SDS(安全データシート)とは?読み方や記載項目、GHS分類を現場目線で分かりやすく解説

現場で役立つ化学物質安全データシートSDSマニュアルの簡単で分かりやすい解説

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以前購入した、
パーツクリーナーの
『MSDS』をもらえますか?

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MSDSは、平成23年まで
使われていましたが、

現在は、表示内容が
国際的に共通化され、
『SDS』と呼ばれています。

えっ!

そうなんですか。

じゃあ、
SDSをもらえますか?

分かりました。

メーカーさんに
依頼しておきます。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は、『SDS』について
簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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SDS(安全データシート)とは?基礎知識を5分で理解

そもそも、
『SDS』ってなんですか?

私の分かる範囲での
説明になりますが、
大丈夫ですか?

お願いします。

まず、
SDSはJIS規格で

3.24 安全データシート・SDS
(safety data sheet)

化学品について、化学物質、製品名、
供給者、危険有害性、安全上の
予防措置、緊急時対応などに関する
情報を記載する文書。
引用:JIS Z 7252-
   GHSに基づく化学品の分類方法

と定義されています。

どういうことですか?

つまり、SDSとは

Point

危険で有害な化学物質及び化学物質を
含む製品を取扱う上で、注意する点を
記した情報シートのことです。

 

なるほど。

適切に使用したり、
保管するための
文書なんですね。

でも、なんでSDSって
言うんですか?

それは、

Point

安全データシートの英語表記、
Safety Data Sheetの頭文字を
とった略称だからです。

 

だから、SDSなんですね。

そしてSDSは、

Point

国際連合で制定された『GHS』に
基づいた『JIS Z 7252 GHSに基づく
化学品の分類方法』及び『JIS Z 7253
GHSに基づく化学品の危険有害性情報の
伝達方法−ラベル、作業場内の表示及び
安全データシート(SDS) 』に
規定されています。

 

GHSってなんですか?

GHSはJIS規格で、

3.15 GHS
(Globally Harmonized System of 
Classification and Labelling of 
Chemicals)

国際連合経済社会理事会で合意された
“化学品の分類及び表示に関する
世界調和システム”。
引用:JIS Z 7252-
   GHSに基づく化学品の分類方法

と定義されています。

もう少し分かりやすく

教えてもらってもいいですか?

つまり、GHSとは

Point

化学物質及び化学物質を含む製品の
危険有害性を判定するため、
国際的に統一された規定のことです。

 

化学製品を安全に使用する
ための情報を記載した資料が、

『SDS』なんですね。

現場で迷わないSDS全16項目の読み方と確認ポイント

SDSの記載内容について

教えて下さい。

SDSの記載項目は、
JIS Z 7253の『7 SDSの
全体構成及びその内容』で

Point

JIS Z 7253に基づくSDSの全体構成

  1. 1化学品及び会社情報
  2. 2危険有害性の要約
  3. 3組成及び成分情報
  4. 4応急措置
  5. 5火災時の措置
  6. 6漏出時の措置
  7. 7取扱い及び保管上の注意
  8. 8ばく露防止及び保護措置
  9. 9物理的及び化学的性質
  10. 10安定性及び反応性
  11. 11有害性情報
  12. 12環境影響情報
  13. 13廃棄上の注意
  14. 14輸送上の注意
  15. 15適用法令
  16. 16その他の情報

の項目及びその情報を記載する。

と規定されています。

すべてのSDSに、
これらの項目の情報が
記載されているんですね。

そうです。

しかも、

Point

これらの項目の番号、項目名及び順序を
変更してはいけないと規定されています。

 

順番まで統一されて
いるんですね。

1.化学品及び会社情報

『1.化学品及び会社情報』
について教えて下さい。

パーツクリーナーのSDSを
例に説明していきます。

お願いします。

まず、
『1.化学品及び会社情報』
には、

SDS(安全データシート)の読み方と現場での活用方法を解説

現場で役立つSDSの読み方と活用術。

のように、

Point

製品名、会社名、住所、電話番号、
FAX番号、メールアドレス、
緊急時連絡先、推奨用途及び使用上の
制限などが記載されています。

 

2.危険有害性の要約

次は、
『2.危険有害性の要約』
について教えて下さい。

『2.危険有害性の要約』
には、

SDSの危険有害性の要約におけるGHS分類「区分1」「区分2」の意味と読み方

SDSの「2.危険有害性の要約」とは?

のように、GHSで分類された

有害性が記載されています。

『区分1』とか『区分2』
ってどういう意味ですか?

分類結果の内容は、

Point

分類結果の内容

※左右にスライドできます

分類 内容
区分1~4 数字が小さい方が危険・有害性が高い。
区分外 JISで規定する危険有害性区分のいずれの区分にも該当しない場合。
分類できない GHS分類を行うための十分なデータが得られなかった場合。
分類対象外 分類の対象になっていない場合。
 

となっています。

GHS総合情報提供サイト
参考:独立行政法人製品評価技術基盤機構 
   -化学物質管理

『区分1』には注意が
必要ですね。

次はGHSラベル要素ですが、

SDSに記載されるGHSラベル要素(絵表示・注意喚起語・危険有害性情報・注意書き)の一覧例

GHSラベル要素の記載例。

のような注意事項が書かれています。

絵表示やシンボル・注意喚起語・
危険有害性情報といった、
GHSラベル要素は、どうやって
決めているんですか?

