エアコンビネーションの役割。FRLユニット・ルブリケータの必要性

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写真と同じものが

ほしいんですけど

大丈夫ですか?

結構古いものですね。

現行型式のものなら

用意できますよ。

じゃあ、
それでお願いします。

ところで、

『ルブリケータ』って
使ってますか?

ルブリケータって

なんですか?

ルブリケータは、

機器や配管などに潤滑油を

供給する装置です。

使ってないと思います。

それなら、

ルブリケータのない

『フィルター・レギュレータ』
のセットで十分だと思います。

それでお願いします。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は、『エアコンビネーション』
について、簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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エアコンビネーションとは

そもそも

『エアコンビネーション』
ってなんですか?

私の分かる範囲での

説明になりますが

大丈夫ですか?

よろしくお願いします。

エアコンビネーションは、

Point

『フィルタ』『レギュレータ』
『ルブリケータ』を組み合わせた
セット品のことを指します。

 

セット品だから

エアコンビネーション

って言うんですね。

他にも

Point

『エア3点セット』や機器の
イニシャルをとって『FRLユニット』
とも呼ばれています。

 

空気圧機器の

3点セットって
エアコンビネーション

のことだったんですね。

エアコンビネーションは、

なぜ必要なんですか?

一般的に、

Point

産業機械に使用されるコンプレッサ
からの圧縮空気は、エアドライヤなどの
空気清浄化機器で、異物や水分・油分を
除去してからラインに送ります。

 
 

じゃあ、

エアコンビネーションを

使う必要ないですよね?

ただ、

Point

末端の空気圧機器までの配管長さや
条件によっては、配管内部に結露が
発生し、機器トラブルの原因になる
可能性があるんです。

 

結露によって、水滴や

サビが発生する可能性が
あるから、異物を除去する
必要があるんですね。

しかも、

Point

機器に応じた圧力を設定する必要が
あるので、エアコンビネーションが
必要なんです。

 

空気圧装置の前に設置し、
トラブル防止や圧力設定など
正常に動作させる目的で
使用されるんですね。

エアコンビネーションとは
  • エアコンビネーションとは、
    『フィルタ』『レギュレータ』
    『ルブリケータ』を組み合わせた
    セット品のこと。

  • 『エア3点セット』や
    機器のイニシャルをとって
    『FRLユニット』とも
    呼ばれている。

  • コンプレッサからの圧縮空気は、
    エアドライヤなどによって、
    異物や水分・油分を除去してから
    ラインに送る。

  • 圧縮空気への異物混入防止や
    機器に応じた圧力を設定する
    必要があるので、
    エアコンビネーションが必要。

 

エアフィルタの役割

エアコンビネーション
最初の『エアフィルタ』
について教えて下さい。

分かりました。

エアフィルタは、

JIS規格で

6339 空気圧フィルタ
<空気圧>圧縮空気中にある固体
及び液体の汚染物質を除去し、
捕捉する機器。
引用:JIS B 0142-
   油圧・空気圧システム及び機器−用語

と定義されています。

エアフィルタは、

圧縮空気や配管内に

発生した水滴やゴミ・
サビなどを除去するために
使用するんですね。

でも、どうやって
除去するんですか?

一般的に

Point

遠心力を利用してゴミやサビなどの
異物や水滴・油滴を分離する方法が
採用されています。

 

ちょっと良く
分からないです。

まず、

Point

入口に入った圧縮空気を
ディフレクタ(ルーバー)で
旋回させ、遠心力を利用して
重量の重い異物を分離します。

 

サイクロン式掃除機
みたいに、空気と異物を
分離させるんですね。

その後、分離された水滴や
油滴などの重い異物は、
ケースの内壁を伝って
ケース下部にたまります。

ケースに溜まった

水滴や油滴などの
ドレンを排出するには
どうすればいいですか?

