久しぶりに頭を悩ませる
仕事内容になりました。
お客様に、機械の更新に伴う
電気・配管の付帯工事を
ご依頼いただいたのですが、
そこで直面したのは
「打ち合わせと全く違う」
という現場特有のトラブルでした。
電気容量不足を乗り切る
「現場の知恵」:
- ✔ メーカーへの「再計算」依頼:
仕様を鵜呑みにせず、
ヒーター容量の削減案を協議。 - ✔ 盤内の「埋蔵金」探し:
既設の予備ブレーカーを
徹底捜索し、合算して容量を確保。 - ✔ 「断らない」プロの姿勢:
責任追及より解決を優先し、
強固な信頼関係を築く。
最初の打ち合わせでは、
このように聞いていました。

定格電流値225Aの
ブレーカーを再利用できる
機械に更新されるから、
そのまま使えるよ。
しかし、
いざ最終仕様書を確認してみると……

機械の仕様が決まった。
定格電流350Aの
ブレーカーが必要だ。

話が違いますよ。
350Aとなれば、
既存の225Aでは
到底足りませんよ。
お客様に確認しても

こっちも聞いて
びっくりしてる。
なんとかしてほしい。
と言われましたので、
私は「解決」に全神経を
集中させることにしました。
1. キュービクル新設は無理!「できない」と言えない理由
通常、これだけの容量アップなら、
キュービクル(高圧受電設備)の増設や
改修が必要です。
しかし、それには多額の費用と、
何より長い工期がかかります。

「機械の稼働予定日は
決まっている。
何とかしてくれ!」
お客様の困った顔を見ると
「できません」とは言えません。
お世話になっている方の力になりたい。
私は、機械メーカーの連絡先を聞き、
機械メーカーと徹底的に
知恵を絞ることにしました。
2. メーカー交渉|ヒーター容量の再計算で「30A」を削り出す
メーカーに対し、
「事前報告なしの変更で電気容量が足りず、
このままでは稼働できない」と正直に相談。
どのような対処ができるか、
電気容量の再計算を依頼しました。
その結果、驚きの回答が返ってきます。

「ヒーターの容量を
少し下げれば、
350A → 320Aまで
引き下げることが可能です。」
わずかな差に見えますが、
これが後の「奇跡」を呼び込みます。
3. 盤内の徹底捜索|予備ブレーカーという「埋蔵金」を発見
それでも、既設のブレーカーは225A。
320Aにはまだ100A近く足りません。
「何か手はないか?」と、
既設の制御盤の中を食い入るように見回すと、
そこには希望の光が眠っていました。
- ✔ 既存ブレーカー:225A
- ✔ 盤内の予備:50A
- ✔ 隣の盤の予備:50A
合計:325A確保!
「これならいける!」合算すれば、
再計算後の必要容量320Aを
わずかに上回ります。
4. 最終解決|系統を分けて「最小コスト」で稼働へ
私は再度メーカーに連絡し、
Pointとなる電源の分散を提案しました。
- ✔ 225Aブレーカー:
メインのヒーター用に使用 - ✔ 50A×2個の予備ブレーカー:
駆動部・照明などの付帯設備用に使用
この分散によって、
高価な大型ブレーカーの購入や
キュービクルの改修を回避。
何とか期日までに電気工事の
段取りを整えることができ、
心の底から「ホッ」としました。
まとめ|困難こそが「信頼関係」を強くする

「約束と違うので、
仕事はできません!」
正論を言うのは簡単です。
しかし、現場で最も大切なのは
「お客様が困っている問題を
どう解決するか」です。
今回、追加費用は発生しましたが、
お客様には心から納得して
いただくことができました。
困難な仕事に直面した時こそ、
お客様と協力して乗り切る。
その積み重ねが、未来の仕事に繋がる
確かな信頼関係を築くのだと、
改めて実感した仕事でした。
薄暗い制御盤の奥底を見通し、
100Aの「埋蔵金」を暴き出した
超高輝度ライト。
プロ仕様の超高輝度ライトは
現場の安全とスピードを変えます。

電気の容量不足は「埋蔵金」で
解決できましたが、
実はもっと深く埋まって
見えない社内の「古い人間関係」。
20年以上の根深くて厄介な慣習を
どう変えるか。
現場トラブルより手強い
組織改革の物語、
ぜひ覗いてみてください。
📖 【第1話】密室の甘い毒
ありがとうございました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 機械更新で電気容量が
不足した場合、必ずキュービクルの
増設が必要ですか? ▼
他のアプローチで回避できる
可能性があります。
通常は大容量化に伴いキュービクル
(高圧受電設備)の改修を検討しますが、
多額の費用と長い工期がかかります。
まずは「機械メーカーへのヒーター等
容量削減の再計算依頼」や、
「既設盤内の予備ブレーカーを活用した
系統分離(電源の分散)」など、
現場の知恵でコストを抑えて
解決できるケースがあります。
Q2. 複数のブレーカーを合算して
容量を確保する「系統分離」とは
どのような手法ですか? ▼
「付帯設備」に分ける手法です。
例えば、大型ブレーカー1個で一括受電
するのではなく、既存のブレーカーを
「メインのヒーター用」として残し、
盤内に眠っている予備ブレーカーを
「駆動部や照明などの付帯設備用」
へと分散させます。これにより、
高価な大型ブレーカーへの交換や
幹線サイズアップの手間を
省くことができます。
Q3. 事前打ち合わせと異なる
仕様変更があった際、現場トラブルを
円滑に解決するポイントは何ですか? ▼
「メーカーと知恵を絞る」ことです。
「話が違う」と正論で責任を追及しても、
機械の稼働期日は変わりません。
まずは機械メーカーの技術担当者へ
「現状の電気容量」を正直に伝え、
仕様の再計算やヒーター容量の
引き下げ案など、現実的な代替案を
一緒に協議することが最短の
解決ルートになります。