グローブバルブとゲートバルブの違いとは?種類・特徴・材質を紹介

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規格

バルブが詰まったので
バルブ交換したいです。

バルブの情報を
教えて下さい。

10K50Aのフランジ接続で
材質は、SCS13です。

バルブの種類は何ですか?

ゲートバルブか
グローブバルブだと
思うんですが。

バルブ側面に
矢印の記載はありますか?

矢印ありますね。

じゃあ、
グローブバルブですね。

矢印があると、
グローブバルブなんですか?

矢印は、流れ方向を
表しており、

グローブバルブは、
流体の流れ方向が

決まっています。

では、グローブバルブを
手配して下さい。

という、やりとりがありました。

テーマ

今回は、バルブについて
簡単に分かりやすく
紹介していきたいと思います。

 
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バルブの役割

バルブの役割って

何だと思いますか?

急に言われても

分からないです。

バルブは、JISで

流体を通したり、止めたり、
制御したりするため、
流路を開閉することが出来る
可動機構を持つ機器の総称。

と定義されています。

水道の蛇口みたいですね。

そうです。

Point

水道の蛇口は、単水栓とも呼ばれ
水を流したり止めたり、
水量を調整することができる
バルブのひとつです。

 

蛇口をバルブと考えると
すごく理解しやすいです。

ただし、

Point

水以外にも熱湯・蒸気・油・ガス・
薬品など様々な流体があるので、
バルブの種類・大きさ・材質など
用途によって選定する必要が
あります。

 

いつもそこで

悩んでしまいます。

最終的には、
各メーカーさんの
選定が優先されるので
選定に不安がある場合は、
問い合わせて下さい。

バルブの役割
  • バルブは、流体を通したり、
    止めたり、制御する機器の総称。

  • 蛇口は、単水栓と呼ばれる
    バルブのひとつ。

  • 様々な流体があるので、
    バルブの種類・大きさ・材質
    など用途によって選定が必要。

  • 最終的には、メーカーさんの
    選定が優先される。

 
 

バルブの種類と流体

バルブには、どんな種類が
あるんですか?

バルブは、
大きく分けると

Point
  • 玉形弁
  • 仕切弁
  • ボール弁
  • バタフライ弁
  • ダイヤフラム弁
  • 逆止め弁

の6つの種類があります。

 

6種類もあったんですね。

まず、『玉形弁』ですが

JISでは

一般に球形の弁箱をもち、
入口の中心線と出口の中心線とが
一直線上にあり、
流体の流れがS字状となるバルブ。

と定義されています。

弁箱、つまり『ボディ』が
丸みを帯びているバルブを
玉形弁と言うんですね。

そうです。

Point

玉形弁は、
『グローブ弁』や『グローブバルブ』
とも呼ばれ、ハンドル車を回転させ
弁体を上下させて流体を制御する
バルブです。

 

特徴を教えて下さい。

玉形弁は、

Point
  • 流量調整ができる。
  • 圧力圧損が大きい。
  • 流体の流れ方向は一方向。
  • 粘度が高い流体には不向き。

という特徴があります。

 

グローブバルブは、
流量調整がしやすい
バルブなんですね。

水道の蛇口や
ニードルバルブも

同じ構造です。

グローブバルブは、

蛇口のような
バルブなんですね。

次は、『仕切弁』ですが、

JISでは、

弁体が流体の流路を垂直に仕切って
開閉を行い、流体の流れが
一直線上になるバルブの総称。

と定義されています。

流路が一直線上になるので
グローブバルブより

面間が短いんですね。

そうです。

Point

仕切弁は、
『ゲート弁』や『ゲートバルブ』
とも呼ばれ、ハンドル車を回転させて
板状の弁体を上下させて、
流体を制御するバルブです。

 

特徴を教えて下さい。

仕切弁は、

Point
  • 流量調整に不向き。
  • 頻繁な開け閉めに不向き。
  • 圧力損失が小さい。
  • 流体の流れ方向に制限がない。

という特徴があります。

 

ゲートバルブは、

流量調整には使わない
バルブなんですね。

水門のような構造が

仕切弁です。

流路を門のように
遮断するから
ゲートバルブなんですね。

次は、『ボール弁』ですが、

JISでは、

弁箱内で弁棒を軸として球状の弁体が
回転するバルブの総称。弁体には、
全面球及び半面球がある。

と定義されています。

ボール状のものが弁体に

なっているのでボール弁

というんですね。

そうです。

Point

ボール弁は、
『ボールバルブ』とも呼ばれ
レバーを90°動かすだけで、
全開・全閉操作が出来るバルブです。

 

特徴を教えて下さい。

ボール弁は、

Point
  • 全開・全閉操作が早い。
  • 流量調整に不向き。
  • 高温流体に不向き。
  • 圧力損失が小さい。
  • 流体の流れ方向に制限がない。

という特徴があります。

 