ケースに溜まった
ドレンを排出するには、

Point

ドレンコックを手動で操作して
排出する手動排出タイプと
ドレンが一定量溜まると排出される
自動排出タイプ(オートドレン)の
2種類があります。

 

エアフィルタ
参考: 2-3.空気圧調整ユニット-
    CKD株式会社

ところで、

遠心分離できなかった

重量の軽い異物は、

どうなるんですか?

重量の軽い異物を
含んだ圧縮空気は、

Point

フィルタエレメントと呼ばれる
『ろ材』を通過させ、異物を
除去してから出口側に送ります。

 
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フィルタエレメントでは、
どれくらいの大きさの
異物が除去できるんですか?

一般的な

Point

フィルタエレメントのろ過精度は、
5μmと言われています。

 

5μmより微細な異物を

除去したい場合は、

どうしたらいいですか?

5μmより微細な異物を
除去したい場合は、

Point

ミストセパレータ(0.3μm)や
マイクロミストセパレータ(0.1μm)
を使い除去します。

 

除去する異物の大きさに
よって、使い分ける
必要がありますね。

 
エアフィルタの役割
  • エアフィルタは、圧縮空気や
    配管内に発生した異物を
    除去するために使用する。

  • 一般的なエアフィルタは、
    遠心力を利用して、ゴミや水滴・
    油滴などの異物を分離する。

  • ケースに溜まったドレンを手動で
    排出する手動排出タイプと
    ドレンが一定量溜まると排出される
    自動排出タイプの2種類がある。

  • 軽い異物を含んだ圧縮空気は、
    フィルタエレメントを通過させ、
    異物を除去し出口側に送る。

  • フィルタエレメント(5μm)より
    微細な異物を除去する場合は、
    ミストセパレータ(0.3μm)や
    マイクロミストセパレータ
    (0.1μm)を使い除去する。

 

レギュレータの役割

では、『レギュレータ』
について教えて下さい。

レギュレータは
『減圧弁』とも呼ばれ
JIS規格では、

4409 減圧弁
<空気圧>
入口圧力又は出口流量が変化しても、
入口圧力より低い範囲で出口圧力を
ほぼ一定に保つ圧力制御弁。
引用:JIS B 0142-
   油圧・空気圧システム及び機器−用語

と定義されています。

レギュレータは、
圧縮空気を用途に応じた
圧力に下げ、安定させる
機器なんですね。

 

どうやって

圧力を下げるんですか?

一般的な
レギュレータは、
直動式と呼ばれ

Point

「調圧ノブ」「調圧スプリング」
「ダイヤフラム」「弁シート」
によって構成されています。

 

ふむふむ。

まず、

Point

調圧ノブを回転させると、
調圧スプリングが圧縮され
弁シートが開き、圧縮空気が流れます。

 

そして、

Point

設定圧力に達すると、ダイヤフラムが
弁体を押し上げ、弁シートを閉じ
圧力調整が終了します。

 

レギュレータ(減圧弁)
参考: 2-3.空気圧調整ユニット-
          CKD株式会社

弁シートが閉じると

圧縮空気は
流れないですよね。

なので、

Point

シリンダが動いたり、エアブローで
エアが消費されると出口側の圧力が
下がるので、弁体が開きエアーが
供給されるようになります。

 
 

機器を使うことで、

圧縮空気が流れ
続けるんですね。

他には、
大口径の時に多用される
パイロット式もあります。

へー。

出口側が設定圧力以上に
なってしまった時は、
どうしたらいいですか?

もし、

Point

何らかの原因で出口側の圧力が、
設定より高くなってしまった場合、
ダイヤフラムが押し上げられ、
リリーフ弁が開き大気に放出します。

 

じゃあ、

安心ですね。

ただ、

Point

外部へ排気したくない場合は、
リリーフ弁がないノンリリーフ式も
あるので、必要に応じて
選択してください。

 

分かりました。

緻密なテンション
コントロールなど
精密な制御をしたい場合

どうしたらいいですか?

