CHECK この記事でわかること ▼ 開く
- ✔ 伸びたOリングのサイズ特定法:
ノギスを使った線径・内径の
測り方と、規格から正しい型番を
導き出す手順を解説。 - ✔ 現場で迷わない材質選定の早見表:
流体・温度・圧力から、NBR・
FKM・PTFE等、最適な材質を
即座に判断するための比較ガイド。 - ✔ トラブル再発を0にする対策リスト:
ねじれ、膨潤、はみ出し等の
不具合事例から、根本的な原因と
プロの改善ノウハウを共有。 - ✔ 国内主要規格一覧と選定ロジック:
P/G/AS568など、現場で
流通している規格の特徴を理解し、
生産を止めないための運用ルール。

Oリングが欲しいんですけど
サイズがありません。

特注ですか?

伸びただけだと思います。
AS568という規格に
近いサイズがありました。

材質は、ニトリルゴム 70°
(タイプA)でいいですか?

言い忘れてましたが、
白色です。
ニトリルゴムって白色ですか?

実績からPTFEの可能性が
高いと思われます。

念のため、サイズが近いものを
2種類用意します。

よろしくお願いします。
金額いくらですか?

価格調べたら、1本10,000円
程度します。
どうしますか?

えっ!!
そんなにするんですか・・・

必要なので購入してください。
というやりとりがありました。
今回は、Oリングの規格や材質を
紹介していきたいと思います。
【初心者向け】Oリングの仕組みと「なぜ漏れないのか」の理由
Oリングとは、押しつぶすことで
発生する反発力を利用して、
装置内部の流体が、外に漏れるのを
防ぐために使用する、
シール材のことを言います。
取り付け方法は、
どのパッキンよりも簡単で
誰でも同じように
取り付けすることができます。
使い方は、一般的に溝にはめ込み
適切な圧力を与えることで
反発力が発生します。
その反発力を利用してシールします。
【サイズ特定】伸びたOリングもこれで解決!主要規格一覧と正しい選び方
Oリングのサイズは、
線の太さから規格を推理し、
内径から品番や型式などを
決めていく手法が
一般的で楽だと思います。
下記に、日本国内で、流通している
主要なOリング規格と用途を
まとめました。
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| 規格名称 | 用途・特徴 |
|---|---|
| P規格 | 運動用・円筒面固定用・平面固定用 |
| G規格 | 円筒面固定用・平面固定用 |
| V規格 | 真空フランジ用 |
| S規格 | 線径が細い、円筒面固定用・平面固定用 |
| SS規格 | 最も小さいOリングサイズ、円筒面固定用・平面固定用 |
| AS568規格 | 航空機用・油圧用・管継手用 |
| JASO F404規格 | 自動車部品用 |
【失敗しない】環境に合わせたOリング材質の選び方|早見表付き
Oリングは、使用用途・使用温度範囲・
使用圧力・流体によって材質を
決める必要があります。
適合できなければ、
- 溶けて漏れる
- 熱による劣化
といった、トラブルが発生しますので
ご注意ください。
◀ 左右にスライドできます ▶
| ゴムの種類 | 用途・特徴 |
|---|---|
| ニトリルゴム(NBR) | 耐油・耐摩耗性があり、空・油圧用の標準材質。 |
| スチレンブタジエンゴム(SBR) | エチレングリコール・ブレーキ油などの動・植物油用の材質。 |
| シリコーンゴム(VMQ) | 家電製品や飲食料品周りで使用されている。 |
| フッ素ゴム・バイトン(FKM) | 優れた耐油・耐熱・耐薬品性を持ち、ガスバリア性にすぐれている。 |
| アクリルゴム(ACM) | ニトリルゴムより耐熱・耐油性があるエンジン油・ギア油用の材質。 |
| クロロプレンゴム(CR) | 耐候・耐フロンガス性にすぐれた材質。 |
| エチレンプロピレンゴム(EPDM) | 水回り、ブレーキ油やクーラント液などで使用されている。 |
| ブチルゴム(IIR) | 耐薬品・耐水・耐ガス透過性にすぐれた材質。 |
| ウレタンゴム(U) | 耐摩耗性・高強度にすぐれた材質、高圧力用途で使用。 |
| フッ素樹脂(PTFE) | 耐熱・耐薬品・非粘着性に優れている。ただし、弾性はない。 |
| パーフロ(FFKM) | 耐熱・耐薬品・耐溶剤性が非常にすぐれている、半導体産業で使用。 |
| フロロシリコーン(FVMQ) | シリコーンゴムの優れた耐熱・耐寒性と耐油・耐燃料性に優れた材質。 |



