何気にワッシャーを
横から見ていたんですが、
角がある面と無い面が
あるんですね。
ありますね。
丸みがある面が表
角があって多少バリが
ある面が裏
と言われています。
取付ける向きって
決まっているんですか?
特に向きが決まっている
と言う訳ではありません。
決まってないんですね。
ただ、広い面積で
押さえたほうが、ボルトの
締め付けによる陥没や
陥没によるゆるみ等の
リスクが低くなります。
では、角がある方を
素材側に向けたほうが
良いということですね。
実は、そうとも言えなくて
角がある面のバリによって
素材をキズつけてしまう
というデメリットもあります。
なるほど・・・。
そういうことも
ありえるんですね。
なので、メーカーさんは、
塗装剥がれやキズを
嫌がって、丸みがある面を
素材側にしているところが
多いと聞きます。
どちらが正しいという
訳ではないんですね。
そうなんです。
それぞれの会社さんの
考え方によります。
なるほど・・・。
ワッシャーのこと、
何にも知らなかったです。
当たり前のように
ついてますからね。
何も考えずに
使っている人は、意外と
多いのかも知れません。
ワッシャーについて、
教えてもらっても
いいですか?
私の知っている
範囲でよければ
いいですよ。
お願いします。
という、やりとりがありました。
今回は、座金・ワッシャーについて
簡単にわかりやすく
紹介していきたいと思います。
座金・ワッシャーの種類と違い
ところで、ワッシャーは
どういうときに
使っていますか?
特に何も考えずに
今までついていたので
そのままつけています。
なるほど・・・。
しかも、紛失した場合は、
ワッシャーをつけずに
ボルトだけで固定する
時もあります。
ただ、ワッシャーを
つけなくても問題に
なった事はありません。
そもそも、ワッシャーって
何のためにつけるんですか?
ワッシャーは、
座金とも呼ばれており
JIS B 0101にて座金は、
小ねじ、ボルト、ナットなどの座面と
締付け部との間に入れる部品。
形状、機能、用途などによって
色々な種類がある。
引用:JISB0101:2013 ねじ用語
と定義されています。
座面って何ですか?
座面とは、
ねじやナットを締めつける時に
直接、力を受ける面のことを
いいます。
ねじであれば頭の裏側、
ナットであれば、
締付け部材側が接触する面
ということですね。
そうです。
座金のことを英語で、
ワッシャーと言うんですね。
そうなんです。
ワッシャーと座金は
同じ意味なんです。
また、座金には
色々な種類があり
- 平座金
- ばね座金
- 歯付き座金
- 舌付き座金
- 爪付き座金
等があります。
ワッシャーにも、
たくさん種類が
あるんですね。
そうなんです。
平座金は、
一般的にワッシャーと言われている
平板状の座金のことを言います。
外形は、丸・片面取りした丸・
四角などがあり、特に四角形のものは
『角座金』と言われています。
ワッシャーって
丸だけではないんですね。
そうなんです。
ちなみに、
ばね座金は、
スプリングワッシャーとも
言われており、コイル状の
座金のことを言います。
スプリングワッシャーは
知っています。
ばね座金とも言うんですね。
他にも
ばね座金には、
- 皿状の、ばね作用を持つ座金
『皿ばね座金』 - ばね座金を波形に曲げた
『波形ばね座金』
等があります。
へー。
そうなんですね。
歯付きや舌付き
爪付きってどんな座金
なんですか?
