CHECK この記事でわかること ▼ 開く
- ✔ シリコンとシリコーンの違い:
元素と化合物の違いをプロが解説。
混同しやすい用語の定義を明確にし、
正しい呼び方を習得。 - ✔ シロキサン結合が持つ驚異の特性:
耐熱・耐候・電気絶縁性の仕組み。
なぜオイル・ゴム・レジンに
変化できるのか、その構造の秘密。 - ✔ 用途別シリコーンの賢い選び方:
潤滑剤からパッキンまで、現場で
失敗しないための材質選定基準と
温度変化への耐性。 - ✔ 製造現場の天敵「接点障害」対策:
低分子シロキサンの発生源と
揮発の問題点。熱処理による確実な
除去方法とトラブル回避術。

『シリコンと
シリコーンは違うもの。』
って聞いたんですが、
本当ですか?

正直、話の内容を聞けば
どちらでも通じるので
気にしていませんが、
本当は違います。

やっぱり違うんですね。
何が違うんですか?

まず、英語表現が違います。
シリコンは、『silicon』
シリコーンは、『silicone』
と表記されます。

違う単語なんですか!

シリコンは、
元素の種類『ケイ素』
のことを言い、
シリコーンは、
『ケイ素』から作られた
化合物のことを言います。

元素と化合物ですか・・・。
全くの別物ですね。

全くの別物なんです。

そういえば、
シーラントやオイルなどは
シリコーンになっていますね。

化合物なので
シリコーンになります。

これからは、『シリコーン』
と言うようにします。
と、いうやりとりがありました。
今回は、シリコーンについて
簡単に分かりやすく
紹介していきたいと思います。
シリコーンとは?「シリコン」との決定的な違いと基本構造

シリコーンって何ですか?

シリコーンは、
シロキサンに『メチル基』を
主体とする有機基が結合した
『オルガノポリシロキサン』を
ベースにした材料

のことを言います。

はぁ・・・。

シロキサンって何ですか?

シロキサンは、
『ケイ素(Si)』と『酸素(O)』
の結合をシロキサン結合と言い、
これが複数連なり、長くなったものを
『ポリシロキサン』と言います。

シロキサン結合だと
何が良いんですか?

まずは、
他の種類の結合を
紹介します。
一般的な合成ゴムの結合は
- 炭素-炭素によるC-C結合
- 炭素-酸素によるC-O結合
の炭素結合がほとんどなんです。

シロキサン結合と炭素結合は
何が違うんですか?

シロキサン結合は、
炭素結合より結合エネルギーが
非常に大きく、200℃になっても
結合が壊れないので
『耐候性・耐熱性に優れる』

といった特徴があります。

シロキサン結合は、
高温でも性能変化
しないんですね。

主な
シロキサン結合の特徴には、
- 耐熱性に優れる
- 耐候性に優れる
- 化学的安定性に優れる
- 電気絶縁性に優れる
- 撥水性に優れる
- 離型性に優れる
- 耐寒性に優れる
があります。

すごいですね。

しかも、
シロキサン結合の結合状態により
オイル・ゴム・レジンに
変化させることが出来ます。

シリコーンは結合状態を
変えると、
状態変化するんですね。
-
シリコーンは、
『オルガノポリシロキサン』
をベースにした材料。 -
シロキサン結合は、
『ケイ素(Si)』と『酸素(O)』
の結合を言う。 -
一般的な合成ゴムの結合は、
ほとんど炭素結合。 -
シロキサン結合は、炭素結合より
結合エネルギーが非常に大きく、
200℃になっても結合が壊れない。 -
シロキサン結合の特徴は、
耐熱性・耐候性・化学的安定性・
電気絶縁性・撥水性・離型性・
耐寒性などに優れている。 - シロキサン結合は、結合状態で
オイル・ゴム・レジンに
変化させることが出来る。
シリコーンオイルの特徴と用途|なぜ「万能潤滑剤」と言われるのか?

シリコーンオイルの
特徴を教えて下さい。

シリコーンオイルは、
- 沸点が高く、凝固点が低い
- 温度変化による
粘度の変化が少ない - 電気絶縁性に優れる
- 高い撥水性
- 表面張力が低い
- 耐酸化性が高い
- 多くの素材に対し腐食性がない
- 毒性がほとんどない

といった特徴があります。

シリコーンオイルは
どのような用途で
使われてるんですか?

シリコーンオイルは、
これらの特徴を生かし、
- 潤滑剤
- 化粧品
- 消泡剤
- 離型剤
- 撥水材
の材料に利用されています。
-
シリコーンオイルは、
シロキサン結合が持つ
多くの優れた特性がある。 -
シリコーンオイルは、
潤滑剤・化粧品・消泡剤・
離型剤・撥水材などの
材料に利用されている。
シリコーンゴムの特性とは?天然ゴムとの決定的な違いと選定基準

シリコーンゴムの
特徴を教えて下さい。

実は、シリコーンゴムは、
常温での性能は、
天然ゴムに劣るんです。

そうなんですか!

ただし、
-20℃以下で硬化し、130℃以上で
軟化する天然ゴムと違い
シリコーンゴムは、-60~200℃の
広い温度範囲でも
性能に変化はありません。

低温や高温環境での
使用に向いているんですね。

シリコーンゴムの特徴を
教えて下さい。

シリコーンゴムの特徴は、
- 耐熱性・耐寒性に優れる
- 高い耐候性
- 一般的なゴムより
耐薬品性・耐油性に優れる - 安定した電気絶縁性
- 非粘着性
- 着色性

などがあります。

確かに、キッチン用品に
色んな色のシリコーンゴム製品
ありますよね。

耐熱シリコーンも赤茶色ですが
違う色ってあるんですか?