頻繁に開閉する場合に

使用するバルブですね。

ガスの元栓などにも

使用されています。

ガスの元栓って

確かに90°回して

開閉しますね。

次は、『バタフライ弁』ですが、
JISでは、

弁箱内で弁棒を軸として円板状の
弁体が回転するバルブの総称。 

と定義されています。

円板状の弁体が

蝶の羽に似てるから
バタフライ弁なんですね。

そうです。

Point

バタフライ弁は、
略称『バタ弁』とも言い
『蝶形弁』や『バタフライバルブ』
とも呼ばれ、弁棒を90°動かすだけで、
全開・全閉操作が出来るバルブです。

 

特徴を教えて下さい。

バタフライ弁は、

Point
  • 流量調整ができる。
  • 全開・全閉操作が早い。
  • 高温流体に不向き。
  • 圧力損失が小さい。
  • 省スペースで設置できる。
  • 流体の流れ方向に制限がない。

という特徴があります。

 

バタ弁は、流量調整が

可能なんですね。

次は、『ダイヤフラム弁』ですが、

JISでは、

ゴムなどの伸縮可とう性の
ダイヤフラムで流路を開閉する
構造をもつバルブ。

と定義されています。

ダイヤフラムで流路を
制御するバルブなんですね。

そうです。

Point

ダイヤフラム弁は、
『ダイヤフラムバルブ』とも呼ばれ、
駆動部に流体が流れ込んだり
流体にグリスや金属粉などが
混入するのを防いでくれるので
医薬・食品などの分野で
使用されます。

 

特徴を教えて下さい。

ダイヤフラム弁は、

Point
  • メンテナンス性に優れている。
  • 高圧での使用に不向き。

という特徴があります。

 

ダイヤフラムバルブは、

使用用途が特殊ですね。

最後は、『逆止め弁』ですが、

JISでは、

弁体が流体の背圧によって
逆流を防止するように作動する
バルブの総称。

と定義されています。

配管に逆流が生じたときに
くい止める役割なんですね。

そうです。

Point

逆止め弁は、
『逆止弁』や『チェックバルブ』・
『チャッキバルブ』とも呼ばれ、
逆流による配管トラブルを
防止するために設置するバルブです。

 

特徴を教えて下さい。

逆止め弁は、

Point
  • 違う流体の混合防止。
  • ウォータハンマー防止。
  • ポンプ吐出し部の逆流防止。

などの目的で使用されます。

 

流れを自動的に開閉して

逆流を防止するんですね。

バルブの種類と流体
  • 玉形弁は、ハンドル車を
    回転させ弁体を上下させて
    流体を制御する。

  • 玉形弁は、流量調整ができるが、
    圧力圧損が大きく
    流体の流れ方向は一方向。

  • 仕切弁は、ハンドル車を
    回転させ板状の弁体を
    上下させて流体を制御する。

  • 仕切弁は、流量調整に不向きで
    圧力損失が小さく
    流体の流れ方向に制限がない。

  • ボール弁は、レバーを
    90°動かすだけで、
    全開・全閉操作が出来る。

  • ボール弁は、流量調整に不向きで
    圧力損失が小さく
    流体の流れ方向に制限がない。

  • バタフライ弁は、
    弁棒を90°動かすだけで、
    全開・全閉操作が出来る。

  • バタフライ弁は、
    流量調整ができ、
    圧力損失も小さく、
    流体の流れ方向に制限がない。

  • ダイヤフラム弁は、駆動部や
    流体に異物が混入するのを
    防いでくれるので、医薬・食品
    などの分野で使用される。

  • ダイヤフラム弁は、
    メンテナンス性に優れているが
    高圧での使用には不向き。

  • 逆止め弁は、逆流による
    配管トラブルを防止するために
    設置するバルブ。

  • 逆止め弁は、流体の混合防止や
    ウォータハンマー防止
    等に使用される。

 

バルブの材質

バルブの材質について

教えて下さい。

いいですよ。

バルブは大きく分けて、

Point
  • 黄銅
  • 青銅
  • ねずみ鋳鉄
  • ダクタイル鋳鉄
  • 鋳鋼
  • ステンレス鋼

があります。

 

結構、種類がありますね。

まずは『黄銅』ですが、

Point

小型から50Aまでのサイズで
使用されることが多く、

  • 温水
  • 低圧の蒸気
  • 酸素・窒素・炭酸ガスのような
    可燃性・毒性ガス以外のガス

等に使用されます。

 

比較的小さいサイズで

使用されるんですね。

次に『青銅』ですが、

Point

小型から100Aまでのサイズで
使用されることが多く
黄銅に比べ、耐食性が高く
埋設配管が可能です。

  • 温水
  • 低圧の蒸気
  • 酸素・窒素・炭酸ガスのような
    可燃性・毒性ガス以外のガス

等に使用されます。

 

黄銅より青銅の方が

耐食性が高いんですね。

以前に、まとめた記事が
あるので参考にしてください。

 