歯付き座金は、
内側・外側に等間隔に歯が付いた
座金のことを言い、歯の
ばね作用と食い込みによって
回り止めの役割をします。
舌付き座金は、
丸い座金の一部から、突き出た
舌のような部分を折り曲げて
ナットに巻き付けて
回り止めとして使用します。
爪付き座金は、
爪状の突起物を折り曲げて
回り止めとする座金のことを
言います。
色んな種類の座金が
あるんですね。
目的に合わせて
選んで下さい。
-
ワッシャーは、座金とも
呼ばれている。 -
座金は、JIS B 0101にて
『小ねじ、ボルト、ナットなどの
座面と締付け部との間に入れる
部品。』と定義されている。 -
座面とは、ねじやナットを
締めつける時に直接、
力を受ける面のことを指す。 -
座金には、平座金・ばね座金・
歯付き座金・舌付き座金・
爪付き座金等がある。 -
平座金は、平板状の座金のことを
言い、丸以外にも『角座金』と
言われる四角形のものがある。 -
ばね座金は、スプリングワッシャー
とも言われており、
コイル状の座金のことを言う。 -
歯付き座金は、内側・外側に
等間隔に歯が付いた
座金のことを言う。 -
舌付き座金は、丸い座金の
一部から、舌のような部分が
突き出た座金のことを言う。 -
爪付き座金は、爪のような部分が
突き出た座金のことを言う。
平座金の役割と種類
平座金の役割って
なんですか?
平座金の役割には、
- 部材へのめり込み防止
- 損傷防止
等があります。
確かに、ねじだけで
締めつけた時、
部材にめり込んだ
ことがあります。
なぜ、めり込んで
しまうんですか?
それは、
ねじを締めた時
座面が小さいと座面の面圧が
大きくなるので、面圧に負けて
座面がめり込んでしまうんです。
めり込んでしまうと、
ゆるみの原因になってしまうので
面圧を小さくしてめり込みを
防止する必要があります。
座金を入れると、
座面が大きくなるので、
面圧が分散されて
座面の陥没を
防いでくれるんですね。
そうなんです。
なので、
長穴やねじ穴が大きいと
座面の接触面積が小さくなるので、
平座金が有効に働いてくれます。
なるほど・・・。
そういえば、
平座金って色んな
サイズがありますよね?
平座金は、一般的に
旧JISと新JISの規格品があります。
しかもそれぞれに、
- みがき丸
- 小型丸
があります。
どの規格が一番多く
使われているんですか?
現在、流通しているサイズは、
旧JISの『みがき丸』が
多いみたいですが、
今後は、新JISが増えてくると
思います。
参考:平座金(ワッシャー)
宇都宮螺子株式会社
とはいえ、
よほどのことが無い限り
新JIS・旧JISを使い分ける
事はないと思います。
なぜですか?
旧JISと新JISの寸法の
違いが微妙だからです。
気にならない程度
ということですね。
ところで、
樹脂やゴムなど
金属以外のワッシャーを
見かけますが
あれはなんですか?
樹脂やゴムは、
電気絶縁や気密性の向上を目的に
使用されます。
また、樹脂やゴム以外にも
アルミ・銅などの柔らかい金属を
使って気密性を高めたりもします。
用途に合った
ワッシャーを選定する
必要があるんですね。
-
平座金の役割には、
部材へのめり込み防止・
損傷防止等がある。 -
ねじを締めた時に
座面が小さいと座面の面圧が
大きいので、面圧に負けて
座面がめり込んでしまう。 -
ねじがめり込んでしまうと、
ゆるみの原因になるので
面圧を小さくしてめり込みを
防止する必要がある。 -
長穴やねじ穴が大きい場合など
座面の接触面積が小さくなるので
平座金が有効になる。 -
樹脂やゴムの平座金は、
電気絶縁や気密性の向上を
目的に使用される。 -
アルミ・銅などの柔らかい金属を
使って気密性を高めたりもする。
ばね座金・スプリングワッシャーの役割
スプリングワッシャーの
役割を教えて下さい。
スプリングワッシャーは、
ばね座金とも呼ばれており
- ゆるみ止め
- 脱落防止
を目的として使用されます。
なぜ、ゆるみ止めに
なるんですか?
ばね座金を
座面と締め付ける部材の間に
挟み込むことで、
ばねの力を利用してねじを
ゆるみにくくします。
なるほど。
ただし、
ばね座金のみで締め付けると
部材を傷つけるので
平座金と併用して使用される
ことが多いです。
その形で締め付けられて
いるのをよく見ます。
ただし、ゆるみ防止が
目的なので
頻繁に組立・分解を繰り返す部分には
あまり向いていません。
言われてみると、確かに、
意味ないですもんね。
そうなんです。
そういえば、以前、
スプリングワッシャーに
ゆるみ止めの効果がない
と聞いたことがあります。
本当は、どうなんですか?
