害虫対策ペストコントロールとは?内部発生型工場害虫の駆除と発生源

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この時期になると、

工場内に害虫が

増えて困ります。

梅雨は、暖かいうえに

湿度も高いので、
害虫が増えますね。

そうなんです。

嫌になります。

特に、コバエや蚊・クモ・
ゴキブリ・ムカデなどが、
多く発生します。

そうなんです。

どんな対策をとると

いいですか?

対策の話をする前に、

一つ聞いてもいいですか?

いいですよ。

梅雨になると、

なぜ害虫が増えるか

知っていますか?

梅雨だから・・・。

ではないですよね。

改めて聞かれると、
答えに困りますね。

でも、なぜそんなこと
聞くんですか?

それは、害虫の生態を
きちんと把握しないと、
工場に必要な防虫対策が
出来ないからです。

確かに、
その通りです。

正直、害虫の生態
なんて気にしたこと
なかったです。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は、『ペストコントロール』
について簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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工場害虫とは?

そもそも『害虫』って

なんですか?

私の分かる範囲での

説明になりますが

大丈夫ですか?

よろしくお願いします。

まず害虫には、

Point
  • 人や動物に害を与える『衛生害虫』
  • 農作物に害を与える『農業害虫』
  • 人や農作物に害は与えないが、
    不快感を与える『不快害虫』
  • 衣類に穴をあける『衣類害虫』
  • 木材に害を与える『木材害虫』

などがいます。

 

色んな種類が
いるんですね。

『農林有害動物・昆虫名鑑』
には、「2450種の害虫が

掲載されている。」
と言われています。

そんなに多いんですか!

多いんですよ。

なので、当然
業種によって発生する

害虫は、違ってきます。

確かにそうですね。

なので、

Point

工場内に生息している害虫の
生態を、きちんと把握することで、
自分の工場にあった『害虫対策』が
出来るようになります。

 

どんな害虫が発生して
いるのか分からないと、

間違った対策を行っている
可能性がありますもんね。

ちなみに『工場害虫』には、

Point
  • 内部発生型害虫
  • 外部侵入型害虫

の2種類がいます。

 
 
工場害虫名鑑
参考:⼀般財団法⼈ 環境⽂化創造研究所

正直、害虫って外から
入ってくるイメージしか

なかったです。

確かに内部で発生する

害虫がいても

おかしくないですよね。

そうなんです。

はぁ~、本当に害虫対策
って大変ですね。

害虫なんか地球上から
いなくなってほしいです。

そう思うのも
分かりますが、

Point

これらの害虫を一匹も残さずに
全滅させるのは、とても難しいうえ、
生態系に悪い影響を与える
可能性があります。

 

確かに、害虫って
勝手に私たちが、呼んで
いるだけですもんね。

そうなんです。

なので最近は、

Point

人の生活を害さないレベルに有害生物を
制御する『ペストコントロール』
と呼ばれる管理手法がとられています。

 
工場害虫とは?
  • 害虫には、『衛生害虫』
    『農業害虫』『不快害虫』
    『衣類害虫』『木材害虫』
    など色んな種類がある。

  • 工場内に生息している害虫の
    生態を、きちんと把握する
    ことで、自分の工場にあった
    『害虫対策』が出来る。

  • 『工場害虫』は、内部発生型害虫
    と外部侵入型害虫に分類される。

  • 害虫を一匹残さずに全滅させる
    のは難しいうえ、生態系に悪い
    影響を与える可能性がある。

  • 人の生活を害さないレベルに
    有害生物を制御・管理する手法を
    『ペストコントロール』と呼ぶ。

 

ペストコントロールとは?

『ペストコントロール』の
『ペスト』って、昔流行った
伝染病の名前ですか?

ここで言う、

Point

『ペスト』とは、伝染病ではなく、
ネズミ・ゴキブリ・ハエ・蚊・ダニ・
ハチ・トコジラミ・ヒアリなどの
害虫や有害生物を意味しています。

 

ペストコントロールとは
参考:公益社団法人
   日本ペストコントロール協会

害虫獣のことも『ペスト』
と呼ぶんですね。

そうなんです。

そして、

Point

『ペストコントロール』は、
『IPM』という手法を
駆使して行います。

 

また、知らない言葉

出てきましたね。

『IPM』ってなんですか?

『IPM』とは、

Point

『Integrated Pest Management』
の頭文字をとったもので、
日本語になおすと、
『総合的に有害生物を管理する』
という意味になります。

 

総合的な管理とは、

どういう考え方ですか?