次は、『ねずみ鋳鉄』ですが

Point

40Aから600Aまでの大型があり、
基本的に低圧・常温用として
使用されています。

 

鋳鉄になると、かなり

大きいバルブがありますね。

次に、『ダクタイル鋳鉄』
ですが、

Point

350℃の高温で使用できるので
蒸気・高温水配管に向いています。
ねずみ鋳鉄より許容圧力・耐熱性に
優れていますが、価格が高いという
デメリットもあります。

 

高温での使用に向いた

材質なんですね。

次は『鋳鋼』ですが、

Point

900Aの大型バルブも製作可能で
強度が強く許容圧力も高いです。
400℃以上でも使用ができるので
石油精製・石油化学プラントの
配管ラインによく使われます。

 

鋳鉄より高温の条件で

使用できる材質なんですね。

最後は『ステンレス鋼』ですが

Point

許容圧力も高く、700℃以上の
高温でも使用でき、腐食に強い
という特徴を持っています。

 

ただ、
価格が高いんですよね。

以前、ステンレスについて
まとめた記事があるので
参考にしてください。

 
バルブの材質
  • バルブは大きく分けると、
    『黄銅』『青銅』『ねずみ鋳鉄』
    『ダクタイル鋳鉄』『鋳鋼』
    『ステンレス鋼』がある。

  • 黄銅は、小型から50Aまでの
    サイズで使用されることが多い。

  • 青銅は、小型から100Aまでの
    サイズで使用されることが多く
    黄銅に比べ、耐食性が高く
    埋設配管が可能。

  • ねずみ鋳鉄は、40Aから
    600Aまでの大型があり、
    基本的に低圧・常温用
    として使用される。

  • ダクタイル鋳鉄は、
    350℃の高温で使用できるので
    蒸気・高温水配管に向いている。

  • 鋳鋼は、400℃以上でも使用でき
    石油精製・石油化学プラントの
    配管ラインに使われる。

  • ステンレス鋼は、
    許容圧力も高く、700℃以上の
    高温でも使用でき、腐食に強い
    特徴を持っている。

 

バルブの記号とパッキンと接続方法

バルブに、5Kや10Kなどが

ありますが、あれは、
何を意味してますか?

5Kや10Kは、『呼び圧力』
と呼ばれるもので

温度ごとの最高使用圧力を

Kで表したものです。

なぜKで表して
いるんですか?

現在は、

Point

10Kを、1MPa
20Kを、2MPaと表していますが、
以前は、10Kを10kgf/cm2
と表していたため、『K』での
表示が残っているんです。

 

kgf/cm2のK
だったんですね。

ほとんどの場合は、
10Kフランジが使用されますが
30K以上はボイラーなど

高温高圧の条件で使用されます。

たまに、
ポンプのフランジが
5Kだと焦っちゃいます。

他にも150や400といった

欧米の規格もあるので

一度確認してみて下さい。

フランジやネジ込み・
溶接などの接続方法は
どうやって
使い分けるんですか?

『ネジ込み接続』は、

Point
  • 比較的低圧・小口径で使用。
  • 継手が安い。
  • 現場での作業が可能。

という特徴があります。

 

ネジ込み接続は、

現場でできる、安価な
接続方法なんですね。

次は、
『フランジ接続』ですが

Point
  • 粘性の高い液体向け。
  • 分解・清掃が容易。
  • 高圧でも使用可能。

という特徴があります。

 

バルブなど頻繁に
分解・清掃する場合は

フランジ接続なんですね。

フランジ接続に必要な

ガスケットや保温の記事も

参考に載せておきます。

 

最後は、『溶接接続』ですが

Point
  • 漏れると危険な流体。
  • 高圧でも使用可能。
  • 基本取り外しをしない。

という条件に向いています。

 

取り外す場合には、

切断するしか
ないですね。

機器によって接続方法が
変わるので、複数の
接続方法を使って

配管経路を成立させます。

ありがとうございました。

バルブの記号とパッキンと接続方法
  • 5Kや10Kは、『呼び圧力』
    と呼ばれ、温度ごとの
    最高使用圧力をKで表したもの。

  • ほとんどは、10Kフランジが
    使用されますが、30K以上は
    ボイラーなど高温高圧で使用。

  • ネジ込み接続は、
    比較的低圧・小口径で使用され
    継手が安く現場での作業が可能。

  • フランジ接続は、粘性の高い
    液体に向いており、分解・清掃が
    容易で高圧でも使用可能。

  • 溶接接続は、基本取り外しを
    しないので、漏れると危険な
    流体や高圧で使用される。

 

まとめ

バルブは、幅広い分野で使用されており
使う用途や流体によって
バルブの種類や材質・接続方法が
違ってきます。

バルブの選定を間違えると
バルブの交換・配管替え・
サイズ変更などが必要になるので
注意して選定して下さい。

ありがとうございました。