レギュレータは、

Point

±0.05Mpaの汎用タイプが
一般的ですが、高精度な圧力制御が
必要な場合には、±0.01Mpaの
精密タイプが使用されています。

 
レギュレータの役割
  • レギュレータは、圧縮空気を
    用途に応じた圧力を下げ、
    安定させる機器。

  • 一般的なレギュレータは、
    直動式と呼ばれ「調圧ノブ」
    「調圧スプリング」「ダイヤフラム」
    「弁シート」によって構成される。

  • 調圧ノブを回転させると、
    調圧スプリングが圧縮され
    弁シートが開き、
    圧縮空気が流れる。

  • 設定圧力に達すると、
    ダイヤフラムが弁体を
    押し上げ、弁シートを閉じ
    圧力調整が終了する。

  • シリンダが動いたり、エアブローで
    エアが消費されると出口側の圧力が
    下がるので、弁体が開きエアーが
    供給される。

  • 出口側が設定圧力より
    高くなった場合、ダイヤフラムが
    押し上げられ、リリーフ弁が開く。

  • 高精度な圧力制御が必要な場合は、
    精密タイプが使用される。

 

ルブリケータの役割

最後は『ルブリケータ』
について、教えて下さい。

ルブリケータは、
JIS規格で

6349 ルブリケータ
<空気圧>油を霧状にして空気の
流れに自動的に送り込む、
空気圧機器への給油機器。
引用:JIS B 0142-
   油圧・空気圧システム及び機器−用語

と定義されています。

霧状にした潤滑油を

圧縮空気に混入させて、
空気圧機器の摺動部に
供給するんですね。

ルブリケータ
参考: 2-3.空気圧調整ユニット-
    CKD株式会社

そうなんです。

ただ、
最近の空気圧機器は、

Point

あらかじめグリースが封入された
無給油タイプが普及してきたので
必ずしも給油の必要がありません。

 

なるほど。

 

無給油タイプだと
ルブリケータの
必要がないから
フィルタ・レギュレータで
十分なんですね。

とはいえ、

Point

無給油タイプでも、製品寿命を延ばす
目的で給油することも可能です。

 
 

一度でも給油してしまった
機器は、給油し続けないと

いけないんですね。

ルブリケータを

使用するときは、

Point
  • 潤滑油の種類。
  • 機器の近くに取付ける。
  • 簡単に調整できる位置に取付ける。

などに注意して取り付けて下さい。

 

分かりました。

ルブリケータの役割
  • ルブリケータは、霧状にした
    潤滑油を圧縮空気に混入させて、
    機器の摺動部に供給する機器。

  • 最近は、グリースが封入された
    無給油タイプが普及してきたので、
    必ずしも給油の必要がない。

  • 無給油タイプでも、製品寿命を
    延ばす目的で給油することも可能。

  • 一度でも給油してしまうと、
    封入されたグリースが流れるので、
    給油し続ける必要がある。

  • ルブリケータを使用するときは、
    「潤滑油の種類。」
    「機器の近くに取付ける。」
    「調整できる位置に取付ける。」
    などに注意する。

 

まとめ

エアコンビネーションは、使用機器の
トラブル防止や圧力設定に使用され、
3点セットやフィルタ・レギュレータ・
ルブリケータのイニシャルの頭文字を
とって、FRLユニットとも呼ばれています。

ただ近年では、機器の耐久性が
向上したこともあり、無給油機器が
一般的になってきました。

これにより、ルブリケータを使用しない
フィルタ・レギュレータ(FRユニット)の
使用が増えています。

しかも近年、装置側に要求されている
空気の清浄度も高くなっているので
油分除去フィルタを組み合わせた
フィルタ・ミストセパレータ・
レギュレータのエアコンビネーション
などもあるので、装置に合わせて
選定して下さい。

ありがとうございました。