耐熱シリコーンは、
ベンガラを混ぜているので
赤茶色になるんです。

ベンガラって何ですか?

ベンガラとは、
酸化鉄の事のいい、
昔から着色に使用されてきた
顔料の一つです。

ベンガラって
初めて聞きました。

耐熱温度は、
通常のシリコーンゴムで、
180~200℃
耐熱シリコーンゴムは、
220~230℃
になっています。

耐熱という割には
そこまで耐熱温度は
違わないんですね。

耐熱シリコーンゴムは、
耐熱温度が極端に上昇する
というわけではなく
『劣化する速度が遅くなる。』
と考えていただいたほうが良いです。

シリコーンゴムは、
どんな用途で
使われているんですか?

シリコーンゴムは、
- 高温環境での電線の被覆材
- パッキン・ガスケット
- 毒性がないので
医療・食品業界での使用 - シーリング材

等に利用されています。
-
シリコーンゴムの性能は
常温では、天然ゴムに劣る。 -
シリコーンゴムは、
-60~200℃の広い温度範囲
でも性能に変化はない。 -
シリコーンゴムには、
シロキサン結合が持つ
優れた特性がある。 -
耐熱シリコーンは、
ベンガラ(酸化鉄)という
顔料を混ぜて作る。 -
耐熱シリコーンゴムは、
熱で劣化する速度が遅くなる。 -
シリコーンゴムは、
高温環境での電線の被覆材・
パッキン・ガスケット・
シーリング材に利用されている。
シリコーンレジンの優れた特徴|電気絶縁から耐熱コーティングまで

レジンって何ですか?

レジンは、樹脂全般を
指しています。

レジンって樹脂のこと
だったんですね。

シリコーンレジンは、
- 耐熱性
- 電気絶縁性
- 耐水性
- 耐オゾン性
- 耐薬品性
など、優れた特徴を持っています。

シリコーンレジンは、
どのような用途で
使われているんですか?

色々な特徴を生かし、
- モーター・トランス・発電機
などの電気絶縁材料 - 耐熱塗料
- 防湿絶縁コーティング

といった用途など幅広く
使用されています。
-
シリコーンレジンは、「耐熱性」
「電気絶縁性」「耐水性」
「耐オゾン性」「耐薬品性」
など、優れた特徴を持っている。 -
シリコーンレジンは、モーター・
トランス・発電機などの
「電気絶縁材料」「耐熱塗料」
「防湿絶縁コーティング」
など幅広く使用されている。
「接点障害」を防ぐ!低分子シロキサン対策と正しい除去方法

そういえば、以前に
シロキサンを除去した
シリコーンゴムを
探した気がします。

シロキサン結合が
シリコーンゴムなのに
どういうことですか?

それは、
低分子シロキサン対策
の事ですね。

低分子シロキサン
って何ですか?

低分子シロキサンは、
シリコーン製品の製造時に
除去しきれなかった
分子量の小さいシロキサン
のことを言います。

低分子シロキサンがあると
何がダメなんですか?

低分子シロキサンが
残っていると、
揮発性が高いのでガス化して
接点や基板の上にたまり
接点障害の原因になります。

どうやって
除去するんですか?

低分子シロキサンの
除去方法は、
揮発性が高いので、
高温熱処理を行い
低分子シロキサンを
除去します。

低分子シロキサンは、
熱処理を行うことで
除去できるんですね。
-
シリコーン製品の製造時に
除去しきれなかった
分子量の小さいシロキサンを
低分子シロキサンと言う。 -
低分子シロキサンは、
揮発性が高いのでガス化して
接点障害の原因になる。 -
低分子シロキサン対策とは、
高温熱処理を行い
除去することを言う。
【総まとめ】シリコーンの特性を理解して製品トラブルをゼロに
シリコーンは、シロキサン結合の
形状や長さ・形式によって
様々な種類があります。
耐熱材料や電気絶縁用途などの
安全対策で使用されたり
毒性がほとんどないことから
食品業界や医療品業界など
様々な分野で使用されています。
今回の記事で
あなたがシリコーンを選ぶ
きっかけになればうれしいです。

今は『古い会社を中から変える』
という挑戦の真っ最中です。
そのリアルなドタバタ劇を
物語にしてみました。
もしよかったら、
第1話だけでも覗いてみてください。
ありがとうございました。
よくある質問(FAQ)
Q1. シリコンとシリコーン、
現場で混同しても問題ない? ▼
ため、使い分けを強く推奨します。
元素(シリコン)と化合物
(シリコーン)は全くの別物です。
現場で「シリコンを注文した」
つもりで材料が届かない、
あるいは仕様の違うものが届く
といったトラブルを防ぐためにも、
正しく呼称を統一しましょう。
Q2. シリコーンゴムは
天然ゴムより優秀? ▼
常温での物理強度(引き裂き強さ等)
は天然ゴムの方が優れています。
しかし、高温・低温・耐候性が求め
られる環境下ではシリコーンゴムが
圧倒的な性能を発揮します。
用途に合わせて使い分けることが
重要です。
Q3. 低分子シロキサンは
なぜ接点障害を引き起こすの? ▼
作るためです。
シリコーンに含まれる低分子成分が
揮発し、スイッチやリレーの接点に
付着すると、アーク放電などの熱で
硬化し、絶縁性の被膜(酸化ケイ素)
を形成します。これが通電を阻害し、
機器の動作不良を招きます。
Q4. 耐熱シリコーンは
なぜ赤茶色をしているの? ▼
含まれているためです。
シリコーンゴム自体の耐熱性を
さらに高めるための添加剤として、
古くから着色顔料でもある
「ベンガラ(酸化鉄)」が
配合されています。
これにより、高温環境下での
劣化スピードを抑制しています。

