![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
この図面で製作してください。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
この図面で製作すると
高くなりますよ。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
何でですか?
安く仕上げてください。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
この場合、エンドミルと呼ばれる
円柱状の刃物を使って削るので
角が丸くなってしまいます。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
どうしても角は必要ですか?
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
そういうことですね。
製品を重ねたいだけです。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
そういうことなら、
こういう形状でどうですか?
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
取り出しやすいように
指も入るようにしましょう。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
使いやすくなりそうです。
これでお願いします。
という、やりとりがありました。
今回は、
「丁寧な図面」
について考えていきたいと思います。
図面って何ですか?
そもそも図面って何ですか?
ということなんですが、
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
それっぽく描いておけば、
何とかしてくれる!
って思っていませんか?
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
それは、大きな間違いです。
図面で加工をお願いするということは、
加工指示書にあたります。
そのため、
設計者さんの考えやイメージが
明確にされておらず、適当な指示だと
適当なものが出来あがってきます。
私も先日、図面をいただき安全柵を
製作させていただいたんですが、
納品後、別の方から
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/yuji2.jpg)
この安全柵は、
なんで角を丸くする
安全対策をしてないの?
他の柵はしてるでしょ?
と言われました。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
えっ?
となりましたが、
いただいた図面を見ていただき
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/yuji2.jpg)
うちの指示が悪かったんですね。
すみません。
と言っていただけましたが、
どちらも、後味の悪い仕事になりました。
外注の加工屋さんにお願いする場合、
材質や表面処理、加工精度が適当だと
![](https://60you1.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
あっ!この人理解していない・・・
![](https://60you1.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
トラブルになりそうだから、
やめておこう
と思われてしまうので、注意が必要です。
とはいえ、
専門で図面を書かれている方なら
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/you1-2.jpg)
しっかり指示ください!!
と言えるんですが、
最近では、
現場で作業されている方なのに
CADが使えるというだけで、強引に
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
現場の改善で、
図面を書くように指示された。
という話もよく聞きます。
あなたが加工屋さんとのトラブルに
巻き込まれないように
気を付けたいポイントを
紹介していきたいと思います。
図面不良によるトラブルとは?
加工屋さんとのトラブルを例に挙げて
お話しさせていただきます。
適当な図面を描くと
加工屋さんは困ってしまいます。
トラブルの例 | 加工屋さんの問い合わせ・回答 |
SPCCの板厚3㎜ |
|
掘り込み部分の 角が直角 |
|
上手くはまらない |
|
納期遅れ |
|
面取りされていない |
|
サビている |
|
加工ができない |
|
ズレている |
|
といったトラブルをよく聞きます。
加工屋さんは、加工するのが仕事ですから
問い合わせや確認事項は、
![](https://60you1.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
出来る限り減らしてほしい。
と思っています。
対応を間違えると、
![](https://60you1.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
お宅の仕事は二度としない!!
といった
トラブルにまで発展しかねないので
注意して下さい。
機械加工と加工精度
最近は、新人教育に時間が
取れないこともあるのか
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
工作機械を見たことが無い!
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/piyo2.jpg)
加工精度って何ですか?
という方と
お話しする機会が増えてきました。
とはいえ、
部品の形状や寸法は、もちろんですが、
用途・重要箇所を一番理解しているのは
設計者です。
最低限の機械加工や製図の基本を
知っておくことは、
仕事を円滑に進めるために必要ですし、
「自分を守る。」
ことにもつながる大事なことです。
機械加工とは
機械加工は、大きく3つに分類されます。
機械加工の種類 | 作業内容 |
切削加工 |
|
塑性加工 |
|
付加加工 |
|
が代表的な加工方法です。
切削加工1つとっても、
数多くの加工方法があるので
別の機会に説明させていただきます。
加工精度とは
例えばシャフトと穴が同じサイズだった時
はめ込むことが出来ません。
シャフトを少し小さく、
穴を少し大きくすることで
はめ込むことが出来るようになります。
用途によって寸法公差やはめあい、
表面粗さなどを考慮する必要が
出てきます。
寸法公差やはめあいとは
寸法公差やはめあい交差とは、
図面に寸法に対して、
ここまでなら許容できますよ。
という範囲を意味しています。
気温・加工条件・刃物の状態など
色々な要因で加工寸法が微妙に
ばらついてしまうんです。
そのばらつきを、
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/yuji2.jpg)
この誤差なら許容できます!
という範囲のことを指します。
表面粗さとは
表面粗さとは、
加工面の凸凹の差を表すもので
凸凹の差が大きければ粗く
小さければ滑らかな仕上がりになります。
加工方法により仕上がりが変わります。
素材の特徴
素材の特徴は、
関連記事にまとめてあるので
参考にしてください。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/10/machine-steel-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/10/HSS-SKH-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/11/stainless-steel-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/09/rabber-urethane-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/09/fluorine-ptfe-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/09/rubber-bands-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/09/pom-pom-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/08/mc-naylon-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/10/super-enpla-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/03/kitchen-silicone-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/01/alumi-cans-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/01/brass-valve-160x90.jpg)
表面処理の特徴
表面処理の特徴は、
関連記事にまとめてあるので
参考にしてください。
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/11/handle-chrom-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/10/burnner-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2020/10/carbon-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/11/united-chromate-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/10/baking-paint-160x90.jpg)
![](https://60you1.com/wp-content/uploads/2021/01/alumite-160x90.jpg)
見やすい図面・加工しやすい図面とは
見やすい図面・加工しやすい図面
と言っても、どのような図面が
見やすいのでしょうか?
一般的に
- JIS B 0001 機械製図に則った図面
- 寸法の基準位置がはっきりしている
- 寸法・注記が分かりやすい
- 適切な交差で描かれている
- 加工手順・加工方法を理解しているか
を心がければ大丈夫だと思います。
もし、JIS B 0001を確認したことないなら
確認してみるといいかもしれません。
私は最近、一般的にゴムを加工した場合の
加工精度は±0.3mmと言われていますが
いただいた図面には、
±0.01mmと描かれていて
大変な思いをしました。
分からないことは、
後工程の人に考えてもらうのではなく、
後工程の人に理解してもらえる図面を描く
という思いやりが重要だと思います。
まとめ
設計は、工程の上流にあたります。
そのため、適当な図面を書いてしまうと
加工工程や組立工程に多大な被害を
与えてしまう可能性がありますし、
最後に自分の首を絞めることになります。
分からなかったら調べたり、相談して
次工程、その先の工程のことを考えた
見やすく・分かりやすい図面を描くこと
を心がけていれば、間違いなく
あなたへの信頼につながります。
ありがとうございました。