結露で基板がショート?小型集塵機の故障原因と制御盤・電子機器を守る湿気対策

水滴が付着した基板と結露によるショートトラブルのイメージ
温度差が引き起こす基板ショートの落とし穴。

※本ページはプロモーションが含まれています

入れてもらった機械が、

止まってしまいました。

6台全部ですか?

6台中1台です。

休み明けには稼働させるので

早急に対応して下さい。

ということで、急いで伺ってきました。

止まった機械は、
クリーンルーム内で食品容器の、
表面を集塵する機械だったのですが、

止まった原因を調べてみると、

組み込んでいる

小型集塵機の動作不良だ!

と、すぐに分かりました。

なので、動作不良の原因である
集塵機を予備のものと交換して
ひとまず稼働させることにしました。

しかし、

原因が分からないと

同じことが起きるかもしれない!

と言うことで、調査開始です。

結論から先に述べますと

⚠️ 現場トラブルの真因

小型集塵機の動作不良の原因は……
「結露」による基板のショート
でした。

内部の温度差で発生する「見えない水分」
が、電子機器を破壊します。

🔍 今回のテーマ

「水気のないクリーンルーム」で、
「なぜ基板が濡れたのか?」

1台だけが沈黙した「真の理由」とは?
空気中の水分が牙を剥く
「結露のメカニズム」と
二度と停止させないための
「4つの現場対策」を徹底解説します。

【実録】なぜ1台だけ沈黙したのか?小型集塵機を襲った「結露ショート」の真相

今回搬入された機械に組み込んだ集塵機は、
新しいクリーンルーム工場を建てたので
既設のクリーンルーム工場で
納入実績があった
私に声をかけていただきました。

⚠️ 経験に潜む「死角」

既設工場と「全く同じ条件」の
リピート発注機……

「同じなら壊れるはずがない」
という完全な油断。

「前と同じ」という言葉が、
現場の判断を狂わせます。
わずかな環境変化が牙を剥く、
その一瞬を見逃していました。

急いで、集塵機メーカーに
確認してみると

以前と違うものを

吸っていませんか?

修理しても、

今回と同じ結果になるので、

先に原因究明して下さい。

という回答で、結論が出ません。
当然と言えば当然なんですけどね・・・。
その間、

6台中1台っておかしいな?

どうしよう、困ったな?

と考えていましたが
考えていてもしょうがないので

集塵機の中を見てみますね。

と言うことで、一度ばらして
中を見てみることにしました。

すると、

あれ?

なんで内部濡れてるの?

 

水分なんてないはず・・・

とりあえず調査結果をお客様に
報告することにしました。

全台停止の危機だった?「新設工場」という盲点に潜むリスク

小型集塵機の

内部が濡れていました。

水分吸いました?

と報告したところ、お客様から

最近、結露がひどかった!

空調のバランスが悪いのか

床など水たまりが出来ていた。

と、お話を伺うことが出来たので

多分、結露が発生したことで
中の基板が濡れてしまい

ショートしたのが原因です。

と報告し、集塵機の内部も見てもらい
結露が原因だと納得していただけました。

CRITICAL INSIGHT

本来、クリーンルームは
「24時間連続運転」が鉄則です。

しかし、新設ゆえの
「空調立ち上げの不安定さ」が
わずかな温度のムラを生み出しました。

その瞬間に生じた「結露」こそが、
集塵機を沈黙させた真犯人だったのです。

たまたま私が搬入した集塵機が、
トラブルを起こしましたが、
他の機械でも起こる可能性は、
十分にあったということです。

【徹底解説】わずか「4℃」の差で基板が濡れる?結露のメカニズム

目に見えない水分「露点」を数値で理解する

室内外問わずに温度差がある場所なら
どこでも、結露が発生する
可能性があります。

露点温度表から、
結露が発生する条件を計算してみると
以下の結果になりました。

結露の境界線(空気温度25℃の場合)
湿度(%) 発生する気温差(目安)
50% 約11℃
60% 約8℃
70% 約6℃
80% わずか 約4℃

※この「結露が始まる温度」のことを
 露点温度(ろてんおんど)と呼びます。

TECHNICAL DATA

湿度80%の環境下では、
「気温差わずか4℃」
でも結露は発生します。

「少し涼しい」と感じる程度の温度差が、
密閉された集塵機の中では、基板を濡らす
「致命的な水分」に変わるのです。

防水仕様すら無力化する「内側からの浸食」の恐怖

結露による被害は、腐食やカビといった、
目に見えるものだけでなく
防水・防塵対策がされている
電気機器等でも、

⚠️ 現場トラブルの真実

防水仕様の機器であっても、内側から
「水没」と同じ状態に陥ります。

● 絶縁性能の低下による回路のショート
● 銅箔の腐食やハンダの劣化による断線

外からの水は防げても、空気中の水分が
内部で液体化する「内なる敵」は防げません。

現場で即実践!基板と信頼を守り抜く「4つの湿気対策」

最後に集塵機メーカーに、

基板に防湿コーティングを

施してます?

と確認したところ

特に何もしていません。

と言う回答だったので、
修理依頼と防湿コーティング剤を
塗布してもらえるかを確認して、
一旦終了となりました。

今回のことで、
制御盤や基板への結露対策の
重要性を改めて感じました。

代表的な結露対策は
以下のようなものがあります。

スマホの方は左右にスライドしてご覧ください
対策商品 機能・概要
小型クーラー 強制除湿 盤内を冷却し、水分をドレンとして
外部へ強制排出。最も確実な対策。
ヒーター 結露防止 屋外や寒冷地用。盤内を温めて内外の
温度差を減らし、湿気を飛ばす。
防湿
コーティング
基板保護 基板上に特殊な薄膜を形成。万が一、
水滴が付着してもショートを防ぐ。
防湿シート 調湿管理 特定の湿度域で吸放湿。手軽に導入
でき、盤内の湿度環境を安定させる。

他、乾燥剤やエアパージなどもあります。

まとめ:見えない水分(結露)への対策が「現場の命」を守る

SUMMARY

「水気がない場所」こそ、
結露は牙を剥きます。
新設工場の不安定な空調や、わずか
4℃の温度差が、精密機器を沈黙させる
には十分な理由になるのです。

⚠️ 結露が原因の絶縁不良やサビは、
単なる故障に留まらず、「漏電火災」
という最悪の事態を招きかねません。
結露トラブルを防ぐ「現場の鉄則」

  • 環境を疑う: クリーンルームでも
    「立ち上げ時」や「扉の開閉」で
    露点温度は一気に変わる。
  • 先手を打つ: 基板コーティングや
    防湿シートなど、故障前の
    「1割投資」が「全損失」を防ぐ。
  • 実績を過信しない: リピート機
    であっても、設置環境の
    「今」のデータを再確認する。

「この対策で、もう止まらない!」
という確信を持って現場を回せるよう、
湿度の高い季節や新設案件の前には、
この記事を読み返してください。

正攻法の結露対策は、寿命を延ばし、
「休み」と「信頼」を守ります。

ゆういち

「結露」という見えない水分が
基板をショートさせるように、
組織もまた「見えない不調和」
が成長を止めてしまいます。

バラバラになった個を再び繋ぎ、
目的へと向かわせる改革の記録。
ぜひ覗いてみてください。

📖 【第1話】密室の甘い毒

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。