【プロ直伝】Oリングの漏れ・破損原因と、再発を防ぐ「決定版」対策リスト
Oリングは、使用環境や使用方法
保管方法、溝寸法などの不良によって
破損します。
Oリングの不具合事例と原因・対策を
紹介しますので、
漏れた時や漏れる前の対策の参考に
利用してください。
◀ 左右にスライドできます ▶
| 不具合事例 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ねじれ | ・摺動が速い ・偏心運動 ・摺動面の仕上げ不良 ・ねじれたまま装着 |
・摺動面の改善 ・装着方法の改善 ・リップパッキンに変更 ・偏心運動をなくす |
| 硬化 | ・限界温度を超えた ・耐薬品性能が低かった |
・温度を下げる ・材質の見直し |
| 膨潤(軟化) | ・流体とゴム材質があっていない ・燃料油で洗浄 |
・材質の見直し |
| へたり | ・潰しすぎ ・耐熱温度を超えた ・溝寸法が狭い |
・材質の見直し ・溝寸法の変更 |
| はみ出し | ・圧力・溝・硬さが合っていない ・膨潤 |
・材質・硬度の見直し ・溝部の見直し ・バックアップリングの利用 |
| むしれ・かじり | ・装着不良 ・溝の寸法不良 |
・取付部の面取りの見直し ・装着方法の改善 ・溝寸法の見直し |
| オゾン劣化 | ・耐候性が低かった | ・材質の見直し ・保管方法の改善 ・表面にグリスなどを塗布 |
| 傷 | ・装着不良 | ・装着方法の改善 |
| 摩耗 | ・潤滑不足 ・異物混入 ・摺動面が粗い |
・摺動面の改善 ・潤滑をよくする ・異物の除去 |
まとめ:現場でのトラブルを未然に防ぐために
Oリングは、断面がO形(円形)の
環状パッキンです。
適度に圧縮させて
油・水・空気・ガスといった
多種多様の流体を
シールするのに使用します。
Oリングは、
押しつぶすことによって発生する
反発力を利用して
密封機能を発揮します。
異常な変形を起こさず、
適度な反発力を持つ合成ゴムが
最も適していますが
用途によってさまざまな材料を
使い分ける必要があります。
様々な使用条件に適応した
Oリングを選定して使用してください。

今は『古い会社を中から変える』
という挑戦の真っ最中です。
そのリアルなドタバタ劇を
物語にしてみました。
もしよかったら、
第1話だけでも覗いてみてください。
ありがとうございました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 伸びたOリングのサイズは
特定できる? ▼
特定可能です。
Oリングが伸びると、体積保存の
法則により断面(線径)はわずかに
細くなります。しかし、市販の規格
サイズは段階的に決まっているため、
測定した線径に最も近い規格値を
探すことで、本来のサイズを
論理的に特定できます。測定時は
無理に引っ張らず、自然な状態の
数箇所を計測するのがコツです。
Q2. 材質の選び方が
わからない時は? ▼
基準に判定します。
まずは流体が何であるか(油、水、
薬品など)を特定し、その温度範囲
に耐えられる材質を選びます。
迷った場合は、記事内の
「材質比較表」を確認し、最も条件
に近いものを選定してください。
環境が特殊な場合は、安全を
優先してメーカーへ問い合わせる
ことも重要です。
Q3. Oリングから漏れが
発生した!どうすればいい? ▼
特定してください。
単なる経年劣化か、ねじれや
はみ出しといった「物理的な不具合」
かを観察してください。
原因を突き止めず新品に交換しても、
同じ環境ではまたすぐに漏れます。
まずは不具合事例リストと
照らし合わせ、材質や溝寸法の
見直しが必要か確認しましょう。
Q4. なぜOリングは漏れないの? ▼
密閉効果のためです。
適切な溝に押しつぶして装着する
ことで、ゴムが元の形に戻ろう
とする「反発力」が発生します。
この力がシール面の隙間を
物理的に塞ぎ、流体の流出を
防いでいます。この反発力を
維持できる環境(温度・硬度)を
守ることが、シール性能の
基本となります。
