グリース潤滑とは？シリコーン・モリブデン・リチウムの特徴と選び方

グリースは、

• 基油（ベースオイル）
• 添加剤
• 増ちょう剤

で、出来ています。

そうです。

グリースは、ゲル状の為、

流れ落ちることがありません。

潤滑したい箇所に

適量塗っておけば良いので

頻繁に給油をする必要がない！

という、

メリットがあります。

ただし、

油潤滑より冷却能力は低いので

高速回転などでは発熱しやすい！

という、

デメリットがあります。

増ちょう剤は、基油の中で

網目構造を形成します。

分かりやすく言うと

スポンジのような構造になる
という感じです。

その網目に油が入り込み

貯蔵してくれます。

そうです。

しかも、油の余分な流失を

防いでくれます。

増ちょう剤の量で

グリースの硬さを調整します。

ちょう度範囲の数字が
大きいほど粘度が低い、
柔らかいグリースになります。

ベアリングやギアといった

一般的な潤滑には、

2号が多く使用されています。

グリースを選定する場合は、

負荷や速度を基準にします。

相反する選定基準の場合は、

申し訳ないですが、

試行錯誤して

適正なグリースを見つける

しか方法がありません。

増ちょう剤は、大きくわけて

• 石けん系
• 非石けん系

があります。

石けんと言っても

金属石けん

と言われるものです。

石けんの種類は、

• 石けん：
  高級脂肪酸+アルカリ金属
• 金属石けん：
  高級脂肪酸+非アルカリ金属

に、分けることが出来ます。

違いの認識は、

• 石けんは、水に溶ける
• 金属石けんは、水に溶けない

という程度でいいと思います。

具体的な例を挙げると

リチウムグリースの増ちょう剤が
リチウム石けんです。

もともと、金属石けん系は、

ナトリウムやカルシウム・

アルミニウムなどで

グリースが作られていました。

ただ、各々微妙に性能が違うので

使い分ける必要がありました。

リチウム石けんグリースは、

耐熱性・耐水性・機械的安定性

に優れているので、
他の石けんグリースに変わって

使用されるようになってきました。

日本では石けん系グリースの

50％以上がリチウムグリース

と言われており、

他の石けん系グリースは、

だんだん減ってきています。

複合石けんは、

耐高温化を目的として

金属石けんに、

有機酸塩や無機酸塩を

配合したものです。

非石けん系は、

石けん系と比べて融点が高いので
高温用として使用されます。

基油には、

• 鉱油
• 合成油

があります。

グリースのほとんどは、

鉱油が使用されています。

鉱油は、合成油より

安く手に入りやすい油で

グリースの基油としての性能を、
ほぼ満足しているからです。

合成油は、

低温性・耐熱性・低トルク・

長寿命のような特殊用途に

使用します。

代表的な基油です。

グリースの性能は、
基油の役割が大きいので

基油の性能を知っておくと

良いです。

グリースも潤滑油と同様に

• 酸化防止剤
• 腐食防止剤
• さび止め剤
• 極圧剤
• 油性向止剤
• 構造安定剤
• 固体潤滑剤

といった添加剤が配合され

性能を向上させています。

固体潤滑剤の一つが

モリブデンです。

そうです。

実は、モリブデン配合

リチウムグリースなんです。

モリブデンは、
耐摩耗性や耐荷重性能を

上げる為に使用されます。

極圧耐性を上げる

固体潤滑剤には、

• モリブデン
• グラファイト
• PTFE

等があります。

グリースは、
冷却能力が低いので
ベアリングの給脂は、
一般的に空間容積の
30~40％と言われています。

ただし、

温度上昇がないような場合は、

異物混入防止のために、

空間容積の70％~100％

でも良いです。

基本的に、

機械メーカーの

指示や取説に従って

給脂を行ってください。

集中給脂は、

ちょう度番号0~1のような

比較的柔らかいもので

行ってください。

集中給脂の注意点は、

違う種類のグリースを入れると

性質が変化するので
注意して下さい。

耐熱性・長寿命性に

優れたグリースに変えて下さい。

基油の種類によっては、

ゴムや樹脂を劣化させる

原因になるので

確認してから使用して下さい。