たしかに、
そういう話もありますね。
ただ、私は
全くばね座金が不要だとは思いません。
ただし、使用する条件によっては
全く意味がないとも思っています。
どういうことですか?
たとえば、
振動や変動荷重・曲げ・温度変化
といった、過酷な条件下では
ねじは、ゆるみやすくなります。
確かに、振動でナットが
ゆるんだことがあります!
なので、
ばね座金をつければ、
『どの条件でも絶対にゆるまない』
というわけではないので、
注意が必要です。
定期的にねじが
ゆるんでいないか
チェックする必要が
ありますね。
そうですね。
『ねじはゆるむもの。』
だと思って下さい。
第4話 座金の役割って何?
参考:鍋屋バイテック会社
-
スプリングワッシャーは、
ばね座金とも呼ばれていて
ゆるみ止め・脱落防止を
目的として使用される。 -
ばね座金を座面と締め付ける
部材の間に挟み込むことで、
ばねの力を利用してねじを
ゆるみにくくする。 -
ばね座金は、頻繁に
組立・分解を繰り返す部分には
あまり向いていない。 -
振動や変動荷重・曲げ・温度変化
といった、過酷な条件下では
ねじは、ゆるみやすくなる。 -
ばね座金をつければ、
『絶対にゆるまない』
ということではない。
ゆるみ止めの方法とは?
定期的にゆるみがないか
チェックするとして
どうしても、ゆるんで
ほしくない場所には、
どうすればいいですか?
座金以外の
ゆるみ止めに、
- ゆるみ止めナット
- ダブルナット
- 接着剤
- ウェッジロックワッシャー
等があります。
ゆるみ止めナット
について教えて下さい。
ゆるみ止めナットは、
ばね作用や摩擦・偏芯などを利用して
緩みを防ぐナットです。
使用する素材によっては
高温で使用できないなど
注意が必要です。
では、ダブルナットとは
なんですか?
ダブルナットは、
2つのナットを使い、
ナットとナットの接触面に摩擦力を
発生させることで、回転しにくくなり
ゆるみを防ぎます。
ただし、作業者の技術や
知識が必要です。
間違った使い方だと
意味がないんですね。
では、接着剤について
教えて下さい。
接着剤と言っても
ねじゆるみ止め用接着剤のことで
ねじ山に接着剤を塗布し
締めるだけです。
ただし、
様々な特性をもった
接着剤があるので
用途に合わせて
選定する必要があります。
最後に、
ウェッジロックワッシャー
について教えて下さい。
ウェッジロックワッシャーは、
2枚1組のワッシャーで構成されていて
ギザギザの面同士を向かい合わせに
使用することで、物理的にゆるまなく
するものです。
聞いたことあります。
結構、初期費用が
高くなるんですよね。
正直、
ゆるみ止めに
決まった方法や使い分けは、
ありません。
使用用途・使用場所・価格などから
総合的に判断する必要があります。
なぜボルトは緩むのか
参考:株式会社ノルトロックジャパン
-
座金以外のゆるみ止めに、
ゆるみ止めナット・
ダブルナット・接着剤・
ウェッジロックワッシャー
等がある。 -
ゆるみ止めナットは、
ばね作用や摩擦・偏芯などを
利用して緩みを防ぐナット。 -
ダブルナットは、2つのナットを
使い、ナットとナットの接触面に
摩擦力を発生させることで、
回転しにくくなり、ゆるみを防ぐ。 -
ねじゆるみ止め用接着剤は、
ねじ山に接着剤を塗布し
ねじを締める。 -
ウェッジロックワッシャーは、
2枚1組で構成されており、
ギザギザの面同士を
向かい合わせに使用し、
物理的にゆるまなくする。 -
ゆるみ止めに決まった方法や
使い分けはなく、使用用途・
使用場所・価格などから
総合的に判断する。
まとめ
平座金やばね座金は、
小ねじ・ボルト・ナットなどの
座面と締付け部の間にやみくもに
挟めばいいというものではありません。
座面が小さい、ゆるみ止めをしたいなど、
使用用途に合わせた方法を
選んで下さい。
ありがとうございました。