
試してみるとワーク外れが
減りました。

 

設備に問題がないと言っても、

吸着周辺に問題がありそうなので

吸着箇所を重点的に

見てみることにしました。

Point

各個動作で確認しようと思い、
金属シートを吸着場所に
セットして吸着させてみると、
きちんと吸着します。

 

各個動作では、問題ないことが

確認できたので、一連の動作で

確認してみることにしました。

すると、数回に1回吸着外れが

起こりました。

 

ということで、装置の動作を何度も

確認して原因を突き止めようと

何度も見ていました。

ワーク外れの原因は、台座の加工もれ!!!

ワーク外れの原因をじっと見ていると、

「あれ??

台座ごと吸着してる??」

という風に感じてきました。

Point

金属板とはいえ、200μmと薄いので
わずかながら、通気性があった
ようです。
そのため、下にあるMC901の
台座ごと、一緒に吸い上げて
しまっていたことが、
吸着外れの原因だったようです。

 

「じゃあ、なんで前の台座は、

吸着しなかったんだろう?」

と思い、担当者に以前の台座を

見せてほしいとお願いしたところ、

以前に、使用していた台座は、

廃棄してしまったということでした。

 

そこで、

交換したお客様に確認したところ、

「確か、中心に小さい穴が

開いていた!」

「ただ、何の穴か分からなかった

ので、取付用のボルト穴だけ加工

したものを取り付けた!!」

と言っていただけました。

 

やっと原因を突き止めることが

出来ました。

これが、

ワーク外れの原因だったんですね・・・。

まとめ

新しい台座の吸着箇所に、

小さい穴を追加したところ、

ワーク外れが一切なくなりました。

 

薄物とはいえ金属板なので、

通気性があるとは思ってなかったため

発見が遅れてしましました。

 

以前の台座についていた、小さな穴が

下の台座ごと吸着することを防ぐための

空気の逃がしを目的とした穴

だったんですね。

 

意味がないと思わず、分からない場合は

同じ加工をしておくことをお勧めします。

 

ありがとうございました。