簡単に説明すると

Point

害虫を殺すだけでなく、
繁殖しにくい環境を作ったり、
追い払ったりする、人や自然環境に
優しい考え方が『IPM』です。

 

IPMという手法を駆使して
参考:公益社団法人
   日本ペストコントロール協会

人と自然環境の安全を考えて、
いろんな方法を組み合わせて

行う対策のことなんですね。

具体的には、

Point
  • 害虫が繁殖しにくい環境を作る、
    『環境的対策』
  • 機器を使って、害虫を追い払ったり
    駆除する『物理的対策』
  • 薬品を使って、害虫を追い払ったり
    駆除する『化学的対策』
  • 害虫の天敵を放って追い払ったり
    駆除する『生物的対策』

などがあります。

 

色んな対策が
あるんですね。

ペストコントロールとは?
  • ここでいう『ペスト』とは、
    伝染病ではなく、害虫や
    有害生物を意味している。

  • 『ペストコントロール』は、
    『IPM』という手法を
    駆使して行う。

  • 『IPM』とは、『Integrated
    Pest Management』
    の頭文字で、日本語になおすと、
    『総合的に有害生物を管理する』
    という意味になる。

  • 『IPM』は、害虫を殺すだけ
    でなく、繁殖しにくい環境を
    作ったり、追い払ったりする、
    人や自然環境に優しい手法。

  • 『IPM』は、
    害虫が繁殖しにくい『環境的対策』
    機器を使う『物理的対策』
    薬品を使う『化学的対策』
    害虫の天敵を放つ『生物的対策』
    を組み合わせて行う。

 

内部発生型害虫の環境的対策

『内部発生型害虫』の

『環境的対策』を行うには、
どうしたらいいですか?

まず
『内部発生型害虫』とは、
工場内、特に屋内の
製造現場で繁殖を
繰り返す害虫のことです。

なるほど。

ちなみに、

Point

『内部発生型害虫』にも種類があり、
大きく分けると

  • 湿潤環境発生型
  • 乾燥環境発生型

に分類されます。

 

『湿潤環境発生型』の

発生源は、どこですか?

『湿潤環境発生型』は、

Point

排水溝やたまり水・老朽化した木材・
生ゴミ・ホコリだまりなどで
発生・繁殖します。

 

では、

『乾燥環境発生型』の

発生源は、どこですか?

『乾燥環境発生型』は、

Point

米や麦・豆などの穀物・穀粉・
加工食品・乾燥食品などの食品類や
段ボール・木材などに付着して
発生・繁殖します。

 

では、発生源の

『環境的対策』は、

どうしたらいいですか?

まず、
『湿潤環境発生型』の
『環境的対策』は、

Point

排水関係の水を停滞させない
ように改善したり、工場内を清潔に
保つことで、害虫に餌と住処を
与えず内部での発生を防ぎます。

 

では、
『乾燥環境発生型』の
『環境的対策』は、
どうすればいいですか?

 

『乾燥環境発生型』の

『環境的対策』は、

Point

段ボールや木材・畳など、
害虫が発生しやすい素材をやめ、
発生しにくい他の材質使って
内部での発生を防ぎます。

 

なるほど。

ただ食品類は、

Point

もともと『害虫』が付着した状態で
入荷している可能性があるので、
仕入れ先に協力を依頼する
場合もあります。

 

もともと、食品に

付着している『害虫』の
駆除は難しいですもんね。

そうなんです。

しかも、

Point

『内部発生型害虫』は、体長が
1~3mm程度と小型の虫が多く、
壁や床などが破損してできた隙間でも
生息・繁殖することが出来るので、
隙間を作らない対策が必要です。

 

その隙間にエサがあると
発生源になりますね。

そうなんです。

内部発生型害虫の環境的対策
  • 『内部発生型害虫』は、
    湿潤環境発生型と
    乾燥環境発生型に分類される。

  • 『湿潤環境発生型』は、排水溝や
    たまり水・老朽化した木材・
    生ゴミ・ホコリだまりで
    発生・繁殖する。

  • 『乾燥環境発生型』は、米や麦・
    豆などの穀物・穀粉・加工食品・
    乾燥食品などの食品類や
    段ボール・木材などに付着して
    発生・繁殖する。

  • 『湿潤環境発生型』の
    『環境的対策』は、工場内を
    清潔に保つことで、害虫に
    餌と住処を与えず内部での
    発生を防ぐ。

  • 『乾燥環境発生型』の
    『環境的対策』は、段ボールや
    木材・畳など、害虫が発生しやすい
    素材をやめ、発生しにくい材質を
    使って内部での発生を防ぐ。

  • 食品類は、害虫が付着した
    状態で入荷している可能性が
    あるので、仕入れ先に協力を
    依頼する場合もある。

  • 『内部発生型害虫』は、小型の
    虫が多く、壁や床などが破損して
    できた隙間でも生息・繁殖するので
    隙間を作らない対策が必要。
 

物理的対策と化学的対策

では、機器を使った

『物理的対策』には、

どんなものがありますか?