参考資料として

Point

政府からGHS分類結果が、
公表されており、GHSに基づく
ラベルやSDSを作成する際に必要な
注意書き及びHコード、Pコード
などを確認することが出来ます。

 

GHS分類結果
参考:経済産業省

GHSによって、記載内容が
決められているんですね。

3.組成及び成分情報

次は、
『3.組成及び成分情報』
について教えて下さい。

『3.組成及び成分情報』
には、

SDS(安全データシート)第3項「組成及び成分情報」の記載例(単一化学物質・混合物の区別、成分名、CAS番号、含有量の表)

第3項「組成及び成分情報」の記載例。

のように、

Point

おおまかな組成や含有率・「記載が
義務付けられている危険有害性物質」
の成分情報などが記載されています。

 

表に載ってる『CAS No』や
『化審法番号』ってなんですか?

いずれも、化学物質を
特定するための番号で

Point

アメリカ化学会が発行しているものが、
『CAS登録番号』で、『化審法』
(化学物質の審査及び製造等の規制に
関する法律)に基づいて公表されている
整理番号が『化審法番号』です。

 

他にも

Point

『安衛法』(労働安全衛生法)に
基づいて公表されている
『安衛法番号』などもあります。

 

4.応急措置

次は『4.応急措置』
について教えて下さい。

『4.応急措置』には、

SDS(安全データシート)第4項「応急措置」の記載例(吸入・皮膚付着・目に入った場合・飲み込んだ場合の具体的な処置方法)

第4項「応急措置」の記載例。

のように、
従業員等が『ばく露』した時の
応急措置が記載されています。

ばく露ってなんですか?

ばく露とは、

Point

吸入したり、飲み込んだり、
触れるなどによって体の中に
入ってしまうことです。

 

へー。

SDSでは、ばく露した時に
適切な対応がとれるように
項目2および項目4に
まとめられています。

5.火災時の措置

次は『5.火災時の措置』
について教えて下さい。

『5.火災時の措置』には、

SDS(安全データシート)第5項「火災時の措置」の記載例(適切な消火剤・使ってはいけない消火剤・特有の消火方法・保護具の指定)

第5項「火災時の措置」の記載例。

のように、

Point

消火に使用する適切な消火剤や
使ってはいけない消火剤、
消化方法などが記載されています。

 

6.漏出時の措置

次は『6.漏出時の措置』
について教えて下さい。

『6.漏出時の措置』には、

SDS(安全データシート)第6項「漏出時の措置」の記載例(人体・環境への注意事項、具体的な除去方法、二次災害防止策)

第6項「漏出時の措置」の記載例。

のように、

Point

漏出した時の人体や環境に対する
注意事項や、必要な保護具・
緊急措置などが記載されています。

 

7.取扱い及び保管上の注意

次は、
『7.取扱い及び保管上の注意』
について教えて下さい。

『7.取扱い及び保管上の注意』
には、

SDS(安全データシート)第7項「取扱い及び保管上の注意」の記載例(換気、火気厳禁、静電気対策、直射日光を避けた密閉保管などの技術的対策)

第7項「取扱い及び保管上の注意」の記載例。

のように、

Point

安全に取扱うための注意事項や
適切な保管条件が記載されています。

 

8.ばく露防止及び保護措置

次は
『8.ばく露防止及び保護措置』
について教えて下さい。

『8.ばく露防止及び保護措置』
には、

SDS(安全データシート)第8項「ばく露防止及び保護措置」の記載例(設備対策、イソヘキサンやエタノールの管理濃度・許容濃度表、防毒マスクや耐油手袋などの保護具指定)

第8項「ばく露防止及び保護措置」の記載例。

のように、

Point

化学品のばく露による影響や
傷害が発生する可能性を、
最小限に抑えるために必要な
保護具が記載されています。

 

9.物理的及び化学的性質

次は
『9.物理的及び化学的性質』
について教えて下さい。

『9.物理的及び化学的性質』
には、

SDS(安全データシート)第9項「物理的及び化学的性質」の記載例(外観、臭い、引火点、自然発火点、溶解性などの物理的化学的特性データ一覧)

第9項「物理的及び化学的性質」の記載例。

のように、

Point

化学品の物理的及び化学的性質が
記載されています。

 

使用したり保管する場合に
性質を把握する必要がありますね。

10.安定性及び反応性

次は
『10.安定性及び反応性』
について教えて下さい。

『10.安定性及び反応性』
には、

SDS(安全データシート)第10項「安定性及び反応性」の記載例(化学的安定性、避けるべき条件:高温40℃以上・火気、混触危険物質:ハロゲン類・強酸類、危険有害な分解生成物データ)

第10項「安定性及び反応性」の記載例。

のように、

Point

化学的な安定性・避けるべき条件や
有害な物質が発生する条件などが
記載されています。

 

