先日会社の後輩が、スイデンさんの
「ホットドライヤ SHD-1.3FⅡ」
をお客様に購入していただいたのですが、
「カタログに常温→350℃と
書いてあるのですが、
60℃程度の熱風しか出ません。
どうすればいいですか?」
という相談を受けました。
なぜ高温の熱風が出なかったのかを
紹介していきたいと思います。
ホットドライヤー単体では350℃には達しない!
ホットドライヤーは、吸い込んだ空気を
ヒーターで熱して吐出する装置です。
仕組みは違いますが、
髪を乾かすドライヤーをイメージして
いただければいいかと思います。
スイデンのSHD-1.3FⅡは、
消費電力1.4KWです。
1500Wのドライヤーと近い熱風を
発生させるだけなので、
350℃まで上がるわけがないです。
よく考えれば無理な話ですよね。
数年前お客さんに、言われるがまま買って
同じような話した記憶があります。
なぜ350℃と記載されているのか?
取説には、
「熱風循環含む温度調整範囲」
つまり、
循環させる場合は、循環30%以下で
新鮮エアー70%以上にし、
熱風吸い込み温度200℃以下に抑え、
ダンパーで調整しながら温度を
上げていく必要があり、
炉やダクトにきちんとした
保温工事を施すことで温度を
上げることが出来る。
というわけなんです。
数年前、お客様で試したときに
「ホットドライヤー」
単体で熱風を吐きだしたときは、
季節にもよると思いますが、
機械内部の温度センサー温度が、
100℃を示し吐出空気温度が、
いいとこ60℃といったところ
だった気がします。
その時は、
簡単な循環をダクトでさせたのと
吐き出し先に、簡単な耐熱カーテンを
設置して周囲温度を少し上げることで
使っていただいた記憶があります。
350℃だと思って使ってみたら、
それはショックですよね・・・。
温度特性図を見てみよう
仕様表には温度調整範囲が、常温~350℃
と書かれているので350℃まであげれる
と思っている方が多いと思います。
なぜなら、温度特性図のようなグラフの
「見方が分からない・・・。」
という方が多いからです。
引用:スイデン電子制御熱風機
Fシリーズ(ホットドライヤ)
この温度特性図をよく見てみると
「あれ?そもそも
200℃までしかいかないよ。」
ということが分かります。
そもそも350℃には達することのない機種
だったんですね・・・。
しかも風量を開放しておくと
「50℃までしか
行かないんですね・・・。」
ということが見てわかります。
ちなみに、
200℃達成時の風量が、
おおよそ0.4㎥/minとなっています。
参考までに、空気清浄機の
「しずかモード」ですら
1.0㎥/minの風量があります。
ということは、全くと言っていいほど
空気が動かない状態で200℃に達する
ということなんです。
このグラフをみると、
通常運転の場合では、
350℃で運転するどころか
200℃で運転させることも
困難だと言えます。
通常運転で100℃の温度を
出そうと思うと、
『SHD-15FⅢ 15KW』
が必要になり、1.3KWの10倍以上の
ヒーター容量が必要になります。
購入時の注意点
前回、
お客様に言われた注意点も
併せて記載しますと電源が、
100Vなのですぐ使用できると
思ってお渡ししたのですが、
100V仕様でも、
コンセントをつける
電気工事が必要
なので購入する際は、注意してください。
まとめ
普通に考えれば、
ドライヤーと同じ熱量で解放空間で、
常温→350℃まで一気にあげる
なんて難しいですよね。
ただし、カタログを見てもきちんとした
使い方の記載はないですし、
初めて使う方なら勘違いしても
仕方ないと思います。
熱風発生器を購入される際は、メーカーに
使用方法を伝え、問題ないか確認して
購入されるほうが良いと思います。
1台それなりの金額しますので・・・。
購入の際には注意してください。
ありがとうございました。