まず、

Point

屋内で繁殖する害虫の多くは、
25~30℃が発育の最適温度のため
15~20℃に保てば、繁殖を
抑制することが出来ます。

 

へー。

25~30℃の温度帯を

外せば、繁殖しにくく

なるんですね。

そうです。

とはいえ、

工場全体の温度管理は、
現実的に難しいですね。

では、保管庫など
必要な箇所だけ
温度管理する方法も
あります。

それなら、できるかも
しれませんね。

他にも、

Point

湿度が高くなるとカビが増えるので、
カビをエサにする害虫が増加します。
そうならないように、結露や
漏水の防止・空調による湿度制御
などの対策が必要になってきます。

 

カビって害虫の

エサになるんですか?

そうなんです。

そして、補助的に

電撃殺虫器や捕虫器などを

使用すると効果的です。

では、『化学的対策』
についても教えて下さい。

『化学的対策』は、

Point
  • 殺虫剤
  • 虫除け剤

など薬剤を使った対策のことです。

 

殺虫剤を散布する、
一番効果的なタイミングは
いつですか?

殺虫剤を散布する
タイミングは、

Point

対象となる『害虫』の生態を調べ、
産卵して孵化するまでの期間に
散布すると非常に効果的です。

 

へー。

そうなんですね。

ところで、

殺虫剤や虫除け剤って

体に悪いですよね?

基本的に殺虫剤は、

Point

『害虫に有効だが、人体に影響を
及ぼさない薬剤』をコンセプト
として開発されています。

 

では、
「人体に害はない。」

ということですか?

いくら影響がない
と言っても、薬剤である事
には変わりありません。

どういうことですか?

例えば、私たちが薬局で

購入できるお薬の

用法・容量を守らずに

飲むことは、
安全と言えますか?

安全とは言えない

ですよね。

つまり、殺虫剤も

Point

用法・容量を守らないと問題が
発生する可能性があります。

 

確かにそうですね。

また、殺虫剤には

Point

スーパーやコンビニで購入できる
『医薬部外品』と薬剤師が存在する
薬局でしか購入できない『医薬品』が
あるので、ご注意ください。

 

知らなかったです。

また、虫除け剤についても

Point

吊り下げタイプの虫除け剤は、
吸血性の蚊には効果がないもの
があるので、対象の『害虫』に
有効なのかを、きちんと確認して
購入して下さい。

 

つり下げタイプの虫よけ、効く虫は?
参考:独立行政法人国民生活センター

ちゃんと確認しないと

いけないんですね。

最後に、『生物的対策』
については、工場内には
向かないので、今回は
触れないでおきます。

分かりました。

物理的対策と化学的対策
  • 屋内で繁殖する害虫の多くは、
    25~30℃が発育の最適温度の
    ため15~20℃に保てば、
    繁殖を抑制出来る。

  • 湿度が高くなると、カビを
    エサにする害虫が増加するので、
    結露や漏水の防止・空調による
    湿度制御などの対策が必要。

  • 『化学的対策』とは、殺虫剤・
    虫除け剤など薬剤を使った
    対策のこと。

  • 殺虫剤は、対象となる害虫が
    産卵して孵化するまでの期間を
    考慮して散布すると非常に効果的。

  • 殺虫剤は、用法・容量を守らないと
    問題が発生する可能性がある。

  • 殺虫剤にはスーパーやコンビニで
    購入できる『医薬部外品』と
    薬局でしか購入できない
    『医薬品』がある。

  • 吊り下げタイプの虫除け剤は、
    吸血性の蚊には効果がないもの
    があるので、きちんと
    確認する必要がある。

 

まとめ

以前は、害虫が出たら殺虫剤で駆除する
ことが多かったですが、繰り返し
殺虫剤で害虫駆除を行っていると
殺虫剤が効かない害虫が出てきます。

他にも環境への悪影響であったり
食品工場では、殺虫剤の使用が
難しかったりします。

そのため、有害な害虫を生活や作業に
影響がない範囲まで減らしたり
繁殖させない『ペストコントロール』
という考え方で工場内に発生する害虫の
制御・管理を行ってください。

ありがとうございました。