条件によっては、
有害物質が発生する
化学製品もありますもんね。

11.有害性情報

次は
『11.有害性情報』
について教えて下さい。

『11.有害性情報』には、

SDS(安全データシート)第11項「有害性情報」の記載例(急性毒性LD50データ、皮膚腐食性、眼への重篤な損傷性、発がん性・生殖毒性の区分判定)

第11項「有害性情報」の記載例。

のように、

Point

健康に対する有害性について
『2.危険有害性の要約』の
詳細情報が記載されています。

 

難しいことが
書かれていますね。

そうですね。

ただ、これも

GHSの分類結果に

記載されています。

NITE統合版GHS分類結果一覧
参考:独立行政法人製品評価技術基盤機構 
   化学物質管理センター-化学物質管理

文言がほぼ決まって
いるんですね。

12.環境影響情報

次は
『12.環境影響情報』
について教えて下さい。

『12.環境影響情報』
には、

SDS(安全データシート)第12項「環境影響情報」の記載例(オオミジンコやニジマスへの水生環境有害性データ、急性・慢性毒性区分、BOD分解度データ)

第12項「環境影響情報」の記載例。

のように、

Point

環境への有害性について、
『2.危険有害性の要約』の
詳細情報が記載されています。

 

これも、GHSの
分類結果に記載されて
いるんですか?

記載されています。

13.廃棄上の注意

次は
『13.廃棄上の注意』
について教えて下さい。

『13.廃棄上の注意』
には、

SDS(安全データシート)第13項「廃棄上の注意」の記載例(残余廃棄物の廃棄方法、汚染容器・包装の廃棄方法、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者への委託指示)

第13項「廃棄上の注意」の記載例。

のように、

Point

工場から出る産業廃棄物の、
安全で環境負荷が少ない
廃棄方法が記載されています。

 

14.輸送上の注意

次は
『14.輸送上の注意』
について教えて下さい。

『14.輸送上の注意』
には、

SDS(安全データシート)第14項「輸送上の注意」の記載例(国内規制の陸上輸送イエローカード緊急時応急措置指針番号126、海上・航空輸送の国連番号UN1950エアゾール指定、国際規制の容器等級や海洋汚染物質の該当性データ)

第14項「輸送上の注意」の記載例。

のように、

Point

輸送に関する国際規制や国内規制の
情報が記載されています。

 

国連危険物輸送勧告(TDG)
参考:独立行政法人-
   労働者健康安全機構-
   労働安全衛生総合研究

15.適用法令

次は
『15.適用法令』
について教えて下さい。

『15.適用法令』には、

SDS(安全データシート)第15項「適用法令」の記載例(消防法 第4類第1石油類、労働安全衛生法の表示・通知対象物質であるヘキサン・エタノール・ブタン、海洋汚染防止法などの該当性一覧)

第15項「適用法令」の記載例。

のように、

Point

消防法・安衛法・化管法(PRTR法)や
廃掃法など、化学製品に適用される
法令の名称や該当する法令に基づく
規制情報が記載されています。

 

16.その他の情報

最後に、
『16.その他の情報』
について教えて下さい。

『16.その他の情報』
には、

SDS(安全データシート)第16項「その他の情報」の記載例(JIS Z 7253:2019、JIS Z 7252:2019、NITEのGHS分類結果データベース、中央労働災害防止協会安全衛生情報センターなどの参考文献一覧)

第16項「その他の情報」の記載例。

のように、

Point

特定の訓練が必要な場合や、制約事項・
参考文献などが記載されています。

 

ただ、SDSは、

Point

危険有害な化学製品を安全に取扱う
ための参考資料であって、
安全保証書ではないので、十分に
ご注意して取扱ってください。

 

まとめ:SDSは安全を守るための「情報源」

『安全データシート・SDS』は、
化学物質および化学物質を含む製品情報の
危険有害性・安全な取り扱い・緊急時の
対応など情報を伝達するシートのことで、
『化学品の分類および表示に関する
世界調和システム(GHS)』に基づいて
作成されています。

ただし、SDSは化学物質および
化学物質を含んだ製品が原因で起こる
人の健康や環境に対する災害・事故の
防止や安全に取り扱うための情報を
提供する資料であって、安全性を証明
するための資料ではないので、
十分注意してご使用ください。


今は『古い会社を中から変える』
という挑戦の真っ最中です。
そのリアルなドタバタ劇を
物語にしてみました。
もしよかったら、
第1話だけでも覗いてみてください。

📖 【第1話】密室の甘い毒

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

よくある質問(FAQ)

Q1. SDSとMSDSは何が違うの?
A1. 基本的には同じものです。
以前は「MSDS(製品安全データ
シート)」と呼ばれていましたが、
現在はGHSに基づいた国際的な
表示内容の共通化に伴い、
「SDS(安全データシート)」と
呼ぶのが一般的になりました。
Q2. SDSがあれば安全が
保証されますか?
A2. いいえ、
安全保証書ではありません。

SDSは化学物質を安全に取り扱う
ための「情報源(参考資料)」です。
SDSに記載された注意点や
保護具の着用を守り、十分に
注意して取扱ってください。